少女マンガ誌「マーガレット」に掲載されると、瞬く間にヒット作となった桃森ミヨシによる『悪魔とラブソング』。
美しい歌声と美貌を持ちながらも、言葉を飾らないために孤立してしまう主人公・マリアが、それぞれ苦悩を抱えた仲間たちと出会い、絆を築いていく様子が描かれる人間味あふれるストーリー。
この『悪魔とラブソング』が、浅川梨奈・飯島寛騎ダブル主演のHuluオリジナル作品として実写ドラマ化!
原作でもキーワードの一つとなる音楽だが、今回のドラマ主題歌には圧倒的な実力を誇るガールズ・ユニオン「FAKY」の書き下ろし楽曲『Take my hand』が抜擢。
早速その楽曲に込められた思いや制作舞台裏をFAKYメンバーに聞いてみた。
――『悪魔とラブソング』主題歌のお話が来た際のお気持ちを振り返りいかがですか?
Lil' Fang
私は元々原作のファンで、「悪魔とラブソング」は愛読している作品なんです。そんな作品の主題歌ということで、「ホントですか!?」という気持ちでした。
実写ドラマ化ということだけでも、一ファンとしてワクワクしますし、その主題歌を担当させて頂けるという事で、楽しみとプレッシャーがぶつかり合った感覚でいます。
自分もそうなんですが、原作ファンって目が肥えていると言いますか、ハードル設定を高く設けていたりする部分もあるので、そういった方々に向けても作品の根幹部分だけでなく、「音楽」という説得力を与えられたらいいなと思っています。
Taki
ずっと日本にいたわけではないので、「悪魔とラブソング」は最近まで知らなかったんのですが、ストーリーに触れてからは、もう読みたくて、読みたくて!
英語のバージョンも欲しいな~って、ずっと思ってます!
今回の実写ドラマ化に、音楽で自分たちもコネクトできるドラマということで本当に嬉しく思っています。
――『悪魔とラブソング』という作品に触れた印象や感想はいかがですか?
Akina
もうストーリーラインが面白過ぎて、「この後どんな展開になるんだろう!?」というドキドキと心地よい緊張感が途切れず、ずっと楽しく見ることが出来ました。
私も英語バージョン欲しいなと思っています! (笑)
Mikako
「今の時代にあってるな」という感覚を持ちました。
SNSで自分が可愛く写っていない写真をあげられてしまうなどちょっといじわるな場面もありますが、こういったことが現実にも起こっているんだろうなと思いながら、胸が苦しくなったりもしました。
私は、主役のマリアが“ドツボ”です。彼女が発する言葉や、とる行動だったりが、私の中で共感を得る部分も多く、「次どんなこと言うんだろうな?」ってと彼女の真っすぐな姿勢に惹かれてしまいます。
Hina
作品の中心と言いますか、テーマに「音楽」というものがあります。
私もこの24年間音楽と一緒に成長していますが、音楽を始めたきっかけがピアノだったんです。
その後吹奏楽をやってきたりもしているので、自分と重なる部分が沢山あり、苦しくなったり嬉しくなったり、色んな感情で作品に向き合えました。
こういった自分と重ねられる、自分とリンクする作品で主題歌をやらせて頂けるという事は本当に嬉しかったです。
――「音楽ジャンルにとらわれない」というFAKYですが、本当に今回もジャンル分けが難しいほどに重厚な楽曲に仕上がっています。
R&Bにエレクトロニカ要素がプラスされたような、独特な世界感で構成される『Take my hand』ですが、レコーディングや製作段階で印象的だった出来事などございましたら教えてください。
Lil' Fang
いつも作詞をする中で、まず作詞をして、「誰がどこを歌うべきかな」と考えながら仮歌を入れていたんですが、今回に関してはもう詞を書いている途中から「あ~、これはこの子に言って欲しい!」というイメージが湧いてきたので、制作はスムーズでした。
Taki
本当にレコーディングはスムーズで、一日があっという間に終わっちゃいました。
Lil' Fang
たぶん一番苦労したのはHinaだよね。
ハモリを全部担当してるので(笑)
先ほどもありましたが、Hinaはずっと音楽をやっていて、相対音感があるので早いんですよ!覚えるのが。
他の旋律にも釣られない釣られない!
