脇阪寿一「SAVE JAPAN Action熊本」で見据えたモータースポーツの未来
2016年シーズンから、長年に渡るレーサー人生に区切りを付け、現在LEXUS TEAM LeMans WAKO’S監督としてSUPER GTを戦う脇阪寿一。彼のニコ生レギュラー番組である「脇阪寿一の言いたい放題!」も今年の放送からリニューアルした。第1弾は高橋国光、土屋圭市というレーシング界のレジェンド2人が揃い、テーマを絞った深い話を展開。モーターファンには実に興味深い番組となった。 そんな脇阪が、東日本大震災発生直後にいち早く立ち上げた、”復興支援プロジェクトSAVE JAPAN”。5年経ち様々な意見もあり、正直たいへんな活動だ。と振り返ったが、その折発生した”熊本地震“。脇阪は包み隠さず正直に明かした。「自分を取り巻く環境が途轍もなく大変で、正直な気持ちしんどかった。しかし、”SAVE JAPAN“として熊本に関してはどうするのか?当然支援してほしいとの意見もあり、動かざるを得なかった、そういう仲間たちの声に応えないわけにはいかなかった」と。加えて、「一緒にトレーニングをしている国本雄資選手、またクリアプレックスCEOからの支援要請もあり、僕の重い腰が上がりました」と説明した。 そうして動き出した”SAVE JAPAN Action熊本”だが、発生間近の状況で、支援の手続きのために連絡をするのは、彼の性格上辛かったようで、少し間を置いてからという条件で、また、すべての人の善意が少しでも見える形で分かるよう、被災したどの町に、どれだけの支援がもたらされたかを顕在化することに努めたいという意向から、より小さな町村単位で支援が行われ、西原村、益城町、南阿蘇村の各自治体にコンタクトを取り、21日現地に赴き、現状の確認等を行うことを発表した。また、2015年には全日本ロードレース選手権、スーパー耐久、スーパーフォーミュラ、SUPER GTという主要レースが開催された、大分県日田市にある九州随一のレース場”オートポリス”も現状報告を受けるという。 今回同席した国本雄資選手(25歳)は、“SAVE JAPAN Action熊本”に賛同、2016年スーパーフォーミュラ、開幕戦で獲得した賞金の一部を寄付することを表明。「僕たちレーシングドライバーが何度も訪れている熊本で大きな地震が起こってしまい、被災した方が早くいつもの生活に戻れるようにと思い、賞金を寄付いたします。シーズンオフから僕自身、何か変わらなければと思い、トレーニングメニューや私生活を見直して、悩んでいるところで、いろんな人の助けであったり、支えを本当に感謝しています。自分が助けられたので、今度は自分が誰かを助けたいと思い、SAVE JAPANを通してこのようなアクションを起こさせていただきました」と実直に応えた。 さらに、レース中非常に危険な“飛び石”を保護するウインドウシールドメーカー「クリアプレックス」社のアジアパシフィックCEOのCraig Liu氏をはじめとする、日本のディストリビューター、並びに密山祥吾選手も登壇。今、台湾で盛り上がりを見せるモータースポーツをさらに普及すべく、脇阪をはじめ、密山選手や、横溝直輝選手らがティーチングやパートナーとしてレース出場するなど交流を深めている。そんな中で起こった熊本地震で、ぜひ支援したいと要望があったという。Craig Liu氏は「台湾も地震が多い。被災した際、元の生活に戻そうとするがいかに大変なことは身近に感じている。なので、すぐに行動に移った」と語った。 脇阪は「熊本と言うのは我々モータースポーツに関わる人間にとっては非常に大切な場所。このまま熊本の復興が進まず、レースの開催が危ぶまれると、モータースポーツ界にとっても大打撃になることは容易く想像できます。SAVE JAPANや”SAVE JAPAN Action熊本”を通じて1日でも早く復興できるように手助けして行きたいと思います」と力強く語った。 監督という立場となった脇阪は、戦略を巡らせ、情熱を注ぎ切るレースだけでなく、SAVE JAPANを通じ、志が高くとも継続することの大変さを経験しながら、ひとつ上のレイヤーにステップアップして「モータースポーツ界の未来」をしっかりと見つめている。