L'Arc-en-Ciel 25th記念LIVE2日目、一体感あふれるステージにファン熱狂
L’Arc-en-Cielの結成25年記念東京ドーム2 Days公演をツアーに当てはめて表現すると、1日目がツアー初日、2日目はツアーファイナルということになる。どんなライヴになるのかを自分たちの肌で確認、把握しながらのぞんだのが初日だとすると、2日目はその感触を踏まえて、さらなる高みを目指したステージとなった。L’Arc-en-Cielというバンドの集中力のすごさを実感した。進化し続ける姿は2 Days公演にも凝縮されていたからだ。 2日目のオープニングナンバーも「虹」だった。が、空にかかる虹がどれひとつとして同じでないように、初日の『虹』とはまたちょっと表情が違う。hydeだけでなく、tetsuyaもkenもyukihiroも歌うような演奏だった。やはりこの曲は特別だ。歌うこと、演奏することが未来への決意表明のようにも響いてくる。映像や照明などの演出においても、細部も含めてしっかり整理されて、よりシャープになっていた。チーム全体として日々レベルアップしていけるところが素晴らしい。「ハロー ワールド!」とhydeが挨拶している。世界10地域13都市16か所でライヴビューイングが行われることも踏まえての挨拶だろう。さらにこんな言葉。 「みなさんのおかげで25歳になりました。25年たってもこんなにたくさんの人に来てもらえるなんて泣きそうです。嘘です。泣きません。今日はまだまだ先は長いからね」 hydeが客席にウェーブを促して“錬成”を行う場面もあった。1日目も行われたのだが、2日目の方があらゆる面で進化していた。より一体感のあるウェーブになっていたのだ。照明が明るくなったり、L’edバンドが客席のうねりに連動して点滅したりという効果的なサポートもあり、“錬成”感が高まっていた。 2日目は初日には演奏されなかったナンバーが4曲演奏された。そのひとつは4曲目に演奏された2ndシングル曲『Vivid Colors』。開放感あふれるサウンドに乗って、hydeがステージの上手へと歩きながらたゆたうように歌っている。kenが気持ち良さそうにギターを演奏している。『Lies and Truth』ではtetsuyaとyukihiroの生み出す躍動感あふれるグルーヴに客席が激しく揺れた。 初日には演奏されなかった『真実と幻想と』が始まると、ひときわ大きな歓声が起こった。エモーショナルなヴォーカル、ブルージーなギター、陰影の深いベース、タイトでありながらふくらみのあるドラムによって、深遠な世界が出現。やはりこの4人が生み出すアンサンブルは唯一無二だ。月に照らされて、海面が揺れる映像から始まり、炎とメンバーとが合成された映像も交えての『forbidden lover』、炎の映像と火柱、音玉、煙玉などの特効が有機的に組み合わせての『Shout at the Devil』と、壮大な歌の世界観と連動した演出も見事だった。 この日も『REVELATION』からはムービングステージでサブステージへ移動しての演奏。hydeの「リクエストしてくれた曲の中からこれを」という言葉に続いて、1日目には演奏されてなかった『風の行方』が演奏された。事前に特設サイトで行われた[Mission:L’Arcollection]で聴きたい曲を募集したことを受けての選曲だ。叙情的なナンバーなのだが、展開するほどにせつなさがあふれだして、歌が風に乗って届いてくるかのようだった。 ここからは初日と同じ曲順が続いたのだが、どの曲もその瞬間にしかないエネルギーを発していた。曲の世界観の中へ深く入っていくような演奏が見事な『花葬』『浸食-lose control-』、バンド感あふれる『HONEY』など。『MY HEART DRAWS A DREAM』のkenのギターソロは25年やりつづけてきた今だからこそのプレイ。tetsuyaのベースソロでは盛大な拍手と歓声が起こり、「東京ドーム!」という激しいシャウトで『STAY AWAY』が始まった。 後半は気迫あふれる演奏の連続。『READY STEADY GO』のエンディングのyukihiroのドラムプレイも2日目はやや長めだ。感情をリズムに変換して炸裂させるようなプレイに大歓声が起こった。 巨大なLEDスクリーンに映し出される映像ではライヴ冒頭に登場した西暦9125年の未来から来たエリー クランクなる人物の正体が明らかにされた。