NGT48を支える存在、西潟茉莉奈の魅力とは?

デビューシングル『青春時計』も発売し大ヒット、本格的にこの先へと進む時計の針が回りだした

西潟茉莉奈

これからがさらに大きく羽ばたいていくために、(にしがた・まりな/愛称:がたねぇ)の存在はきっと大きな意味を持っていくことだろう。

を結成するにあたり、柏木由紀は「美人で覚悟が決まっている子」が必用と語った。まさにその言葉の通り、西潟の存在抜きには語れない。西潟の魅力をメンバーの日下部愛菜はこう端的に綴っている。「優しくて、可愛くて、面白くて、NGTみんなのお姉さん」。

パチリとした大きな瞳、スッと通った鼻の清潔感溢れる和風美人顔はまさに「白」を基調としたのイメージにピッタリ。柏木はラジオやイベントなどで、ことあるごとに西潟の顔を絶賛。「のにいがったフレンド」で共演中の、ロッチ中岡創一も西潟初登場回で開口一番「顔面的に一番好き」と絶賛。これからを知るという人が一目でパッと惹かれるほどの華を持っている。しかも柏木曰く「更に可愛くなったなって最近すごい思います」と、そのルックスは未だ成長過程にあるという嬉しい悲鳴も。

ルックスの透明感の通り、ステージ上での西潟は慎ましい。公演終わりには必ず深々とお礼。舞台を去る時も長く残りファンへの感謝を残す。キャプテン北原里英、柏木と共に出演した「AKB48のオールナイトニッポン」にて、二人は西潟の謙虚な姿勢を絶賛したことがある。

ただ静かなだけでなく、個の強いメンバーがぶつかり合うステージ上では、冷静かつ的確なコメントで場をまとめ制しながら、時にはメンバーから執拗なまでの「おばあちゃん」「ゴリラ」イジりを食らい、また自らも突如変顔を駆使し空気を見事かき回していく。静観するだけでなく、笑いを求められれば全力で答える。しかも決して下品にならない。一歩引いて物事を見ながらちゃんと周りも活かす、のバランサー的役割を担う西潟。年齢に関わらずメンバーが安心して全力を出せるのは彼女の存在あってのものだろう。

キャラが濃いでも彼女が沈むことがないのは、ただ静かなだけでなく西潟もまた強烈な個を持っているからだ。MCでは必要以上によく噛み、お辞儀の拍子にマイクに頭をぶつけ、誤字満載のモバメを送る。洋服にタグを付けたまま外出、電子レンジに金属が施されたボウルを入れて危うく破壊しかける…など、掘れば掘るほど出てくるぽんこつエピソードの数々。シッカリ者の反面、抜けた素顔が随所に表れるのも彼女の魅力を底上げする。

パフォーマンスに関しても目を見張るものがある。言い方は悪いが「卓越している」という観点からではない。むしろ自身でも認める様にダンスは苦手だ。デビュー当初はぎこちない部分が散見され、顔からは常に緊張をほとばしらせていた。公演の度に胃薬を飲むほどのプレッシャーに苛まれていた時期があったと語ったことも。

ではなぜ注目すべきなのか?それは劇場公演を行うたびに、少しずつだが着実にパフォーマンスが変化/進化しているからだ。自分で拙さを認めるからこそ、公演終わりにも一人黙々と練習を行い自ら成長することを止めようとしない。日を増すごとに小さな変化が起こり続けている。「パジャマドライブ」公演の『純情主義』でみせた艶やかな表現力、『鏡の中のジャンヌ・ダルク』でのキッとした表情の豊かさは特筆すべき。「努力は必ず報われる」という言葉を西潟もまた体現しているのだ。

なお危なっかしい部分はあるが、「やるべきことを見つけた時には、全力を駆使してギリギリまで戦う」と彼女の父は語るように、危うさもやがて克服していくことだろう。「ずっと成長し続けたい、それが永遠のテーマ」と語ったことがある西潟。

そして西潟を語る上で外せない「人柄」。公式Twitterやモバイルサイトのフォトログなど裏側を知る機会が限られている、西潟に関するメンバーからの記述の多くは「優しいみんなの姉」(時には母)。公演MCでも度々メンバーの口からは「メンバーの面倒を見てくれる」と語られるなど、西潟について触れる際に、必ずと言っていいほど一言目には「優しい」という言葉が冠される。同じ移住組の荻野の身を案じ、こまめな連絡を取り時には料理まで振舞うと荻野の口から語られ、高倉萌香は「たくさん相談も聞いてくれるし、私が泣いちゃった時いつも励ましてくれる」さらには「生まれてきてくれてありがとう」とまで語るほど。見えない場所で常にメンバーを支える。縁の下の力持ちという言葉に相応しい。だからこそ、メンバーも彼女を慕ってやまないのだろう。

西潟を慕うのはメンバーだけではない。彼女と共に辛苦を味わい、いま同じようにステージで輝く各グループのドラフト2期生だ。彼女の生誕祭ではグループの垣根を超えて、西潟へのお祝いメッセージを届けた。それは彼女がドラフト生合宿というヒリついた空気の中で率先して片づけ、掃除、そしてメンバーへの声かけを積極的に行い、共に戦う仲間を献身的に支えたからだろう。彼女の優しさが伝わるものとして、先生への叱咤に涙する現SKE48菅原茉椰の隣に寄り添う姿が動画に残されている。底抜けなまでの包容力の持ち主なのだ。

そんな性格だからか周りを気遣う姿勢のあまり、自身よりも他を優先するクセが西潟にはある。美徳ではあるが、ファンとしてはやきもきする部分であるのも間違いない。柏木は「もっと自分に貪欲であってほしい」と語ったことがある。周囲を支えながらも、自ら前へ出る西潟の姿を見てみたい。それだけ彼女のアイドルとしての素質は高いのだ。

これから大々的にメディアへと進出し、本人たちを取り巻く状況は180度変わっていく。華々しい光を浴びると同時に、辛さもより今まで以上色濃くなるはずだ。そんな時に、静かにメンバーを支えながら、喜怒哀楽を共にしてくれる西潟の存在は、必要不可欠になってくるはずだ。(田口俊輔) 写真(C)AKS