HKT48荒巻美咲 ”内向きの天使”が掴む輝く未来
常設劇場なき後の劇場公演の激減、看板番組「HKT48のおでかけ!」が終了、SNSトラブル…HKT48にとっての2017年は逆風にさらされ続けた1年であったのは間違いないだろう。それでも、TIFでの素晴らしいパフォーマンスに始まり、12月27日に待望の1stアルバム『092』の発売が決定。四期研究生の全員昇格、指原莉乃のSTU48支配人解任に伴い、本格的なHKT48への注力宣言……と、再び一丸となって突き進む形が出来上がったように思える。「HKT城、再び、動く」と言ったところだろうか。 宮脇咲良は今や48グループの象徴の一人となり、兒玉遥は本格復帰。田島芽瑠、朝長美桜はSNSを駆使し話題を呼び込んだ。矢吹奈子、田中美久は完全覚醒の様相を呈し、松岡はなの活躍、豊永阿紀の躍進に続く4期の胎動。そして「誘惑のガーター」公演のスタートで大人メンバーの魅力がフックアップされる……と、メンバー全員のコンディションが素晴らしい状態。 来年、HKT48がさらなる躍進が必須の中、これからのHKT48をさらにもりあげてくれるだろうメンバーとして、筆者としてはチームTⅡ荒巻美咲(あらまき・みさき)の名前をまず挙げたいと思う。 荒巻は今年2月発売の『バグッていいじゃん』で初選抜入り、カップリングの『僕だけの白日夢』を坂本愛玲菜とWセンターを務めるなど非常に良いスタートを切った。そして9月に開催された「ユニットじゃんけん大会2017〜絆は拳から生まれる!〜」にて4期の運上弘菜と結成したユニット「fairy w!ink」で出場、見事優勝を勝ち取り。先日発売のシングル『天使はどこにいる?』でユニットデビューを果した。“絶対に「笑わないアイドル」”の異名通り、ソリッドなレトロアイドル歌謡は、彼女たちのクールな魅力をみごと引き立てた素晴らしい仕上がり。オリコンデイリー上位にもランクイン、ウィークリーでは11位初登場という結果を残した。さらに11月にBay-fmで放送された各グループのオススメメンバーを紹介する特別番組「AKBシンポジウム2017~ニュースターはこの子だ!」にて、HK48代表として出演した宮脇は、荒巻と運上の二人の名前を挙げ“妖精”“HKTの未来”と豪語。まさに要注目の活躍を見せている。 しかし、ここに至るまで荒巻は順風満帆とは言い難い道を歩んできた。デビュー間もない頃から、HKT48の未来として大きな期待を寄せられる一方で、目に見えた大きな結果は長らく残せずの日々を送ることに。その大きな原因は、彼女の“内向き”な姿勢にあったように思える。2015年に筆者が以前に投稿した記事「指原も大絶賛!HKT48 荒巻美咲の魅力は?」があるが、引っ込み思案な部分は長らく解消できず、ややもすると表情が硬いまま一公演を終えることも。 MCとなると元来の生真面目さが働くのか、終始言葉少なく終わってしまう日々。グイグイと突き進むHKT48の中にいて、自己主張の対極を行くように口を真一文字に結ぶ姿が印象的だった。生真面目な性格、ストイック……言い変えれば頑固な部分が彼女の魅力を隠すような働きを見せていたのも事実。アイドルらしく可愛く振舞う、ということが苦手なうえに、そんな自分を「気持ち悪い」と斬り捨ててしまう部分が散見されたのは、やはり自分の道を狭めていた部分でもあった。 またどれだけ頑張っても昇格が適わず、選抜入りも果たせずの日々。昨年2月、Google+に「必要とされてないのかな」と記したほど。どうすれば!?と悩んだ時期もあっただろう。舞台でも伏し目がちで自信なく俯く姿が、一昨年の末頃から昨年序盤頃にかけて顕著に見られた。しかし、ドラフト2期生が加入してから、自分の中の何かに火が付いたのだろうか。それまでの控えめな姿勢から、見違えるほどの変化を見せるように。 MCでは相変わらず口数は限られるものの、ハチャメチャになる場を鋭い毒っ気が含まれた一言で制すれば、時には生真面目さを駆使して“回し”を担う機会が増加。今年のTIFでのバックステージインタビューでも、騒ぐメンバーに向けて「シーッ」と静かにするよう促し、コーナーが滞りなく進められるように円滑に動かしていたのが印象的だった。思慮深さも見せるなど、確実に精神的な成長も遂げている。 どこかあどけなさが先行していたルックスは日々磨きがかかり、大人びたまさに美少女然としたルックスに成長。盟友・坂本はモチロン、山田麻莉奈に坂口理子、渕上舞(この三人の荒巻に向ける視線は危険な領域に達している)に後輩・宮﨑想乃までが虜に。 あれだけ自分を語ることに躊躇していた彼女だが、ここ最近の発信力の高さは特筆すべき。特にTwitter上では「fairy w!nk」発売記念として、1日1枚運上と共にカウントダウン写真を撮り下ろすなど、様々な企画を展開。中でもこの、動画に心を射抜かれない人間はいないだろう。元より高かったダンスパフォーマンスはさらに、美しさを増し、まさに宮脇が言う様に、「HKTの未来」たる素晴らしい活躍ぶりを見せている。 今年の生誕祭で語った「人見知りだったりするから一歩引いてしまうところもあったんですけど、これからはそういう後悔をしないように頑張りたい」という言葉通り、荒巻は見事、その一歩を自らの努力で力強く踏みしめた。 ここ最近の躍進ぶりに「じゃんけん優勝して、人生360度変わった感覚です」という名言を吐いた荒巻。彼女の人生は一周し、新たな世界に到達した!……という解釈でいいだろう。じゃんけん大会優勝後の囲み取材で「若い私たちがHKT48の勢いをもっとつけたい」とも語った。今なお成長を遂げ続ける荒巻、まさしくこれからのHKT48の先頭を走る一人として輝いてくれることだろう。 (田口俊輔)