「夏は牝馬を狙え」「夏は格よりも調子」夏競馬の格言を検証する
宝塚記念終了と同時に、函館・札幌の北海道開催が始まると夏の訪れを急に感じ出すのは競馬ファンの性(さが)だろうか。本州の西では小倉競馬場で灼熱のレースが幾度となく繰り広げられ、中央での春シーズンとは違った盛り上がりが見られるのも夏競馬の楽しみ方の1つ。中山・阪神が始まる9月の頭まではそれらローカルでの開催が約2ヶ月も続くのである。 そして、馬券を買い続けている人たちならすぐに思い浮かぶ夏競馬の格言がある。それは…『夏は牝馬を狙え』『夏は芦毛が強い』『夏は格よりも調子』という3原則みたいなものだが、果たしてこれらに整合性はあるのだろうか??今回は良い機会なのでまとめて検証させて頂いた。 先ずは『夏は牝馬を狙え』。確かに、昔から夏の重賞で人気薄の牝馬が活躍しているシーンをよく見掛けて来た。では、データ上は果たしてどうなっているのだろうか??結論から言えば“YES”だ。というのも、7~8月における牝馬の勝率が他の月と比べて遥かにデータが良く、単勝回収率は牡馬を優に上回っている。ここで更に“重賞”という条件に絞ると更に数値は上昇。つまりは競馬ファンのイメージ通り、重賞などのメインレースになればなる程に牝馬の好走度が増して行くのである。8月までは積極的に牝馬を狙うのが吉の様だ。 次に『夏は芦毛が強い』。具体的に何故こう言われるのかは分からないが、単刀直入に答えは“NO”。公式データから抽出した数値によれば、むしろ夏場の成績はどの毛色の馬よりも断トツで悪い。逆に『夏場は芦毛を切れ』の方が正解という衝撃の結果である。一方で、出走頭数が少ないものの、青毛の夏場の成績がそれ以外と比べると約1.5倍に跳ね上がる。ここは『夏は青毛が強い』に訂正させて頂こう。 最後に『夏は格より調子』。これに関しては抽出方法が曖昧であり、どこを“格”または“調子”と定義するのかを先ず論議しないといけない。なので、若干趣旨はズレるがここでは期間内の重賞におけるハンデを基準として判断したい。一般的な実績馬の重量が54~57kg前後。格があるとされる馬で58kg以上、逆に調子の良い下級条件馬で50~53kgのイメージだろう。そして、結果的に言えば“YES&NO”。どういう事かと言うと、調子(50~53kg)VS実績馬(54~57kg)の戦いは調子勢の勝利。しかし、いわゆる格(58kg以上)の馬はそれらを上回るデータを叩き出しているのだ。58kg以上を背負わされる様な本当の意味で格がある馬は季節もレースも関係なく強いという事。が、ここはシビアに58kg限定の話。なので、格言としては『夏は調子と58kgの馬』というものに変更しておく。 以上が夏競馬の格言における真実である。これらを参考に、8月までに高配当的中を目指して週末のレースを楽しんで頂きたい。とは言え、夏の重賞程難しいレースは無い。そういう意味で『夏を制する者が競馬を制する』という格言を新しく提唱して文の終わりとする。