若月佑美が語る“サバサバ女”の魅力、一番難しくて一番大事な「自分ファースト」

芸能総合 公開日:2023/01/15 6
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女優の若月佑美が、1月9日より放送開始のNHK(総合)夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから』に出演する。原作は2020年に連載を開始したネットコミック。出版社で働く“自称サバサバ女”の主人公・網浜奈美をめぐるオフィスのあるあるコメディとして、丸山礼を主演に迎えドラマ化となった。


若月が演じるのは、網浜の同僚・安藤晴香。綱浜の言動に振り回され、思わず心の声を漏らしてしまう素直なキャラクターとなっている。


『笑う犬』シリーズや『ワンナイR&R』などのコント番組を手がけた伊藤征章氏が演出を担当する同作の撮影エピソードを若月に聞くと共に、2022年の振り返りや、今後の展望を聞いた。



──『ワタシってサバサバしてるから』予告の映像を拝見しました。とても楽しそうな現場に見えましたが、実際にはいかがでしたか。

本当に作品のままの空気感というか、わちゃわちゃしていて、どこからがリアルでどこからが芝居なのかわからないくらいでした(笑)。カットがなかなかかからないんです。そうすると俳優さんの素がちょっとずつ出てくるというところも面白いなと思っていました。


──カットがなかなかかからないんですね。

かからないんです。予定調和なものは面白くないと監督はおっしゃっていて、突発的に生まれたものこそリアルで、面白くなるということを大事にされていました。


──アドリブの多い現場だと伺いましたが、若月さんもアドリブを求められることはあったんですか?

いや、私は丸山さんが役の網浜さんとしてアドリブで新しい芝居をされることに対して、同僚の安藤晴香として「何やってるんですか」と応じていく感覚でした。自分から仕掛けるようなことはないんですが、どんな演技が来るのかわからないので、緊張はします。台本ではセリフが終わっているのに、監督がカットをかけないんですよ。だから続きを出していくしかないんです(笑)。


──印象に残っている場面はどんなものですか?

丸山さんがモノマネをされるところがあるんですが、それは実際の原作にはないシーンだと思います。丸山さんにしかできないシーンなので、素で笑ってしまいました(笑)。何のモノマネをするか、楽しみにしてほしいです。あとは犬飼貴丈さんもアドリブがすごく面白いんです。でもアドリブしている感は出さないで、何食わぬ顔でしれっと、アドリブを入れてくる感じがすごいなと思っていました。


──主人公の網浜も丸山さんが演じることで、原作とはまた違った魅力を感じられますよね。

そこがドラマ化の面白いところなんですよね。反対に、絵で見ていたら許せた内容もリアルでやると生々しくなってしまうようなところもあると思うんですが、そこはしっかりとドラマ用に面白さが足されています。個性的なキャラクターですが、丸山さんはすごく愛嬌のある方なので「ムカつく」という感じにはなっていないと思います。見ていただいた方に一緒になってツッコんでほしいですね。


──“自称サバサバ女”あるあるは若月さんもこの作品から感じましたか?

網浜さんは実際にいたら相当すごい人。お笑いで言うハリウッドザコシショウさんのモノマネのように、“誇張した自称サバサバ女”なんじゃないかなと思います。自称サバサバ女ってたしかにいるとは思うんですけど、それをすごく誇張したのが網浜奈美さんなんですよね。トイレに行ってもハンカチを持たないから手を空気で乾かすとか、そういう小さい部分でのリアルさはあります。


──作品を通して、サバサバ女の魅力を感じた点はありますか?

