演出家が絶賛した 女優・川栄李奈の感受性

主演舞台「あずみ~戦国編」が11月11日(金)夜公演からの上演開始を前に、10日報道陣、関係者に公開された。1年足らず前、初めての本格舞台であった「AZUMI~幕末編」では、前評判は”大丈夫か?”の評が圧倒的だった。当時の川栄は、アイドルグループから卒業したばかりで、バラエティー番組で見せた破格の”珍解答”とあけっぴろげな”おバカ”なイメージがあったからだ。「セリフは覚えられるのか?」「漢字は読めるのか?」「殺陣の段取りが頭に入るのか?」各々が心配の事柄だったが、いざ舞台に立った彼女は違っていた。その堂々とした演技と女優魂に”一本取られた”感覚だった。それからの女優・の活躍はご承知の通りだ。

IMG_8649

今回は1年足らずでの再び「あずみ」役への挑戦。「幕末編」であれだけの絶賛を浴びただけに、当然今作への期待も大きい。上演直前の囲み取材でも”不安”を口にしていた彼女。殺陣も複雑でレベルアップし、斬る人数も5倍という試練に立ち向かうが、幕が開いたあとの川栄は肝が据わっていた。1年で舞台、テレビドラマと何本も経験したスキルが自分の身になっている。セリフ回しや間の取り方が明らかに巧みになっている。

演出の岡村俊一氏が「女優さんって感受性が重要なんですよ。去年(の「AZUMI」)はそんなにできるとは思わなかった。今回はもう教えることがないくらい。女優というのはこういう感受性だということを川栄が体現してくれた」と絶賛したように、己に課せられた”刺客”としての過酷な運命に翻弄されながら、人を斬らねばならない理不尽さを、舞台上で見事に表現している。

共演者で、”淀殿”を演じた大先輩の有森也実も「私もできれば斬ってもらいたかった。川栄さんに触ってもらうとすべて浄化されるようないい気分になるんです。お客様もきっと斬ってもらいたいと思います」と話したように。刺客という役で、切なく辛いシーンは多い。であっても、健気にまっすぐに立ち向かう、”女の子”である「あずみ」の可愛さも垣間見れられるように進化した”川栄あずみ”に元気をもらえる側面もある。さすがは元人気アイドル。鬼気迫る殺陣も見応え充分だが、ほのかな恋心を匂わすシーンで見せる、所作や笑顔が堪らなく愛おしく思う。ストーリーでも”一点の曇りもない青い瞳”に何人もの男性が心奪われることになるのだが、納得の可愛さを見せつける。

ひと皮もふた皮も剥け、女優として成長した川栄の渾身の演技を是非劇場で体感していただきたい。