AKB48「次の10年」引っ張る次世代エースは誰だ?
11年目を迎え新たな一歩を踏み出したAKB48の今後を様々な視点から追うこの連載。今回は次の「AKB48の10年」を担う、いわゆる「次世代」と呼ばれる世代、中でも「いちごちゃんず」の愛称で親しまれる15期生を軸に触れたい。 2期生最後の3人が相次いで卒業。加えて、先日には山本彩も兼任解除を発表と、着実にAKB48は次のタームに突入している印象だ。それは横山由依総監督や「ジキジキソー」と呼ばれ若手のまとめ役の高橋朱里が常々口にしている「0からのAKB48作り」が本格的に始まったということの表れと思える。 そんな未踏の地へ歩みを進める彼女たちの指標となったのが、先日開催された単独コンサート、『翼はいらない』の選抜メンバー、そして高橋みなみプロデュース公演の一環として行われた「いちごちゃんず公演」であった。中でも「いちごちゃんず公演」は今後の若手が活動する上で大きな答えを提示していた。 「いちごちゃんず公演」は演出、セットリストの全てを15期生が作り上げるという高橋からの命題を与えられての公演。まさに初期AKB48が経験してきた自分たちであがきもがいて作り上げてきた舞台の経験を彼女たちに課した形となった。なぜ15期に白羽の矢が立ったのか?それは高橋が、15期には一期生の精神に似たものを感じたからだと言う。ぶつかり合いもがき苦しみながらも着実な一歩を踏みしめてきたレジェンドたち同様、今回の公演では15期もまた互いをぶつけ合い傷つけあいながら新たな一歩を刻んだ。その一歩はこれからのAKB48の美しい未来を視覚化した、非常に素晴らしい公演となった。多くのメンバーが経験できなかった貴重な体験を経て、彼女たちは短期間で精悍な顔つきになった様に思える。間違いなく彼女たちはこの公演をキッカケに自らがAKB48を引っ張って行くんだ、という気持ちをもったことだろう。 そんな「いちごちゃんず公演」の中心を担っていたのが、高橋も一目置いていた込山榛香。カワイイをとことん追求したかのようなザ・アイドルな振る舞いは、人に笑顔になってもらうことがアイドル、という自らが思う理想の美学に基づく。その姿勢に高橋が打たれ、卒業コンサートで最後に言葉を託したメンバーの中に込山を選んだのも頷ける。アイドルとしての在り方として、そして精神的支柱として若手たちの模範となっていきそうだ。 込山と共に「いちごちゃんず公演」を作り上げた、向井地美音はさすがの一言。勢いと共に心技体が備わっている。これから着々と伸ばし続ければ、『翼はいらない』ではセンターを任されるなど、彼女の先に広がる道は明るい。 谷口めぐは、華やかなルックスと新体操で培ってきた伸びやかなダンスが日毎、成長。「M.T.に捧ぐ」公演で宮脇咲良アンダーという大役を任されているのも当然の存在感を発揮しており、次代エース候補へと登り詰め始めている。 福岡聖菜もまさに伸び盛り。松井玲奈が「超かわいい」と絶賛したキレながの瞳がキレイな美少女ぶりは磨きがかかり、拙かったパフォーマンスは舞台経験を経て表現力が増してきた。 市川愛美、湯本亜美の二人は若手メンバー随一のダンススキルを誇る実力派。ピンと背筋の伸びた姿勢から繰り出される伸びやかな市川のダンス、キレとダイナミズムを持ち合わせる湯本のダンスは、今や公演には不可欠なエッセンスとなっている。 飯野雅はデビュー当初の大人びた雰囲気から、柔らかさも出てきて大人と子供のはざまの不思議な魅力を発揮している。達家真姫宝はまだ14歳ながらスラリと伸びた身長がどこにいても非常に映える。キレ味のするどい毒舌キャラがどう活きてくるかは気になるところ。長らくけがを患い離脱を余儀なくされていた大川莉央は見事帰還を果たした。本格再始動となる今年、これからどう成長していくか期待。どこかマイペースかる独特の雰囲気で場をなごます佐藤妃星も多大なセンスを感じる。 そしてエース候補の一角と目されている大和田南那。潜在能力の高さは折り紙付き、あとはいつ羽ばたくか?そのタイミングを見つけるだけだ。 「いちごちゃんず公演」のラスト、向井地は「これからのAKB48は私たちみたいな若いメンバーが頑張っていきたいなって思うし、その始まりとなる日が今日だったらいいなと思います。みんなと話したんですけど、いつかは先輩達を追い越せるぐらいの存在になりたい」と宣言した。間違いなくこれから個性派集団15期がAKB48の中心を担う日がくるだろう。その日はそう遠くはなさそうだ。(田口俊輔) 写真(C)AKS