L'Arc-en-Ciel 結成25年記念LIVE「バンドとリスナーの思いが結集した美しい光景」

4月8日、9日、を記念しての東京ドーム2 Days公演「25th L’Anniversary LIVE」が2日間合計11万人を動員して大盛況の中、開催された。

チケットは60万人の申し込みがあり、即完売。また日本国内50か所、世界10地域(中国、台湾、韓国、インドネシア、タイ、メキシコ、コロンビア、コスタリカ、グアテマラ、ペルー)13都市16か所でライヴビューイングが行われ、35,000人がこのステージの模様を目撃した。L’Arc-en-Cielのライヴは大阪 夢洲で開催された「L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO」以来、約1年半ぶり、東京ドーム公演は約9年ぶりで、今回が通算13、14回目となる。

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「25th L’Anniversary LIVE」のメインテーマは“25年の年月で世界中に散らばったL’Arc-en-Cielのピースが一つの場所に集い、そしてまた世界中に旅立っていく”というもの。

演出のポイントとなったのは映像だ。彼らはこれまでも効果的に映像を使ってきたが、今回使用されたのは史上最大級の高精細LEDスクリーン。炎の映像と本物の炎など、映像と実際の物理的な仕掛けとを巧みに融合させた演出が見事だった。そのスクリーンに、エリー クランクなる人物が西暦9125年の未来から2017年の世界にやってきて、世界各地に散らばったL’Arc-en-Cielのピースを集めるというストーリーの映像が映し出されていく。

メンバー4人のシルエットが黄金の光によって浮き彫りになり、白銀色の歯車が回転して、白銀の光が雨のように降り注ぐ映像が映し出されて始まったのは『虹』だった。

ライヴ終盤で演奏されることの多いこの曲での始まりにドーム内から大歓声とどよめきが起こった。現在の4人のメンバーで最初にレコーディングしたのがこの曲だった。名曲であると同時に、25年のバンドの歴史の中での重要曲でもある。kenのギター、tetsuyaのベース、yukihiroのドラムス、そしてhydeの歌声がゆったり加わり、四つの音のピースが噛み合って一つになっていく。それぞれの存在を確かめ、噛みしめていくような演奏だ。イントロが鳴り響いた瞬間から熱狂的な歓声が起こり、90年代からファンに愛されてきたナンバー『Caress of Venus』『the Fourth Avenue Café』が続けて演奏された。この25年はファンとともに歩んできた歳月という認識があるからこその選曲だろう。

「会いたかった? 会いたかったよね。こんなにたくさんの人に集まってもらえて、本当に幸せものです。L’Arc-en-Ciel、25歳になりました。25歳もすごいけど、25年間、これだけ愛されているのはもっとすごいと思います。(L’Arc-en-Cielは)天然記念物みたいなものだから、4人揃ってるところなかなかお目にかかれないんですけど」とhydeのMC。「この25年間、何があったかなって考えたら、レッサーパンダが立ちましたね。ウーパールーパーはそれより前だっけ?」とマイペースなトークを繰り広げるkenに、「もう大丈夫です!」とhydeが止めに入り和やかな掛け合いを見せた。

そんなMCを挟んで、『flower』『Lies and Truth』へ。4曲続けて4thアルバム『True』からの選曲だ。25周年を記念してのステージなので、代表曲、人気曲中心に構成されていたのだが、バンドにとって節目の時期の曲も目立っていた。炎や波の映像を効果的に使いながらの『fate』『forbidden lover』『Shout at the Devil』といったディープな曲が続く流れでは、個々の歌の陰影の濃い世界観と、様々な困難を乗り越えて進み続けてきたバンドの歩みとがシンクロするかのようだった。

ライヴ空間の中でより大きく育ってきた曲もたくさん演奏された。たとえば『REVELATION』。この曲ではhydeとkenがパーカッション、tetsuyaとyukihiroがギターでのパフォーマンスを展開しながら、メインステージからサブステージへとムービングステージに乗って移動。観客の腕に装着されたL’edバンドが赤く光っていて、観客もともにこのライヴ空間を作り上げていた。ここからの2曲はアリーナ最後部のサブステージでの演奏。

