西沢幸奏 「劇場版 艦これ」主題歌を熱唱「ファンに辿り着いた」

「劇場版 艦これ」の主題歌『帰還』をリリースしたが、11月26日に東京渋谷のクラブクアトロにて「トーク&ミニライブ Vol.2 “Face to Face”」を開催した。

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昼夜行われたこのイベントの夜の部のもようをお届けする。

開演を告げるSEに会場を埋め尽くしたファンが大歓声を上げる中、バンドメンバーにつづいて登場した西沢はステージ左右を周り、それに応える。

直後、大音響で鳴り響いたのは「学戦都市アスタリスク」オープニングテーマの『Brand-new World』だ。ハイスピードなイントロがたちまち熱気の渦を作り上げ、それに彼女の凛々しい声が乗り、ヒートアップする。サビ前にシャウトを入れると一気に爆発し、フロアには早くもモッシュが発生し、ファンはコールアンドレスポンスで迎える。キメの「Brand-new World~」は会場全体が叫びを上げ、西沢はギターをかき鳴らし間奏を響かせる。2番は切なさを交えて歌い、落ちサビで静かに聴かせてからの大サビは顔を歪ませることを厭わずに絶叫。アウトロではギターを掻き鳴らし、熱いパフォーマンスでこの夜の幕を開けた。

続いては『Cross』をドロップし、イントロで名乗りを上げると歓声が湧く。西沢は歌に入ると切なげな表情と笑顔を見せ、観客を見据える。その姿からこのイベントタイトル“Face to Face”にかける彼女の思いが伝わってくる。手振りを交えてしっとりと、そして真っ直ぐに歌を届けるさまに観客は見入っていた。

最初のMCで挨拶をすると「幸奏!」の歓声が飛ぶ。それに「幸奏って言っていただくことが一番好きです」と返す彼女。このやりとりもまた彼女がファンとの“Face to Face”な関係として望んでいたことだ。前回のイベントを終えてから日々、彼女はスタッフに向けてこのイベントの開催を懇願していたという。「皆さんが集まってくれたことがこの9ヶ月で一番嬉しい!」と叫びを上げる。

そして「今日を大きなステップにして前に進んでいくために一緒に楽しみたいなと思っています」と続け、新譜から『Just One』を披露する。メロディアスなサウンドを響かせながら歌詞に合わせてさまざまな表情を見せ、ファルセットを交えて歌い上げる。この曲は西沢が自分と向き合って書いたものだという。ファンにはその切実な思いが届いているようすで、アップテンポな曲でもしっかりと耳を傾けていたのが印象的だった。

バンドメンバーをいったん送り出し、ステージはトークパートへ。MCが登場し、まずは新譜の『帰還』にまつわるトークを展開する。昼の部で歌っての実感を尋ねられた西沢は「アーティストのポテンシャルはライブに出るのですごく大事にしたい機会」と、新曲を届ける機会の大切さを語る。

『帰還』のレコーディングはブースを暗くして行なったという。しっとりとした曲であるため、歌詞を体に落として眼前に海が広がる様子を思い浮かべてイマジネーションを掻き立てて収録をしたことが明かされた。「劇場版 艦これ」を見た後で聴くと作品への寄り添い方がより感じられる曲となっており、自身も『帰還』が改めて好きになったと語る。『Just One』は敢えて歌詞をストレートな言葉で綴り、それは新鮮な経験であり、楽しさであったと話す。クイズコーナーで彼女のプライベートのようすがいくつか明かされた後、スタッフのお悩みを弾き語りで解決するコーナーでは、見事に鋭い回答をして即興で応えていた。

ライブパートに戻り、ハンドマイクを手にした西沢は「優しい気持ちに気づかせてくれた曲」と紹介した『ピアチェーレ』を、全身を揺らしながら一音一音の息遣いを残し、ゆっくりと丁寧に歌い上げていく。ドラマティックなサビに続けて天井を見上げて歌い上げ、そこからマイクを徐々に離して余韻をもたせる演出にオーディエンスは聴き入っていた。

そして次の曲は待望の新曲『帰還』。デビュー当時は夜な夜な悩んでいた彼女であったが、音楽制作やライブを積み重ねていった。この作品を観た時、それが「自信に繋がった」と語る。「大げさではなく、新しい曲をまた歌えるという事で、生きていてよかったなと思います。そんな嬉しい気持ちと決意が伝わればいいな」と紹介をして、静かに歌い始めた。徐々に熱を帯びていく展開に深い声を交え、やがて会場を圧倒する迫力で歌い上げる。イノセントな歌声を聴かせた落ちサビから、最後に全力の声を聞かせていく力強さに観客は熱い拍手を送る。それほどまでに惹きつける歌だった。先のトークパートで「曲はお客さんの前で歌ってはじめて完成する」と語っていた彼女は、終演後には「ファンに辿り着いた」と実感を手にしていた。

次に披露した『吹雪』はTVシリーズ「艦これ」主題歌。まだ2年経っていないにもかかわらず、今になって聴き返すと、デビュー曲で右も左も分からなかった当時にしか出せない声だと感じると西沢はいう。もうそのときの歌い方はできないからこそ、今の声で歌いたいという思いを客席に向けるとともに、伸びやかな歌声を発する。客席もコールとコーラスで返し、サビの最後は合唱という熱い光景が見られた。落ちサビでは胸に手を当て祈るようなようすからサビに向かって展開し絶叫し、最後は笑顔で歌いきり緊張を解くところまでの表情変化が魅力的に写った。

最後は煽りのMCを入れてから、ハードなロックナンバーの『The Asterisk War』へ。高音が展開するメロディにパッションをぶつけ、情熱的でキレのある声を出す西沢に向けファンは拳を上げて応える。間奏ではギターパフォーマンスも披露する西沢。2番では観客が手拍子も入り絶叫がこだまし、互いに会場を熱くして本編を終えた。

「幸奏コール」に応えて再び登場し、バンドメンバーを紹介する西沢。各パートがソロを奏で歓声を浴びる中、自身もギターを掻き鳴らして、即興でセッションを繰り広げた後、アンコールとして『Brand-new World』を再度披露。敢えてキメの「Brand-new World~」のコールを観客に任せるという趣向を宣言し、1曲目を越えた盛り上がりに期待をかける。それに大声で応じるオーディエンス。中央にいた観客の中には最後の盛り上げに貢献しようと前方へ進んでいって声を張り上げた人もいて、客席全体が熱い熱を発していた。

最後までホットにステージを繰り広げ、見事にこの日の“Face to Face”を仕上げた西沢は、最後に万感の表情でコードを弾いてステージを締めくくった。その表情にはこの日に経験した大きなステップアップがしっかりと刻まれていた。

(C)2016 「劇場版 艦これ」連合艦隊司令部