グッと来たのは、網浜さんの掲げる「自分ファースト」という言葉です。自分ファーストに生きるって、一歩間違えたら自己中心的ということになってしまいますが、違う見方をすれば、自分のことを大事にできないで他人のことを大事にできるのか、とも思えるんです。自分ファーストという言葉は、一番難しくて、でも一番大事なものなのかなと、網浜さんから教えてもらいました。言いたいことを言えない、しかも言っていいことまで言えないという弱い部分は、生きている中で出てくるなと自分に対しても感じたので、網浜さんは度が過ぎてしまってはいますが(笑)、ちゃんと言うときは言う、できないことはできないと言う、ということも大事なのかなと思いました。


──若月さんは自分ファーストを実践できていますか。

最近は、人に迷惑をかけるくらいなら言った方がいいなということは、言うようにしています。例えば、雑誌の撮影で太陽の方向を見て写真を撮ることがあるんですが、私は目が弱くて、太陽の方を見ると全然目が開かないんです。すごく険しい顔になってしまうんですよね。そうすると結果的に良い写真にならないので、「頑張ります!」と我慢してどうにかしようとするくらいなら、最初から「すみません、太陽の方は見れないんです」と言った方が、相手のためにもなることもある。そうやって、自分がわかる範囲でできないことは、人に迷惑をかけそうな時にはどんどん言っていこうということで、少しずつ自分ファーストを心掛けるようになってきました。


──では以前は、自分にとって難しいことでも、無理して引き受けてしまうところがあったんですね。

そうですね、やるタイプでした。「できない」ということが怖いし、自分が我慢すれば丸く収まる、と思ってしまったら言わないタイプだったんです。昔は黙っていることが多かったですが、最近は自分の意見を言った方がうまくいく時もあるので、バランスを見ながら言うようにはなりました。


──2022年についても伺いたいと思います。数々の出演作のほか、舞台の主演も経験され、二科展での自身初の入賞もありました。

気付いたら年末(取材時)という感覚ですが、それはすごくいいことだなと思うんです。「まだ時が経たない」というよりも「もう時が経ってしまった」という方が、公私ともにとても充実したんだな、ということを感じられるので、そういう点でも良い年だったなと思います。ドラマはもちろん、舞台もやって、絵も描いて。2022年に撮影した作品は2023年に公開するものが多いんですが、『家電侍スペシャル ストップ!忠臣蔵』というドラマでは、コメディながら初めての時代劇で、カツラを着用しました。今回の“ワタサバ”でもほぼコントのようなコメディ作品に出させていただいたり、最近では『invert 城塚翡翠 倒叙集』というミステリー作品にも参加させていただいて。様々なジャンルの作品に関わらせていただいたので、それを自分の中で整えていって、2023年以降に活かせたらいいなと思っています。


──具体的にはなにか挑戦したいことはありますか?

なにか新しいことにチャレンジしたいなと思っています。それも表じゃなくて、裏側。企画、制作、プロデュースとか、そういうものをやってみたいなと思うようになりました。2022年で様々なジャンルに関わらせていただいたことで、物作りの大変さと楽しさを知ることができたんです。2022年は俳優さんと仲良くなる機会もたくさんあって、仕事以外の面で相談を受ける機会も多かったんですよね。それで自分の応援したことによって、ことがうまく進んでいったりすることが嬉しくて、「人のためになることってこんなに気持ちいいんだな」ということを知れたんです。その思いが増して、仕事で誰かの助けになれないかなと思うようになりました。誰かの良いところを見つけて教えてあげるプロデュースをやってみたいのと、いろんな人の本当の良いところを知っていたりとかもするので、キャスティングの面でも力になれたらいいなと思っています。


──プロデュースというと、映像作品の企画などもされるのでしょうか。

オールジャンルですね。映像作品もやってみたいなとは思っています。自分の中でやってみたい作品性というものもありますし、コラムも書かせていただく機会もあるので、メッセージ性のあるものを作ることがとても好きなんです。一つ一つ形にしてみたいなと思います。音楽の新しいグループを作ることとか、新しいモデルさんやタレントさんを売り出すところには関わってみたいです。2023年中というのは少し早いかもしれませんが、ちょっとずつでもやれたらいいなと思いますね。


──秋元康さんのようですね。

そうなんです。「秋元先生になりたい」と、実は密かにずっと言ってたんですよね。秋元先生って、作詞家が肩書きではあるらしいんですけど、プロデューサーもされますし、ドラマの原案もやられていて。もちろんなにかを一筋でやっていく方もすごく格好良いなとは思いますが、いろんな人といろんなことをやっていくことも面白いなと思うので、秋元先生みたいな人になってみたいなとは思っています。


取材・文・撮影:山田健史

※本記事は掲載時点の情報です。

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