秋元康プロデュースの「劇団4ドル50セント」と、脚本家、演出家、俳優である奥山雄太が主宰を務める演劇ユニット「ろりえ」がコラボし、『劇団4ドル50セントとろりえの年末』を開催する。
2020年12月23日(水)~12月29日(火)に中目黒・キンケロシアターにて封切となるこの舞台は一体どのようなものなのか。
「こたつチーム」と「みかんチーム」の2チーム編成で行われる公演、今回は「みかんチーム」のメンバー、安倍乙、立野沙紀、前田悠雅、岩井七世に話を訊いた。
―現場の雰囲気などいかがですか?
岩井七世
すごく和やかでアットホームですね~。
前田悠雅
なかなか無いくらいだよね。現場も演出家の奥山さん以外全員女性だし。お稽古の時も、お稽古じゃない時も、ずーっと全員がしゃべってる感じです。おしゃべりなんですよ!
岩井七世
おしゃべり!ずっと会話に花咲いてるよね!
立野沙紀
もちろんお稽古もしてるんですよ!けど7~8割がプライベートな話だよね(笑)
前田悠雅
演出家の奥山雄太さんも乙女心のある方なので、恋バナに花が咲いちゃいますね~!
―SNSで発信されている「ポンコツお絵かきしりとり」からも楽しさが伝わってきます!そんな、みかんチームお稽古中のエピソードなどございましたら。
岩井七世
もう乙ちゃんのことしか思い出せない!
立野沙紀
毎日欠かさず乙ちゃんで笑いが起きるよね。
前田悠雅
本人はいたって真面目なんですけど、それがいいんですよ。
安倍乙
正直、私は何をしてしまって笑いが起こっているのかわかっていなくて…。
立野沙紀
乙ちゃんにREIKOをやってもらおうというキャスティングが凄いと思います。
前田悠雅
乙ちゃんが挑むREIKOもぶっ飛んでいる役なんですよ。
彼氏を一途に愛しているあまり、周りがみえないという子なんですが、乙ちゃんにしかできないお芝居の仕方なんです。「そこでいきなり脱力するんだ!」「ここで熱量上がるんだ!」とか、予想がつかない動きなので、乙ちゃんとのシーンは本番でもかなりリアリティのあるものになると思います。
―役柄のお話出ましたので、みなさんの挑まれる役どころの紹介と、ご自身との似ている部分や真逆の部分などお一人ずつよろしくお願いいたします。
前田悠雅
【主人公・いのり について】
この作品は、女性同士の恋愛を描いている作品になります。私が挑む「いのり」は、現在彼女がいて同棲中なんですが、学生時代の恋人と再会してしまい、心が乱れていくという複雑な気持ちを抱えた子です。いのりは女性同士の恋愛の中で、男性的に引っ張っていくタイプです。
【自分との比較】
私自身が浮気であったり、心変わりの経験が無いので、今回の作品のように交際相手に“申し訳ない”という思いを抱えながら日々を過ごすことが、どれくらいの罪なのかイマイチ掴めなかったので、稽古ではまず「罪悪感の大きさ」を決めることからスタートしました。
私自身は相手に好意を伝えるのが得意なタイプではないので、いのりを演じるにあたり勇気を出すシーンが多く、先日ようやく奥山雄太さんから、「男らしい面がみえたね!」という言葉をもらいました。
岩井七世
悠雅ちゃんが褒められた瞬間、覚えてます!
「手」って感情が出やすいんですが、いつもはモゾモゾ動いていた悠雅ちゃんの手が、その日を境に自信あり気に動くようになったんです。
前田悠雅
それまでは、「手」に素の自分が出てしまうこともありました(笑)
岩井七世
【いのりの恋人・七子さん について】
私が挑ませて頂く七子さんは、いのりと3年付き合っている同棲中の彼女です。
この物語は女性同士の恋愛を描いた作品ではありますが、女性同士の恋愛が主軸ではないと思っています。全員が女性ということで、触れる方が平等に感情移入できる作品だと思っています。
私達が演じる役柄の向こう側に見える、自分自身の忘れていた恋愛や、忘れられない恋愛などを、この年末に思い出し、切なくほっこりして頂ければと思います。
【自分との比較】
七子さんは、恋人に対して言いたいことを言えず、飲み込んで葛藤しちゃうタイプなので、私とは違うタイプと感じています。でも七子さんには、共感してくださる方多いと思います。「繊細につくりたい」という思いで稽古に挑みました。いのりとの恋愛を象徴するシーンも静かに描かれています。
前田悠雅
もう交際3年目なので、一緒にいるのが当たり前って空気感だもんね。
岩井七世
そう。なので、当たり前の中にある小さなものも逃さず繊細に表現できればと思っています。
立野沙紀
【いのりの元恋人・みほ について】
私がやらせて頂くのは、いのりの元恋人、みほちゃんです。いわゆる“忘れられない人”という役です。
私は色んな舞台で“強めな女の子”を演じることが多いんですが、みほは“The女の子”というかわいらしい子で、私が憧れるような女の子像を持っています。
最初はこれまでの癖みたいな演技に引きずられてしまい、みほに寄せていくのに苦労もありました。
【自分との比較】
恋愛があって、破局があったりしながらも、好きだった気持ちはいつまでも変わらないというみほの考え方には共感できます。
いのりと再会する時も、いのりは「どうしよう…」という感じなんですが、みほは「久しぶり!」ってニコニコ嬉しそうにしているんです。過去を引きずらず、あっさりスッキリしている部分は似ているところかもしれません。
自分にもこんな子いたな~!という象徴になれれば(笑)
前田悠雅
そういった意味だと、「いのり」と「みほ」は対照的かもしれないよね。
こういう罪な女いたよね~!という感じで見て頂ければ(笑)
安倍乙
【いのり・七子共通の友人REIKO について】
私が挑むREIKOは、ロックバンドをやっていて、感情の起伏が激しく、自己中心的な女性です。
男爵という人物が大好き過ぎて、メンタル的にもすぐ泣いたり、笑ったり、怒ったりするんですが…、一言で言うと“クレイジー”なキャラです。
岩井七世
言い方を変えると“正直な子”なんだよねきっと。
安倍乙
そう。なんか憎めないんですよ。
【自分との比較】
安倍乙
私とREIKOが似てるなと思ったのは…、どこだろ?
一同
(笑)
安倍乙
REIKOみたいに、ここまで一途になれるのかな?って思いますね。
色んなことが続かない飽き性なんで。
岩井七世
この正直なところ似てるんじゃない?(笑)
一同
そこだね!