新車両登場で今年も熱き戦いが待っている、2017年のスーパーGTを見逃すな
日本国内において、現在、最も人気があるモータースポーツカテゴリーであるスーパーGT。1994年にJGTC全日本GT選手権として誕生し、2005年からはスーパーGTとして発展。いまや世界のハコ車好きなモータースポーツファンが注目するシリーズとなっている。2017年の見どころはどんなところなのだろうか? 市販スポーツカーのルックスをもつマシンが戦うスーパーGTは、GT500クラスとGT300クラスというふたつのカテゴリーがある。どちらもおおよその馬力を示すもので、GT500の方が速いが、スピードが異なるふたつのカテゴリーが混走することで、世界屈指と言えるドラマチックなレースが展開されるのが特徴だ。 Ryuji Hirano / AUTOSPORTweb GT500クラスは、2014年からさらなる国際化を目指し、ドイツで大人気のカテゴリーであるDTMドイツツーリングカー選手権と車両規定を統一化。エンジンなど細かい部分ではまだ完全に合致していないが、統一化に向けての協議が進んでおり、インターナショナルなカテゴリーとなっている。また、スーパーGTでは複数のタイヤメーカーが参戦しており(DTMは1メーカーのみ)、タイヤの開発競争の分だけGT500の方が格段に速い。いまや『世界最速のGTカー』と呼ばれるほどだ。 そんなGT500だが、高速化しすぎたスピードを見直すべく、2017年から新たな車両レギュレーションが導入された。車体を地面に押しつけるダウンフォースを25%削減するもので、スピードの抑制を狙っている。 その新規定にあわせ、参戦しているレクサス、ニッサン、ホンダの3メーカーは今年、新しいマシンを投じる。レクサスは新型クーペのLC500を、ニッサンは17年モデルの新しいGT-Rを、ホンダは発売されたばかりのNSXを採用。各メーカーを代表するマシンがベースとなっているのだ。 すでに2017年の開幕に向け、マレーシアや国内各所のサーキットでメーカーによるテストが行われている。ただ、GT500の場合は3メーカーがそろって走ることは開幕まではほとんどないので、各戦力については現段階で予想はなかなか難しい。 現在のところのタイムを聞く限りでは、2016年もチャンピオンを獲得したレクサスがかなり好調そう。2014~16年は苦戦したホンダも冬の間は好タイムをマークしている。一方、ここ3年間は素晴らしい活躍をみせてきたニッサンだが、これまでのテストはまださほどタイムが伸びていない。とは言え、実際にレースが始まれば各メーカーの技術の粋を尽くした3種類15台のマシンにより、今年も熾烈なレースが展開されるはずだ。 また、GT500と同様に注目してほしいのはGT300クラス。たしかに速さの面ではGT500の方が速いのだが、豊富な車種バラエティ、そして玄人好みの技を駆使するトップドライバーたちの競演はハマるとたまらないものだ。 マシンはGT300のなかでも大きく分けて2種類。JAF-GT車両とFIA-GT3車両がある。JAF-GTは、日本独自の規定でいちからマシンを作ることができる。また、そのなかでも2015年から登場したのが、シャシーの根幹であるモノコックを共通化したマザーシャシーというマシンだ。日本の技術でクルマを作り上げ、さらにシーズン中でもマシンを開発することができるのが特徴だ。 JAF-GTマシンは、ハイブリッドを積むトヨタ・プリウス、そしてスバルBRZの2車種、マザーシャシーとしてはトヨタ86、ロータス・エヴォーラ、そして今季から参戦する埼玉トヨペットGreen Braveのトヨタ・マークXと、さまざまなバラエティがある。ちなみに2015年にチャンピオンを獲得したのも、マザーシャシーのVivaC 86 MCだ。 一方、ヨーロッパ車を中心にした車種がFIA-GT3。こちらはメーカーが制作し販売するレーシングカーで、改造はできないものの、「買ってきてすぐ速い」のが特徴。電子制御もあり、プロでないドライバーでも比較的ドライブしやすい。もちろんプロが性能を出し切れば、素晴らしい性能を披露する。 では、今年のGT300はどこが速いのかと言えば、それはまだ分からないのが実情だ。GT300では豊富な車種バラエティがある一方で、性能調整と呼ばれるパフォーマンスを一定にする規定があるため。その数値が今年のものがまだ出ていないからだ。そこにまたタイヤメーカーの性能が絡むため、予想は一筋縄ではいかない。 しかし、GT500もGT300も「予想がつかない」のが最大の楽しみとも言える。さらに、スーパーGTはサーキットではファン向けのイベントが満載だ。今年はさらにファン向けの時間が増えるため、観戦しやすさも増すはず。まだ観に行ったことがない人も、今年はサーキットに行ってみよう!(記事/画像提供:Ryuji Hirano / AUTOSPORTweb)