松井玲奈が女優として覚醒、「新・幕末純情伝」の演技がスゴイ
SKE48卒業後、本格的に俳優・女優業をメインの活動としている松井玲奈。今回、つかこうへいの七回忌を迎える記念公演として上演される「新・幕末純情伝」主演に大抜擢された。 紅一点、しかも、つかこうへい作品の主演ということで、松井にかかる期待は相当なもので、本人のプレッシャーはとんでもなく大きいだろう。数々の大舞台をSKE48で務めてきた松井だが、果たしてこの舞台を成功に導くことはできるのか? 公開稽古を見た感想としては、シンプルに「スゴイ」の言葉しか出てこない。殺陣など不慣れな部分は若干見受けられたが、松井の存在感に圧倒される。今回の共演は舞台出演が多く、演出まで手掛け役者としての評価も高い石田明(NON STYLE)、細貝圭、日本一の剣の使い手と言われる早乙女友貴、味方良介、D-BOYS荒井敦史、阿佐ヶ谷スパイダースより伊達暁と人気若手俳優として活躍をする面々ばかり。その中でもしっかりと個性を出している。 「新・幕末純情伝」の沖田総司役は、過去に舞台では広末涼子、石原さとみ、桐谷美玲と錚々たる女優陣が務めてきた。今回の松井玲奈は過去の女優たちに負けず劣らず…いや、「過去最高傑作」と言っていい完成度の高さを誇っている。 松井玲奈の魅力は、憑依したかのように役に入り込む演技スタイルだろう。今回も、女性である沖田総司にしっかりと入り込み、自分を取り巻く男たちに翻弄されながらも強く生きる姿をしっかりと演じてみせた。 息のあった共演者たち、中でもハイテンポ漫才で人気の高い石田が坂本龍馬役ということで、テンポよく舞台はドンドンハイスピードで進んでいく。時には時事ネタやアドリブも入り、しっかりと石田が笑いを取りながらも、要所要所で締めていく抜群の演技を魅せている。松井も、しっかりとこのハイテンポな演技に食らいつき、石田と漫才の掛け合いのようなやり取りをし、時に際どいセリフを発しながら体当たりで演技をしていく。今回、石田が相手役だったことも、松井の好演を引き出していると思えるほど息はバッチリだ。 全体で言えば、どの俳優もレベルが当然のように高く安心して見られる。使用される意外なBGMや演出も楽しく、つかこうへい作品を見たことがなくても間違いなくすんなりと入り込める作品となっている。SKE48ファン、松井玲奈ファン以外も見るべき傑作だといえる。 松井は、今作品に対してツイッターで「人生の勝負」とつぶやいている。この作品が彼女の代表作になり、名刺代わりになることは間違いない。だからこそ、全身全霊で演じ人生をかけているのだろう。注目度の高いつかこうへい作品でしっかりと結果を出せば、松井玲奈の女優としての道は、これからも間違いなく明るいのではないだろうか。