ローマ字表記の“Ellie Crank”は実はL’Arc-en-Cielのアナグラムになっていて、その正体はL’Arc-en-Cielだったのだ。「いつもあるもの。これからもずっといるもの。だから未来を恐れることはない。Don’t be Afraid」というナレーションに続いては『Don’t be Afraid』。前日に続いて2度目の披露。この場所で演奏されることで、バンドから観客へのメッセージのようにも響いてきた。未来を恐れることなく、自らの可能性を信じて進んできた彼らが演奏することで、さらなる説得力が生まれていく。tetsuyaからこんなMCもあった。 「28年前の4月9日が初めて1人暮らしを始めた日です。1人暮らしをしてなかったら、僕、多分、L’Arc-en-Cielをやってませんよ。28年前の今日はさみしくて泣いてました。25周年、みんなのおかげです。素敵な景色を見せてもらってありがとう」 会場内からもたくさんの「ありがとう」という声が起こった。ひとりぼっちで泣いた日の28年後の同じ日に何万人もの人々と同じ時間、同じ空間を共有しているのだから、未来は何が起こるのかわからない。tetsuyaのトークに続いては、再び、“錬成”が行われて、さらにひとつになったところで『Blurry Eyes』へ。 様々な時代のライヴ風景がスクリーンに映し出されている。hydeがホイッスルを回す横で、かつてのhydeがホイッスルを回している。25年という時の流れが視覚的にも実感できる。感極まった観客が声をあげている。さらに『Link』へ。事前に世界各地のファン同士の写真、L’Arc-en-Cielゆかりの場所の写真、25周年のコメントを募集するMissionがでていた。全世界から集まった画像のピースの数々が大きな球体に映し出される中での演奏となった。観客もハンドクラップで参加して、さらにたくさんのピースがL’Arc-en-Cielを中心としてひとつになっていく。 2日間通じて海外からの観客の姿もちらほら見かけた。客席で国旗を掲げている観客もいた。L’Arc-en-Cielにとっての25年間は時間の連なりを意味するだけではなくて、空間的な広がりをも意味しているのではないだろうか。この年月の中でL’Arc-en-Cielは世界各地のリスナーから支持され、ワールドワイドな活動を展開するようになった。これはなんと稀有な25年だろう。 「25周年、何が変わったのか考えてたんですが、昔は理想を追いかけていました。好きな女の子とか好きな先輩とか。それが気が付いたら、かわいい後輩がたくさん出来て。“いつかその場所に行くから”って言ってくれる後輩も増えてきました。それを見てるとL’Arc-en-Cielでやってきたことは間違いじゃなかったのかなと思いました。たくさん後輩は出来たけど、まだまだ負けるわけにはいかないので、逃げ切るつもりでやります。人生の半分以上をL’Arc-en-Cielで過ごしているわけで。これってどういうこと?と思うんですが、これからその月日が長くなっていくといいなと思います」という言葉に喜びの声がたくさんあがった。 「これまでの道のりは長かったです。遠回りもたくさんしましたが、こうやってたくさんの人に愛されて、この場所に来ることができました。みんなの今日の笑顔に報われます。この笑顔に会うためだったなら、悪くない道のりだったなと思います」という言葉に続いて、東京ドーム2Daysのラストを飾って演奏されたのは「瞳の住人」だった。“君の笑顔を見つめていたい”という歌詞はこの瞬間のメンバーの思いと重なりそうだ。ミラーボールの光の粒がドームの天井で輝き、スクリーンでも光の粒が星々のように輝いている。客席のL’edバンドもが輝いている。そしてもうひとつ、hydeの顔のアップが映し出されたのだが、その瞳はかすかに濡れて輝いていた。 25周年の歩みがうかがえるステージであると同時に、この先にあるものを想像したくなるステージでもあった。それは進み続けることのかけがえのなさが伝わってきたからだ。この日のたくさんの笑顔はL’Arc-en-Cielが25年かけて得てきたものである。だがまだこの先があるはずだ。すべてのピースがひとつになった瞬間の一体感は明日へ歩んでいく原動力や活力となっていくだろう。この2日間の笑顔はきっとこの先にある未来へと繋がっている。 カメラマン:今元秀明 / 岡田貴之 / 緒車寿一 / 加藤千絵 / 田中和子