ただ、今回は量がハンパじゃなかったので。
生のストリングスが入っている楽曲でもありますから、その音に負けない声の厚みを出したいという思いもあり、Hinaには頑張ってもらいました。
Hina
そうですね、自分のパート全部ハモハモで何度もトライしました!
私は以前にいたグループではハモリをやった経験が無かったんです。
Lil'がディレクションしてくれるようになり、「ハモ楽しい!」「こういう風に自分が楽曲に参加出来たりもするんだ!」と思えるようになったので、大変ではあるんですけど、成長しながら楽しみながらレコーディングが出来ています。
――なるほど。Lil'さんがHinaさんの新たな扉を開いてくれたような印象ですね。
Hina
そうなんです。
Lil' Fang
…。(無言のまま渋い表情で扉を開くアクション)
一同
(笑)
Lil' Fang
記事にしにくいことしてすみません(笑)
――(笑)いえいえ!ここもしっかり書いちゃいます!そしてLil'さんは今回も歌詞を担当されているわけですが、込められた思いなどございましたら教えてください。
Lil' Fang
作品のために書き下ろした曲なので、まずは「どれだけ作品に寄り添えるか」という部分を意識しました。
同時に、私たちが「自分事」として歌えなければ、作品にも寄り添えないだろうし、真に迫った言葉も出てこないだろうという思いもありました。
今はコロナで距離が離れてるじゃないですか。
「触れ合う事」というのが凄く難しい状況になっています。
SNSやオンラインといった「物」を通しての繋がりや、「心の繋がり」という「言葉」を通しての繋がりしか持てないという状況、この“With コロナ”に慣れてきた段階ではあると思うんですけど、やっぱり大切な人とは実際に触れあっていたいな、フィジカルでも支え合って生きていきたいなという思いが強くなっていたので、この曲にその思いを詰め込みました。
そして、作品同様に1人で闘う孤独から、仲間を知った喜びというストーリーになっています。
私達も全然違うところから集まった5人ですが、支え合って生きています。そういったリンクも受け取ってもらえると嬉しいです。
――パフォーマンスや表現面で意識されていることはありますか?
Akina
今回は「コンテンポラリーダンス」に初めてチャレンジしています。裸足で踊ったのも初めてです。
この試みで本当に新しいFAKYを魅せることが出来たんじゃないかと思っています。
「コンテンポラリーダンス」は動きだけでなく、表情、フィーリングが大事になってくるダンスなんですけど、今回は心の深いところから悲しい気持ちや、頑張りたい気持ちを全力で引き出し、伝えられたんじゃないかと思っています。
この点は是非注目して頂けると嬉しいです。
――「コンテンポラリーダンス」要注目ですね!そうなりますとMVはどのような作品になりそうでしょうか?
Lil' Fang
一曲通してのメッセージになっています。
孤独と闘っていて、誰かと寄り添いたくて、ようやく仲間を見つけて、手を繋いで進む。
これを見事に視覚的に表現できたMVになっています。
曲の序盤では1人ずつ別々のシーンで、中盤はすれ違いながら個々の触れ合いが生まれ始め、最後には5人で手を繋いでのコンテンポラリーダンスという構成です。
Hina
泣きそうになりました。
――本当ですね!かなりエモい構成になってますね!お話聞いているだけでグッときました!
Lil' Fang
私とHinaが手を繋ぐシーンは最後の方なので、撮影時はずっとみんなの動きを見ていられたんです。
Hina
2人で後ろの方でうるうるしながら見てたよね(笑)
Lil' Fang
見入っちゃい過ぎて、この人(Hina)何回も出るの忘れるんですよ!
その都度「行きな!出番だよ!」って(笑)
あとは見すぎて遅れた挙句、見切れちゃって座るところが映りこんでたり!
一同
(笑)
Lil' Fang
この撮影舞台裏のメイキング映像も見て欲しいよね!
Akina
今回のMVはワンテイクで撮影してるので、1人が間違えると最初からやり直さないといけないんですよ!
なのでチームワークもかなり重要だったので、その点も見て頂けると嬉しいです。