AKB48の世代交代を加速させる最強の「チーム4」
第8回AKB48選抜総選挙から約2週間の時が経ち、今回の総選挙で第一党に輝いたのはAKB48となった。多くの若手メンバーのランクインは、いよいよその新たな血の胎動を見せたことの表れといえる結果だ。 特に今回のランクイン内訳(兼任メンバー含む)を見てみるとチームA…10、チームK…5、チームB…6、チーム4は12名と、年少のチーム4からのランクイン数がトップに。その数字が物語るように、今のチーム4からはとてつもない勢いを感じる。AKB48が総選挙後に最初の劇場公演を行ったのはチーム4。この日の「夢を死なせるわけにいかない」公演は、新潟の地で見せた勢いそのままを体現するかのような熱さ極まりない素晴らしいものでした。 高橋朱里キャプテンの下、本格始動したのが昨年の12月のこと。組閣発表時には、いわゆる黎明期を支えてきたベテランメンバーがチームにはおらず、平均年齢もチーム最年少。経験不足、柱と呼べるメンバーの不在などから不安視するファンが多数いた。しかし、峯岸みなみの薫陶を受けてきたチーム4メンバー、幾チームを渡り歩いてきた苦労人・伊豆田莉奈、そして高橋を軸に一致団結。育成チームと目論まれていたチーム4は、自ら熱を体現する高橋の力強さに引っ張られるかのよう、日を追うごとにグッと円熟味と輝きを増していく。スタートから半年、チーム4公演はグループ屈指の公演に成長した。そして総選挙での結果。これがさらなる追い風となり、今舞台上がものすごいことになっているのです。 まず、チーム4公演は徹頭徹尾、誰もが熱い。とにかく端から端まで、誰一人手を抜くことなくそれぞれの全力さを発揮し最後まで駆け抜けていく姿は爽快。 その中心的存在と言えるのが西野未姫。ステージに立てば全力全開でハジケまくる。中でも『Let’s get “あと1センチ”』での全てのリミッターを外したかのように動き回る姿には感動すら呼び起こす。その西野に匹敵するほどの全力ぶりを見せる川本紗矢。キレと躍動、時に見せる脱線スレスレの勢い。額に輝く汗はトレードマークだ。しかも彼女のパフォーマンスは公演を見る度に着実に進化を遂げている。努力の形が目に見えて分かる、という点で川本が人を惹き付け、今年の総選挙での大躍動を果たしたのも頷ける。 ガムシャラの対極にいる、しなやかさ光る北澤早紀と岡田彩花。北澤はバレエ経験によって裏打ちされたダンスは表情豊か。岡田は手足の先までピンと伸ばし、気品あふれる動きで魅了する。言葉少なくとも彼女たちの伝えたいことはダンスを見れば、饒舌に語り掛けてくれる。飯野雅はスタイルの良さも映え、どことなく攻撃的(でも繊細)な部分がパフォーマンスにも表れているのが良いスパイス。高橋とのコンビも日を追うごとに、いい関係性を生み出していて目が離せない。村山彩希は態度で示す。「シアターの女神になります」と語り、今年の総選挙を辞退した逸話もあるほど、公演にかける想いは人一倍。“死力を尽くす”という言葉がピタリと当てはまる彼女の動きは、時に畏怖の念すら抱かせる。 MCや公演の趣向でも心をつかんで離さない。MCではまず岩立沙穂が切り込み隊長的役割を担う。自己紹介時に行う「やっほー!さっほー!」の掛け声発声練習は一気にステージと客席の距離感は縮めていく。これには劇場に足を運んだばかりの人も公演へスッと入り込めるはずだ。 良い意味でおもちゃ箱のような賑やか極まりないチームゆえ、バランサー的役割を担う人物も必要となる。そこで大活躍を見せているのが伊豆田莉奈。伊豆田はイジられ役を一身に担うことで、トゲトゲとした空気感を一切感じさせずにまとめる。まさに公演を円滑に進めるための潤滑油。彼女がいるかいないかでチーム4公演はガラリと変わる。そしてもう一人、大川莉央は15歳ながら落ち着いた雰囲気かつ頭の回転の早さで、輪を乱しがちなメンバーへ冷静にツッコんでいく。 公演自体も『初めてのジェリービーンズ』では客席へのカラーボール投げが行われ、『ロックだよ、人生は…』における毎度変わる煽りで、それぞれのキャラ立ちもハッキリ立たせたりと毎回が趣向をこらした展開を見せる。また次も見たくなるほどのバラエティ感をパッケージしている。 年齢や加入時期もほぼ横並びのメンバーが揃ったおかげか、良きライバル関係が見えるのもチーム4公演の底を押し上げているのだろう。チームの顔とも呼べる岡田奈々と小嶋真子はまさにその良きライバル関係を象徴している。副キャプテンにして、ストイシズムの塊のような存在の岡田。見た目の印象から受けるクールさとは無縁の熱を帯びたステージングは一目で見る人を惹き付けていく。熱さの岡田と対を成すように、小嶋は楽曲ごとに表情をコロコロと変えては世界観に寄り添えるバランス感覚が見事。喜怒哀楽を表現する術に長けている。『Bye Bye Bye』での満点の笑顔に惹かれない人はいないでしょう。岡田と小嶋は公演毎最後に披露される楽曲のセンターを争う。『唇にBe My Baby』では小嶋、『君はメロディー』『翼はいらない』では岡田と、曲ごとに順列が変わる。その時々の勢いが反映されており、この熾烈な戦いは注目すべき点です。 さらにはメキメキと急成長中の努力の人・込山榛香、仕草一つひとつから愛らしさ漂う大森美優、島崎遥香も称賛する佐藤妃星はセンスを開花中と、それぞれが存在感を高めている。今後のエース/センター争いからも目が離せない。 さらにはアンダーには研究生ドラフト2期生の千葉恵里が控える。若干12歳というフレッシュ極まりない愛らしさと、先輩たちにガツガツ噛みつく悪ガキ感が同居する期待の星。スタート当初は固かった表情も、今では笑顔から『Confession』で引き締まった姿を見せるなど非常に豊かになってきている。彼女の成長を見届ける、この一点だけでもチーム4公演は見るべきと言っても過言ではありません。 ステージ上に立つ16人全員が主役と呼べる公演を展開しているのが非常に痛快だ。ここに北川綾巴、渋谷凪咲、朝長美桜ら兼任メンバー。オーラ、ポテンシャル、アイドル性、熱さというAKB48を成す要素が、今のチーム4には全て備わっているのかもしれない。 6月27日公演終了後の高橋朱里のコメントにはこうある。 「もっともっと上行くぞー!」 さらなる高みを目指すチーム4メンバー。 彼女たちが次なる第一歩を踏みしめた時が、AKB48第二章の本格スタートになるはずです。 次なるAKB48の幕を開くチーム4公演を今観ずしていつ観る!? 写真(C)AKS