カメレオ 大阪ライヴ大赤字!Kouichiは全治1ヶ月の負傷
4月6日にミニアルバム『KAMENICATION!』をリリースしたカメレオが、4月17日(日)大阪NHKホールに「カメレオ2016 春の祭典~浪花でデラックスするパターンのヤツや!~」を行なった。 ポップでコミカルなものから、ハードでシリアスものまで、彼らが掲げている「変幻自在」というコンセプトをさらに拡張させるバラエティに富んだ『KAMENICATION!』をもって挑んだ本公演は、バンドとしては初となる関西地方でのホールワンマン。 今年最初の大一番に熱く意気込んでいた彼らだったが、そんな彼らの攻めの姿勢に胸を打たれた制作チームがカメレオ史上最大規模の舞台セットを、カメレオ史上最高額の予算をかけて作成。その結果、総額ウン00万円を超える大赤字が発生するという緊急事態に! それだけでなく、ゲネプロを見たスタッフが、もっと多くの人達に今回のライヴを見てほしいと、急遽ニコニコ生放送での中継を決定するという、もはや半ばやけくそ気味(?)な大出血サービスを敢行。当日は約2万人がモニターの前でライヴの模様を見守った。また、当日は「平成28年熊本地震」の影響を受け、会場に募金箱を設置。昨年彼らが行なった47都道府県ツアーでは、大学生とカンボジアへのチャリティプロジェクトを行なった彼らだが、47都道府県ツアーでも訪れたことのある被災地への義援金を募り、早くも復興支援へ向けて動き始めていた。 定刻を少し過ぎた頃、会場が突如暗転。ミニアルバム『KAMENICATION!』のオープニングSEでもあった「〜5 Soldier〜」が流れ始めた。大量の青いスポットライトがゆっくりと場内を照らし出す中、ステージ下からメンバー5人が迫り上がって登場すると、客席からは早くも大歓声が巻き起こる。5人はそのままダンサーチームと華麗に踊りだし、そこからなだれ込むように「カメクエ」でライヴをスタートさせた。メンバー全員が楽器を置いて歌い踊る5人ヴォーカルスタイルで、カメコカメオ達とポップなダンスを楽しむと、曲中で楽器を手に取りバンド演奏にチェンジ。モンスターに扮したダンサー達と激しい攻防戦を繰り広げ、倒した敵が仲間になるというRPGさながらのミニコントを交えつつ、再び5人ヴォーカルへ。「今日はここを世界一楽しい場所にしたい」とHIKARU.が話していたが、まさにそんな空間にすべく、全力のパフォーマンスで会場の熱気をぐんぐんと高めて行った。 この日は『KAMENICATION!』収録曲の初お披露目ということで、続々と新曲をプレイするメンバー達。SF要素を交えながらも現代日本への辛辣なメッセージが綴られた「宇宙旅行」では、リトルグレイ(銀色の宇宙人)の家族に扮したダンサー陣がステージに登場。メンバーが演奏している姿と一緒に記念撮影をしたりと、歌詞に準じた演出が繰り広げられ、ミディアムな「頭の中の理想の風船」では、HIKARU.がオーディエンスのクラップを誘導しつつ、浮遊感のあるサウンドで会場を包み込んでいた。 そんな新曲群の中でも最も盛り上がりを見せたのが「ライヴでやったときに良さを感じると思う曲」としてオフィシャルインタビューでも話題にあがっていた「なぞなぞ」。重量感のあるイントロを経て、ポップかつ骨太なバンドサウンドを高鳴らし、さらにヒップホップなノリに切り替わると、ドラムのTakeshiが「DJタケちゃん」に変身。運び込まれたターンテーブル台の前で、スクラッチ音を口で再現しながらコール&レスポンスを繰り返せば、他のメンバーも代わる代わる歌い始めるなど、めまぐるしい展開で楽しませていた。また、最新作からの楽曲だけでなく、シングル「パリピポ」のカップリングとして収録されていた5人ヴォーカル曲「The wondrous world」も初披露。ダンサー達と共にキレのあるクールなダンスを繰り広げ、爆発音の特効でラストを締めるというスタイリッシュなパフォーマンスで、またひとつ新たな表情を見せつけていた。 