NGT旋風を巻き起こすか?「努力は必ず報われる」体現した荻野由佳
AKB48総選挙の速報発表日、NGT48劇場が揺れた。緊張感漂う場内、91位に荻野由佳の名前が呼ばれた瞬間、場内は割れんばかりの拍手と歓声が飛び交った。兼任の柏木由紀、キャプテン・北原里英を除くと、生え抜きのNGT48メンバーの速報ランクインは荻野と92位の中井りか、この二人だけだ。 荻野が、「ここまで来たら80位以内に入りたい!よろしくお願いいたします」と速報発表後ステージ上から宣言した。彼女がNGT48にかける想いは誰よりも強い。彼女にとって48グループとは憧れの存在なのだ。 彼女がAKB48の門戸を叩いたのは2011年、13期生オーディションまでさかのぼる。小学6年生でAKB48に出会い、『初日』に元気と勇気をもらったことで、自分もAKB48メンバーとして元気を与えたいと思い、それが憧れへと変わった荻野は、受験を志すも書類選考の段階で落選。めげずに受けた14期生オーディションは最終選考まで行くも通らず。15期生オーディションに想いを託し3度目の受験、結果は本合格とは至らなかったが、仮研究生として合格。正規メンバー昇格のために、日夜レッスンに励み続けた。しかし達家真姫宝、大川莉央、飯野雅、谷口めぐら同期が研究生へと昇格を決める中、荻野はセレクションから落ちてしまうことに。この当時を振り返り「表現力が足らなかった」と落選の理由を冷静に物語った。続くチ―ム8埼玉オーデションを受験するも通ること適わず。念願かなってのAKB48の仲間入りを果たすのは2014年、バイトAKBとして活動するまで待たなければいけなかった。限られた回数ではあったが、公演での荻野はそれまでのうっ憤を晴らすかのような素晴らしいステージを披露した。だが、その喜びもつかの間、契約更改はなく2月いっぱいでバイトAKBは活動終了となった。 しかし、この経験は彼女の熱を冷ますどころかより一層高める要因となり、ドラフト2期生として再度戦場へと赴くことに。セレクション前に行われたパフォーマンス診断、ここで荻野は自身を変えた『初日』を披露。この時彼女を観たのは、仮研究生時代を知るコレオグラファーの新垣寿子先生。荻野が歌い踊り終えると、新垣先生は彼女の成長ぶりに思わず涙を流した。「表現力が足らない」あの日から荻野は研鑽を積み重ね成長し続けてきた、その結果が表れた瞬間だった。そしてドラフト当日、見事NGT48の2巡目として指名され、憧れの48グループ入りを果たす。キャプテン・北原里英は「即戦力が欲しい」という理由で彼女、そして西潟茉莉奈を選んだ。荻野がこれまで培ってきた辛苦の時期は決して無駄ではなかったのだ。そして1月10日、劇場での初日を迎える。長く険しい道のりだった。だが荻野はその大切な舞台を踏みしめた。「努力は必ず報われる」という言葉を信じ続け、諦めず立ち向かったからこその結果だ。 不屈の想いを抱いて始まったNGT48荻野由佳としての道。彼女からは本当に活動することへの“愛”しか感じない。 小学2年生の頃から習い始めたというダンスは、まさに最大の武器の一つだ。テクニックはもちろん、東に西野未姫がいるならば、北には荻野がいる!と豪語したくなるほどの全力ぶりで、ステージに力強さをもたらす。また、どんな時でも笑顔を絶やさず振りまく姿勢も見せる。まだ粗削りなチームNⅢにおいて、アクロバティックな加藤美南、しなやかな本間日陽、そして荻野の力強さは公演最大の武器となっている。先月より始まった新公演「パジャマドライブ」では『鏡の中のジャンヌ・ダルク』でセンターを務める。この時は持ち前の笑顔をと全力ぶりを封印、クールで引き締まった表情とタイトなダンスを披露と新たな扉も開いた。 荻野自身も思考回路が別の箇所に繋がっているとしか思えないド天然ぶりで度胆を抜きつつ笑いに変えていく。「AKB48のあんた、誰?」に出演した際には、真剣な質問の途中になぜか爆笑しだすなど、司会のなすなかにしも手を焼くほどの珍対応ぶりを連発。山口真帆は「果てしなくおバカ」とバサリと切り捨てたほど。舌足らずで少し空気の抜けたようなフワリ声がより彼女の浮世離れ感を加速させるのか年齢限らずメンバーからはイジられる対象に。そんな扱いをされても「頭蓋骨が小さいんです。だから脳ミソも小さいんです!」と笑い飛ばす荻野。そのカラッとした陽の性格も素晴らしい。 また公式Twitterにて度々挙げられる謎の集団「劇団おぎゆか」の座長として、看板女優・中井、アクション女優・加藤、ツッコミ役の佐藤杏樹、期待の新人・高倉萌香ら多くのメンバーを従え、日々形容不可のエチュード(むしろコント)を展開中。グダグダ9割、1割ホッコリのワチャワチャ感は思わず吹き出してしまうほど。ついには柏木まで入団(強制)し、日夜拡大中の大型勢力となりつつある…。ただ、「劇団おぎゆか」時のメンバーはみんな戸惑いながらも笑顔、メンバー間のコミュニケーションを活性させている機能も果たしている…と思いたい。 潤滑油的活躍のおかげか、5月15日にチームNⅢの副キャプテンに就任。北原も「由佳ちゃんなら大丈夫」と太鼓判を押した。荻野自身も「キャプテンを支えることなら、誰にも負けない!」と豪語。その通り早くも、メンバーの精神的なよりどころになっているようだ。日下部愛菜は「泣いていると、泣き止むまで一緒にいてくれる」と語るなど、数多くの優しさ溢れるエピソードを持ち、最年少・小熊倫実も彼女を慕ってやまない。西潟にいたっては涙ながらに「出会った中でいちばん優しい子」と公演中に語ったことも。「どのチームよりもNGT48が1番と思ってもらえるようなチームにできるように引っ張って行きたい」と、ドラフト会議後のインタビューで語ったように、彼女は今NGT48の成長に一役買っているのだ。たびたび荻野は「取り柄のない子」と自嘲する。だが彼女ほど魅力と人間力に溢れた存在もいないでしょう。 NGT48で我が春を謳歌する荻野、生誕祭では涙ながらに「人生で今が一番幸せです!」と語った。その幸せな日々の一つの到達点がもしかしたら、今年の総選挙なのかもしれない。何があってもへこたれない!精神を貫き通し続ける荻野。その精神さえあれば、彼女は今年、新潟の地で最高の景色を見ることになるはずだ。 写真(C)AKSAKB48総選挙特集ページはクリック