宝塚宙組『HiGH&LOW』は真風涼帆の一撃でスタート、圧巻のダンスパーティの場面も

芸能総合 公開日:2022/08/27 2
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宝塚歌劇宙組公演『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』と『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』が兵庫・宝塚大劇場で上演初日を迎えた。宝塚×LDHの異色コラボが注目の本公演より、開幕前日におこなわれた通し舞台稽古の模様をレポートする。


『HiGH & LOW』はこれまでドラマシリーズ5作、映画シリーズは7作が制作され、最新映画『HiGH&LOW THE WORST X』も公開間近。累計興行収入78億円、累計観客動員556万人を突破し、音楽・コミック・ゲーム・SNS・テーマパークなどあらゆるメディアを融合させた「総合エンタテインメントプロジェクト」だ。その宝塚版となる『HiGH&LOW ―THE PREQUEL―』では壮大なシリーズの作品群の隠された前日譚を新たに構想し、宝塚歌劇の世界観での舞台化に挑戦。時代はシリーズを通して物語の中心となる5つのグループ「SWORD」誕生前夜の物語となる。演出を務めた野口幸作によれば、今回のLDHとのコラボレーションで意識したのは「Love/Dream/ Romance/Happiness」。今までのシリーズでは見られなかった“ロマンス”が存分に描かれており、シリーズのファンも宝塚ファンもフレッシュかつ、自然に楽しめる内容のはずだ。




主演・真風涼帆が演じるのは、これまで岩田剛典三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE/EXILE)が演じてきた山王連合会のリーダー・コブラ役。通し舞台稽古でもスタッズの入った黒の衣装が凛々しかった。宝塚でよく使われるフェンシングなどの武器は封印され、物語は真風の拳による一撃でスタート。『HiGH&LOW』おなじみの乱闘シーンも舞台ならではの迫力と演出で再現される。一方で宝塚らしいエレガントな衣装が並ぶ、美しいダンスパーティの場面も圧巻。


また音楽面における、宝塚×LDHのマッシュアップにも耳が離せない。ドラマや映画と同じくSWORDの山王連合会、White Rascals、鬼邪高校、RUDE BOYS、達磨一家には、それぞれテーマ曲が存在している。LDHアーティストの楽曲に通ずるダンサブルなビートを鳴らしながら、宝塚歌劇オーケストラのサウンドが乗る“同期演奏”、その上にあの宙組の歌声が響くのだ。この試みが新たな発想や、次のスタンダードを生んでいくに違いない。


そして主軸として描かれるのはコブラと、本作オリジナルキャラクターである、ヒロイン・カナ(潤花)の悲しき恋。そして街を守るという信念を持つコブラに「守るべきものができると弱くなる」という言葉が付きまとう。なお、ふたりが出会う場面や、舞台装置や映像を駆使したデートシーンも見どころとなっていた。そしてエンディングに向かって、それぞれのチームの運命が交わっていく。戦いと恋愛の果てにコブラが見出すものとは。そして登場人物たちが描く群像劇の行方とは。


一方で同時上演の『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』は放浪の伊達男・カプリチョーザが、イタリア各地を巡る中で遭遇する様々な出来事を綴った大人の雰囲気漂うショー作品。こちらは宝塚歌劇の真骨頂といえる内容となっており『HiGH&LOW ―THE PREQUEL―』と見比べることで、そのコントラストを感じられるのではないかと通し舞台稽古から思わされた。通し舞台稽古の観劇後に残ったのは「明らかに令和の宝塚は攻めている」という感想だ。「宝塚歌劇」という型を破って何か新しいものが生まれる萌芽がここにある。それは千秋楽に向け、さらにブラッシュアップされていくことだろう。


チャレンジと大道をともに楽しめる本公演、ぜひ劇場で体感してほしい。


※本記事は掲載時点の情報です。

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