そして、注目を集めていた大赤字確定の舞台セットは、「みんながデラックスした分、どんどんデラックスしていく」ということで、セットが組まれていた第一段階から、赤いドレープカーテンや銀色のすだれなど、曲の雰囲気を高めるように場面がどんどん切り替わって行く。「春ということで……」と披露された「結末の見えない映画のように」では、ステージの上手下手に置かれたミラーボールが瞬き、まるで桜の花びらが降り注ぐように会場を美しく彩れば、「デビル君」ではステージ両サイドに照明のタワーが姿を現わし、ド派手なEDMを組み込んだ同曲の高揚感をさらに引きずり上げていた。 怒濤の後半戦は、HIKARU.が客席に降りてカメコカメオ達とはしゃぎまくった「関係ナイ」を皮切りに、「パリピポ」ではステージ天井に特大サイズのミラーボールが登場。パンダの着ぐるみを着たダンサー達とハッピーなパーティー空間を演出すれば、その興奮を引き上げるように「ダメ男」へ。会場が一体となってジュリ扇を振り回し、まるでバブル期を彷彿とせる狂騒的な景色を作り上げていた。さらに「Thanks 2014」では、ステージ背面にびっしりと張られたLEDライトが、曲に込められた彼らの決意をさらに力強いものにさせていた。 HIKARU.「人って傷つくのが怖かったり、夢が崩れてしまうのが怖かったりして、本当に大事なときに、あと一歩を踏み出せないときがあると思うんだよ。でも、そんなときに誰かが背中を支えてくれたら、背中をぽんと押してくれたら、人は勇気を持って、その一歩を踏み出すことができます。俺達にとって、カメコカメオのみんながそんな存在です。どうもありがとう。だから俺も、夢とか目標を持って頑張ってる奴がいるんだったら全力で応援したいし、音楽の力でみんなの背中を支えたい、押してあげたいと思ってカメレオをやっています。だから、どんな苦悩や大きな壁があったとしても、俺らと一緒にこれからも乗り越えていこう! 一歩ずつでいい。一歩ずつ進んで行ったら、何か違う景色が見えてくると思うから!」 そして5人は「幸あれっ!」を披露。力強くかき鳴らされたバンドサウンドと、澱みのないまっすぐなメッセージを客席にぶつけ,本編を締め括っていた。 アンコールでは「実はまだセットが真のデラックス状態になっていない」とのことで、再び熱のこもったパフォーマンスを届けて行く5人。「21世紀マン」で会場の大合唱を巻き起こし、「始まりの歌」では金テープを発射。そして「ここにいる全員で作りだすこの瞬間、この場所が、世界一幸せな空間だと言える世界を作り出そう!」と、ラストナンバーの「万歳\(・∀・)/Music!」へ。すると、「デビル君」から登場した照明のタワーが回転し、通天閣とくいだおれ太郎のイラストが書かれた巨大幕と、ステージの上からは大阪・道頓堀のシンボルでもある某企業のマーク(走ってる人が両手をあげてゴールテープを切ってるアレです)が出現! しかも、頭にはHIKARU.のトレードマークであるツノをつけ、胸にはカメレオの文字という、普通のバンドだったらまずやらないであろう彼ららしい演出で、最後の最後まで客席を盛り上げていた。そして、楽しそうに何度も飛び跳ねるカメコカメオ達を見たHIKARU.の「初めて楽しすぎて涙が出た!」という感激の叫び声とともに、約2時間半に及ぶ関西初ホールワンマンを締め括った。 今年最初の大一番を終えたカメレオだが、この日の公演中にベースのKouichiが足を負傷し、終演後に救急病院へ直行。後日改めて病院でCT検査を受けた結果、まさかの“骨折”との診断が。右人差し指の甲の辺りにヒビなどが入っている為、全治1か月という大赤字以上の緊急事態に発展。カメレオは4月29日に「ニコニコ超会議」へ出演、5月からはプチワンマンツアー「Let’s KAMENICATION♪」を行なうことを発表しているが、果たしてどうなってしまうのか!?今後の動向に注目したい。 カメラマン:MASANORI FUJIKAWA ライター:山口哲生