舞台「じょしらく弐」1年で着実に進化した乃木坂46の魅力
昨年6月に乃木坂46の舞台として好評を博した、久米田康治のギャグ漫画「じょしらく」の第2弾『じょしらく弐~時かけそば~』の上演がAiiA 2.5 Theater Tokyo始まった。 今回もトリプルキャストで中田花奈、生駒里奈、能條愛未、松村沙友理、鈴木絢音、斎藤ちはる、佐々木琴子、井上小百合、桜井玲香、渡辺みり愛、新内眞衣、樋口日奈、山崎怜奈、若月佑美、北野日奈子の15名が参加。中田、能條、松村、佐々木、井上、山崎、北野の7名は昨年も出演しているが、生駒やキャプテン桜井など8名は「じょしらく」初登場となる。 12日の初日公演を担当する、”チームら”メンバーの中田花奈、生駒里奈、能條愛未、松村沙友理、鈴木絢音のキャストで、報道陣、関係者向けに通し稽古が公開された。 主人公はかわいい落語家5人。落語に重きを置くのではなく、寄席の楽屋で日々繰り広げられる”どうでもいい会話”、他愛のない会話の中からネタが広がる舞台で、5人のゆるくて、突拍子もない、ただただ可愛いギャグネタが満載だ。 登場人物が5人のほかにはないという緊張感もありながら、各々がアドリブを繰り出し、収拾が着かない場面も。今回はメジャーな落語の演目として知られる”時そば”を軸に、”時をかける”いわゆるタイムスリップするという壮大な内容。もちろん「時をかける少女」を多少はリスペクトしていて、「時をかけるといえば、セーラー服と相場は決まっている」というセリフもある。 前回同様、AKB48の総選挙が「恐ろしい」などとAKBをネタにする際どい場面も存在。相手を軽くディスったり、演出不在なシーンと言うことを良い事にメンバーが大暴れしたり、なんでもエアで表現するなどシュールな場面もふんだん。さらに着物姿のほかにもあっと驚く?コスプレも楽しめる。 もちろん重きを置かずとも落語もしっかり魅せる。作・演出の川尻慶太による「饅頭こわい」の創作バージョンも蕪羅亭魔梨威(ぶらていまりい)役の能條が見事にこなす。防波亭手寅(ぼうはていてとら)役の松村もストーリー上重要な「時そば」の創作落語を披露する。 現在と未来の場面が入り組み、舞台の演出として難しい部分が多かったと思われるが、テンポよく転換され小気味よいリズムで観ることが出来、5人の世界に引き込まれていく。ドタバタ痛快、ばかばかしくもかわいくてゆるいギャグの応酬だが、最後には人生とは?の域に達する深いテーマとなり、今まで生きてきたことを自問し、じわっと心の襞を掴まれた感情になる。その高低差が心地よく、観たあと爽快であり、そして何かを気付かせてくれる。 確実にパワーアップした「じょしらく弐」は、”乃木坂46が演じることに意味がある”とさえ思わせる。彼女たちのライフワークのひとつとして今後も期待したい。 (C)久米田康治・ヤス/講談社