マカヒキ世代”幻のダービー馬”が衝撃復帰「シルバーステート」

競馬ファンの方なら少なからず“シルバーステート”という名前に聞き覚えがあるだろう。「近年稀に見るハイレベル」と称され、数々の重賞で他の同世代の馬が活躍。ポテンシャルの高い馬が非常に多いとされていた現4歳世代の中でも、かなり早い時点でクラシックの最有力候補として名を連ねていたのがこのシルバーステートなのだ。

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デビュー戦は2歳7月の中京。そこでは調整不足もあってか2着に敗れるも、その2週間後の未勝利戦でマイルを1分34秒7というレコードタイムで快勝する。しかも直線持ったままの競馬でこの時計なのだから当時の関係者含む周囲の反応も凄かった。ちなみに、新馬戦で負けた相手というのが先のヴィクトリアマイルを勝利したアドマイヤリードである。

そしてそこから3ヶ月程の休養を経て迎えた紫菊賞。京都芝2000m内回り戦で何と32秒7という驚異的な脚を繰り出し、ここもほぼ馬なりの競馬で連勝を飾るのである。その圧倒的なパフォーマンスを評価され、「来年のダービーはこの馬で決まり」と誰しもが納得したものだ。しかし、レース後にあの屈腱炎を発症。不治の病とまで言われる厄介な病気を患ってしまい、突如クラシック戦線の舞台から姿を消してしまったのである。

あれから約1年9ヶ月。牧場関係者や厩舎スタッフの懸命な治療により現場へとカムバックしたシルバーステートが遂にターフへ戻って来たのだ。5月20日京都最終のオーストラリアトロフィー、1000万条件戦。決してこのクラスにいる様な馬ではないが、これだけのブランクがある以上は無理のない走りで先ずは無事に回って来るのが1番の理想。

それがどうだろう、結果は持ったままの大楽勝だった。しかも、上がり最速で33秒3という末脚だから鳥肌が立つ様なレース内容だった。数値的にもラストから2ハロン目に推定10秒5のラップを刻んでおり、能力は一切衰えていない事を証明している。後は脚元の様子を見ながらじっくり1つずつ階段を上がって行き、同期のライバルになる予定だったサトノダイヤモンドやマカヒキと対決する日もそう遠くない筈。上手く行けば秋のGⅠ連戦のいずれかには挑戦出来るのではないだろうか。

そして、来年の大阪杯辺りでキタサンブラックと激突。ここで撃破する事が出来れば一気に現役最強馬の名をほしいままに出来るのである。かなり気は早いかもしれないが、そういった夢物語が同馬にかかれば現実味を帯びて来るのだから不思議である。

ちなみに、これまでの日本競馬で屈腱炎と戦いながらGⅠを制した馬は、カネヒキリやオフサイドトラップなど片手で数え上げられる程しかいない。シルバーステートにとっては非常に険しい道が待っているのは明らかだが、それら難関を突破してでも頂点を目指せる潜在能力なのも間違いない。走る姿を見るだけで心が踊る馬というのもなかなかいないもの。今後のローテーションは未定だが、いずれ大舞台で活躍するであろうこの名前をもう一度覚えておいて頂きたい。故障さえ無ければ、近い将来必ずやGⅠ戦線に顔を出す超大物候補である。

獲り損ねたクラシックの栄冠を今度は古馬のビッグタイトルに変え、シルバーステートが虎視眈々とその座を狙っている。