「25周年なので、これがL’Arc-en-Cielの原点なのかなという曲を僕が選びました。kenちゃんが持ってきた時、やれるのがうれしかった記憶があります」というhydeのMCに続いては1stアルバム『DUNE』収録曲『Voice』が披露された。25年前の曲だが、歌も演奏も実にみずみずしい。さらには今の彼らだからこその大人の色気が漂う『X X X』へ。こうした新旧の楽曲の対比も興味深い。

25年間の歴史の中でのレアな映像の数々が流されると、驚きの声や笑いが起こった。4人とも実に若い。懐かしの映像を見て感じるのはその瞬間その瞬間の輝きがあるということだった。“シングル3枚、同時発売”の告知CMの映像が流れて、アンドロイド ダンサーがポール ダンスなどのパフォーマンスを展開する中で、その同時発売のシングル曲『花葬』『浸食―lose control―』『HONEY』が続けて演奏された。このブロックではL’Arc-en-Cielがリリース当時(1998年)の世紀末の時代の気分までも音楽に封じ込めていたことも見えてきた。音楽制作以外でも、2枚同時アルバム リリース、3枚同時シングル リリースなど、戦略面でも彼らは自在かつ柔軟な活動を展開していた。新たなことに挑み、未知の荒野を切り拓いて進んできた25年だ。

kenの幻想的かつブルージーなギターソロで始まった『MY HEART DRAWS A DREAM』では会場内にシンガロングが起こった。tetsuyaのベースも一緒に歌うかのようだ。さらに『NEO UNIVERSE』、tetsuyaのベースソロで始まった『STAY AWAY』と続いていく。スクリーンに空飛ぶ車が行き交う近未来の映像が流されて、ドーム内にも車型の飛行船が出現した。

「オレたちを待ってたんだろう。会いたかったんだろう。すごいとこ、見せてくれよ、東京。しっかり目に焼き付けていけ。やれるのか、東京ドーム! やれるのか日本!」とhydeがあおって、『READY STEADY GO』へ。ここでも会場内が一体となってシンガロング。演奏が終了すると、hyde、kenがステージから下がった。tetsuyaもベースをアンプの上に置いてステージから去っていく。yukihiroのドラムでフィニッシュとなった。

スクリーンに映像が流れだし、メンバーが再登場して演奏し始めたのはこれが初披露ということになる昨年12月リリースのシングル曲『Don’t be Afraid』だった。美しさ、悲しさ、強さが共存するナンバーだ。光と闇とが交錯していくような懐の深さも備えている。この曲も今後、ライヴでさらに育っていきそうな予感がする。tetsuyaからのMCにはコール&レスポンスも起こった。

「こんばんわー。お元気? 屋根があっていいね。25周年って言ってますけど、ほんまは26年目って知ってた? ごぞぉんじ~? お待たせしました。でも良かったことがひとつあります。30周年まであと4年です」 さらに「次は4年後」というと、会場内から一斉に「えー!?」という声の嵐。hydeから「もう一声」とリクエストがあって、さらにtetsuyaがこう続けた。

「みんなには感謝ですよ。25年たっても東京ドームでライヴできるなんて、みんなのおかげです。おおきに」

初期の映像も交えながら演奏されたのはhydeのホイッスルをフィーチャーした『Blurry Eyes』だった。そして『Link』。離ればなれになった想いが繋がっていくという内容が歌われているこの歌は今回の公演のテーマとも重なっていく。

「この25年、順風満帆に見えるかも知れないけれど、ここまで山あり谷ありでした。スタッフ、メンバー、みんなが努力して、なんとかここに来れたんじゃないかなと思います。でも君たちの力がなかったら、ここに立つことはなかった。ひとりひとりが僕たちを思ってくれた気持ちがなければ僕たちはここまで来れませんでした。L’edバンドのひとつひとつの輝きに君たちの思いがあふれていました。ここから見る光景は美しかったです」というhydeの言葉に続いて、初日公演のラストを飾ったのは『あなた』だった。

会場内がひとつになってシンガロングして、バンドの思いと観客の思いが重なり合っていく。その歌声にミラーボールの光が降り注ぎ、L’edバンドの白い光が輝いている。たくさんの光のピースが集って、美しい光景を出現させていく。L’Arc-en-Cielの音楽によって生まれた絆のかけがえのなさと揺るぎない強さを強く感じた夜となった。

カメラマン:今元秀明 / 岡田貴之 / 緒車寿一 / 加藤千絵 / 田中和子