監督交代のドルトムント 香川真司はポジションを確保できるか
最高の輝きを放てるか。香川真司の新シーズンが始まる。 クラブ側が熱望する契約延長に応じて、日本代表の10番は、今季もボルシア・ドルトムントでプレーすることになりそうだ。14年の8月にマンチェスター・ユナイテッドから買い戻されて、早いもので4度目のシーズンを迎えようとしている。香川は、7月13日に始まるアジア・ツアーから、チームに合流する予定だ。 ドルトムントでは5月30日、前監督のトーマス・トゥヘル氏が退任。事実上の解任である。代わってピーター・ボス氏が就任した。新監督は現役時代にJリーグのジェフ市原でプレーした経験のあるオランダ人。昨季はアヤックスを率いてエールディビジ2位、ヨーロッパリーグ準優勝と好成績を残した。 香川とすれば、ポジションを掴むために、また1から持ち味をアピールする必要がある。監督が代わったことで、序列は真っさらな状態に戻った。昨季は代謝障害で無念の途中離脱となったマリオ・ゲッツェは、巻き返しに燃えていることだろう。全員が同じスタートラインに立ち、再び熾烈な競争が始まるのだ。ボス氏の下で、香川は出場機会を確保できるだろうか。 ひとまず新指揮官の戦術には、問題なくフィットすることができそうだ。ボス氏は昨季のアヤックスで[4-3-3]を採用。左右のウインガーの個の力を最大限に活かそうとする攻撃サッカーを展開した。加えてボス氏は、個々のプレイヤーに高い守備意識を植え付けている。 相手がボールを持っている時のプレッシングはもちろんのこと、ボールを失った時に素早く奪い返そうとする守備、つまりゲーゲンプレッシングも徹底。アヤックス伝統の[4-3-3]に、近代的な守備を備え付けることに成功した。 これはつまるところ、トゥヘル氏が就任した当初に採用したようなサッカーである。前任者に比べ、アヤックスでボス氏はサイドでの1対1をより重視していたが、ほぼ同じスタイルと見て差し支えないだろう。中盤はワンボランチと2枚のインサイドハーフで構成。香川はトゥヘル政権時と同様、インサイドハーフでの出場が予想される。ブンデス15/16シーズンの前半戦はこのポジションで躍動したように、プレーに違和感はないはずだ。また、プレッシング、ゲーゲンプレッシングの守備戦術については、ユルゲン・クロップ監督時代から培っている。このように、ボス氏がドルトムントでも[4-3-3]を採用するのであれば、割とすんなりフィットできるのではないか。 後はコンディションを万全に整えることが重要になる。昨季は足首の怪我に悩まされた。8月31日はアジア最終予選のオーストラリア戦、続く9月5日は同サウジアラビア戦と、日本代表のビッグゲームが控える。さらに欧州最高峰のチャンピオンズリーグも始まり、来年はいよいよロシアW杯本大会だ。香川のサッカー選手人生において、今季は最も重要なシーズンと言えるだろう。万全の状態を保ち、最高の輝きを放ちたい。 文・大友壮一郎