原口、計算できる左サイドの守備力。本大会でも鉄板か

このまま日本代表がロシアW杯の出場権を獲得したならば、本大会で左サイドを務めるのは、ほぼ原口元気で決まりなのではないだろうか。

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23日のUAE戦を2-0でモノにしたことで、グループBの2位を堅持した日本代表。もちろん後半戦に入ったばかりで、中東でのアウェイゲームも2試合残しており、まだ気を抜くことはできない。しかし最終戦の対戦相手が、現在同じく勝ち点13で並ぶ首位サウジアラビアであることを考えれば、8月31日にホームで行われるオーストラリア戦の結果次第で、本大会の出場が決まる可能性もあるのではないだろうか。それだけこのUAE戦の勝利は大きい。さらに28日のタイ戦、6月13日のイラク戦と手堅く勝ち点を積み上げて行けば、必然的に“流れ”は傾いてくるはずだ。

そしてリーグ戦とは言え、一定の期間を置いてポツポツと開催されるために、一発勝負の色合いが濃い最終予選の試合の中で、流れを引き寄せるために必要なものは、やはり“手堅さ”になるのだろう。端的に言えば、きっちり守備から入ることだ。

究極的には偶然性に頼らざるを得ない攻撃力とは違って、特定の選手の高い守備力は、特に90分の重みが違う代表戦においては、計算を立てることができる。そういった意味で左サイドの適任者は、やはり原口になるだろう。ヘルタ・ベルリンでポジションを確保した“守備力”は、ほとんどブレがない。重要な試合を前にしたモチベーションの喚起力にも長けている。監督からすれば、計算高くピッチに送り出せる存在だ。

UAE戦で代表初ゴールを挙げるなど、右サイドで久保裕也は活躍したが、それも左サイドで安定した原口のパフォーマンスがあったからこそ、と言えるのではないだろうか。そして守備面だけでなく、時間を作るボールを保持するドリブル、前に出ていくスピードと、変わらず献身性を発揮した。ハリル監督の川島や今野といった博打に近い選手起用も、計算できる選手がいればこそである。

そして気が早いようだが、そうした原口の守備力は、本大会でより一層の計算が立つはずだ。格上との対戦では何より守備から入る必要がある。サッカーに“たられば”は意味がないが、例えばブラジルW杯初戦のコートジボワール戦で、左サイドに現在の原口がいたら、歴史は変わっていたかもしれない。もちろんハリルのチームとザッケローニのチームは別物だ。また18日の1.FCケルン戦でそうだったように、原口もミスという不確定要素と無縁ではない。

それでも原口の、寝ても覚めてもサッカーに賭ける真摯な姿勢と、それがもたらす献身性は、4年に1度の重要な試合の要所で、“流れ”を呼び込んでくれるのではないだろうか。

(文/本田千尋、写真/tsutomu kishimoto kinggear)