映画初オーディションで大抜擢 14歳南沙良の魅力
ローティーン向けファッション誌「nicola(ニコラ)」の専属モデルとして活躍中の南沙良(みなみ・さら)が、直木賞作家・重松清の傑作小説が原作で、三島有紀子監督作の映画『幼な子われらに生まれ』(8月26日全国公開)にて女優デビューを果たすことが明らかになった。 南沙良は、2014年に芸能界入り。第18回「nicola(ニコラ)」モデルオーディションのグランプをきっかけに同誌専属モデルに加入。趣味はアニメ、漫画、読書、そして“大仏鑑賞”というちょっと変わった14歳の中学3年生だ。 モデルオーディションの経験はあるが、演技は“初”挑戦もさることながら、本作が芝居オーディション“初”挑戦。昨年の春13歳の時、本作で人生初めての芝居のオーディションを受けた。監督、スタッフらによる5回にも及ぶオーディションを見事勝ち抜き、浅野忠信と田中麗奈の娘役という物語の〈キーパ—ソン〉となる大役に大抜擢された。 本作は、直木賞作家・重松清の傑作小説を映画化した作品で、44歳の主人公・信(まこと)が、元妻、現在の妻、妻の連れ子、元妻と暮らす実娘、そして新しく産まれくる命をめぐって不器用な大人たちが成長していくヒューマンドラマ。夫婦別姓、同性婚など、家族のあり方を問うと同時に、つぎはぎだらけのパッチワークのような家族の中で、成長していく大人たちをリアリティあふれるタッチで、かつ優しく見守るように描く。 南沙良演じるのは、バツイチ子持ちで再婚した中年サラリーマンの主人公・信(浅野忠信)の二度目の妻・奈苗(田中麗奈)と、奈苗の元夫・沢田(宮藤官九郎)の間に生まれた長女・薫。信という“新たな父”が出来た長女役だ。 宮藤官九郎演じる沢田は、子供が生まれるとともに家に居つかなくなり、子供や妻に暴力を振るうこともあった。信は真摯に新しい娘たちと向き合おうとするが、長女の薫は他人と暮らすことに違和感を覚え、なかなか馴染むことができない。仕事への熱意はあまりないが、2度目だからこそ家庭を大事にし、連れ子にも父親として誠心誠意接しているつもり。しかし、母・奈苗の妊娠が発覚し、それを契機に薫は「ほんとうのパパ」に会いたいと言い始める。しかし、奈苗は前の父親・沢田とDVが原因で離婚しており、信と奈苗は面会を反対するが、薫は露骨に嫌がる態度と辛辣な言葉で、父親としての信の存在自体を否定する。薫との関係、そして今の家族に息苦しさを覚え始める信は、やるせなさを抱えたままで前の父親に薫を会わせることに。さらに、薫を前妻(寺島しのぶ)との娘とつい比べてしまい、前妻に愚痴をこぼしてしまう。今の家庭を維持することに疲れ、これから生まれて来る命の存在すら否定したくなる信。血の繋がりのない他人と家族になるために、葛藤し成長していく彼らの姿を通し、「幸せ」のカタチが浮かび上がってくる。 父、夫、母、妻・・・誰もが背負う役割に、不器用な大人たちを演じるのが、浅野忠信、田中麗奈、宮藤官九郎、寺島しのぶ、といった実力派俳優たち。その中で、繊細でピュアで、時に力強い演技で存在感を放つ新星・南沙良。微妙な心境を持つ繊細な12歳の等身大の姿を、自然にリアルに演じている。新人ながら見る人を惹き付ける南沙良は、今後が期待のシンデレラガールに違いない。 〈南沙良コメント〉 ー初めて映画の撮影をしてみての感想は。 「初めてで本当に右も左も分からない状態だったのですが、そんな中で皆さんが支えてくださったりアドバイスをくださったりして、すごく恵まれているなと思いました。」 ーオーディションを受けて、決まった時の感想は。 「すごく嬉しかったです。でも驚きすぎて、現場に入ってやっと実感がわいてきました。」 ー浅野忠信さんとの共演についてどのように感じたか。 「浅野さんは本当に透明感があって、とても優しい方で、そんな浅野さんとご一緒にお芝居をすることができて本当に嬉しかったです。」 ー田中麗奈さんとの共演についてどのように感じたか。 「田中さんは面白くて、可愛らしくて、とてもお綺麗で、よく気にかけてくれたり、お姉さんがいたらきっとこんな感じなんだろうなぁと思っていました。田中さんのお芝居を間近で見ることができて、とても刺激をもらうことができました。」 ー撮影中に思い出に残っているエピソードは。 「撮影期間中に、誕生日を迎えたんですけど、浅野さんや田中さん、スタッフさんがケーキとプレゼントを用意してくださって、とても嬉しかったです!」 ーこの映画の見どころは。 「この映画は、家族の暖かさや、大切さだったり、家族とは何かというのを改めて感じることのできる作品なので、是非ご家族で観ていただきたいです。」 <三島有紀子監督コメント> 「〝異質な者同志の人間と人間の化学反応をつぶさに記録する〟。それがこの映画の目指したことでしたので、とにかく、言われたことができるのではなく、相手の投げた感情を受け取って自分の中に生まれた感情をそのまま返すことができる女の子、を探し続けていましたが、なかなか見つかりませんでした。薫役はこの作品にとってキーになる役で、確信の持てる役者さんが見つかるまで撮影には入らないと決めていたんです。沙良さんは、子供でもあり少女でもある顔立ちで、不安定な声、はにかみ屋で眉をハの字にして笑い、でもどこか大きな不満を抱えている佇まいで、所在無げに立っている、そんな女の子でした。演技が始まると、いままでお芝居をしたことがないのに、相手役の投げる芝居に動物的なするどい勘で反応し、感情を反射的にしかも的確に返してくる。演技した後には、もっと演じたいという渇望を強く感じ、真摯な目でこちらを見つめて自分の考える薫について話してくれました。イマジネーションと反応力は役者さんに求められることの要素だと思うのですが、いきなりここまで出来る人はなかなかいません。誤解を恐れず表現するなら、ずっと探していた〝イマジネーションに溢れた知的で危険な動物〟を「見つけた」と思いました。 撮影では、他の役者さんが入る前に、感情の確認とお芝居の反応を軽く確認して、本番はなるべく、1テイクでその瞬間をねらいました。台本にない台詞や動きを投げても的確に返します。いつもそうではありますが、私は、彼女から生まれたものを、丁寧に観察してバランスをとっていただけです。彼女の、クランクアップした時の言葉が忘れられません。「毎日お芝居ができて、これ以上幸せなことが、これからの人生にあるんでしょうか」。あります。最高の役者さんです。」