SKE48躍進の鍵をにぎる内山命の魅力とは?
刷新し続けていくAKB48グループ。SKE48も8期生の加入、4年半ぶりのアルバム『革命の丘』発売と、新たな地平へと歩みを進めようとしている。地力増すベテランたち、着実に成長を遂げている若手次世代メンバーたち、個性豊かな8期生も加わり、2017年のSKE48にさらなる期待が高まる。そんなSKE48にいま必要なのは外側へと向かう力同様に、中を守る力だ。メンバーが高く跳ぶためには飛躍するための土台、環境づくりは重要。その軸、縁の下を支えるメンバーも共に今のSKE48になくてはならない。 外へと向かうメンバーが着々と地力を突き始めている中、その中心部を担うメンバーとして、2期生チームKⅡの21歳、副リーダー・内山命(うちやま・みこと/愛称:みこってぃ)の存在は、SKE48にとって大きな財産となる。そう筆者は考えている。なぜなら内山ほど、自らの身を粉にするメンバーがいないからだ。 どんなポジションにいても決して手を抜かないダンスはキレ、ノビ、迫力共に十分すぎるほど。手を抜くこともない、常に全力。しかし、決して悪目立ちせず、全体のバランスを考えた押し引きでKⅡの力強いパフォーマンスに彩を加えていく。それは自己鍛錬を決して怠らない。急遽公演当日に穴が開いたチームS公演にスクランブル出演、短い時間の中で激しさが持ち味のS公演曲を覚えステージ上で完璧に披露したことも。 MCでも舞台を支える。個性の強いメンバーに的確なツッコミを入れながら、時にボケ役、「おばちゃんキャラ」のイジラレ役に回って空気を常にかき回していく。彼女が話すだけでその場には、陽の空間が生まれる。ただ賑やかすだけでなく、真剣な場では的確なコメントを残すなど、その場の空気を掴むことにも長けている。また喋りが苦手なメンバーには上手く喋れるよう魅力を引き出せるよう話を的確に振りながら話の輪へと導き、自分は後ろに下がり円滑に進めようと黒子に徹する。先ごろ行われた「8期生特集映像試写会」でメインMCに選ばれたのは、ただ喋りが上手いだけでなく、まだ不慣れな8期生の魅力を引き出し伝える役割を担えると判断されたからだろう。 騒ぐ時は騒ぐ、締める時は締める緩急自在ぶり。パフォーマンス、MCとどれも彼女がシッカリとしたレベルをキープしてくれるからこそ、KⅡのメンバーたちはノビノビと自分の個を発揮できるのだ。2期生というベテランながら決して偉ぶらず、良い意味で緊張感を周囲に与えない存在感も大きい。キャプテンの大場美奈が「みこってぃがいてくれるからチームKⅡはいつまでも仲良くいられます」と称したことが全てを物語っている。内山の存在がそこにあるだけでステージはグッと引き締まるのだ。 公演での振る舞いだけでなく、裏でもメンバーを支え続けている。過去には斉藤真木子と共に5期生の指導にあたり最強の戦闘集団に仕上げたこともあるなど、後進へのサポートも欠かさない模様。 内山に対する感謝をメンバーは隠さない。今でこそSKE48の主要人物として活躍する大場はAKB48から移籍した当初は、慣れない環境の中で辛い想いをしていたという。そんな中、内山は常にご飯や遊びに誘うなど大場を心身共にフォローし続けていたという。大場は過去に「みこってぃに出会えて、SKE48にきて良かったな、って思います!」とブログに綴ったことがある。チームメイト以上に、人として多大なる信頼を寄せているようだ。 その他にも感極まり泣きじゃくるメンバーをそっとフォローしたり、惣田紗莉渚が思い悩んでいた時、高木由麻奈、大場と共にご飯に誘い心身ケアをしていたという…こうしたエピソードが枚挙にいとまがない。今年の生誕祭では、彼女は近頃グループでの仕事の微減に対して「大人の方、是非私だけじゃなくていいのでほんとにたくさんのメンバーいますから、チャンスを与えてください。よろしくお願いします」と語った。自分が主役の日でさえも、皆のためを思い行動できるのだ。 高柳明音は「みんなを包むような温かさを忘れない命を私は心から尊敬しています」と語り、「みこってぃが居ない世界は信じられません(中略)メンバー皆そう思ってると思う!」と高木由麻奈が綴ったことがある。自ら主役にならずとも文句を言わず率先して、みんなが輝くための道を作りだす。内山が慕われる理由がよくわかる。決して自分を前面に押し出さない内山。だが、その実力は本物だ。『MARIA』での凄味、『誘惑のガーター』での艶やかさと、クールな見た目を駆使したアダルトな楽曲で見せる圧巻の表現力から、『ハートの独占権』のザ・アイドルな愛らしさも出せるなど、その幅の広さは見事としか言えない。 本人は「おばちゃん」と卑下するルックスも、彫りが深く整った目鼻立ちは美麗。165センチという高身長も相まって、モデル的佇まいを誇る。古畑奈和は「可愛すぎて吸収合併したい」という、素晴らしい語感で内山を讃えている。 唯一ファンをやきもきさせるのは、彼女の「発信力」。どれだけキメても、次の瞬間には爆笑MCでついついおどけてしまうなど、照れが先行してしまうクセを持ち、なおかつSNSでは決して多くは語らず、更新頻度も多くはない。「自己表現が苦手」と認めているせいか本音もこぼさない。さらには「皆さん安心して自分の推しメンを推してあげてください!」と20歳の生誕祭の際にこう語るなど、あまりにも利他的すぎる。それは美徳であると同時に、彼女の弱点でもある。 ただ、口にはあまり出さないが内に秘めた炎は絶やさないのも事実。昨年、一つの夢であったラジオ番組レギュラー(いなべFM「SKE48みこってぃまいまいれおなのラジオの時間やに!」)を獲得すると、トーク力は日毎に増し続けており大舞台やニコニコ生放送でMCを担当するまでに。一昨々年開催の舞台「AKB49~恋愛禁止条例~」を経験してからはさらに磨きがかかった表現力と自己演出力。昨年開催されたソロコンサートでは「魂の叫び」と題した一人芝居を披露。圧巻の演技力と立ち回りで、ファンならず関係者までも驚嘆の声をあげたほど。最大の夢である女優、そして『極道の妻たち』への出演もそう遠くはないな、と感じさせる煌めきを見せた。 人のために汗を流し、真摯に進み続ける彼女の姿はSKE48にとって大きな財産になるだろう。メンバーへとスポットを当て続ける内山。そんな彼女にもいつか大きな光が注ぐことを期待したい。常に笑顔を絶やすことない彼女に「笑う門には福来る」その日まで。(田口俊輔) 写真(C)AKS