AKB48歴史的イベントで若手メンバーはどう輝いた?
ついに始まった高橋みなみ10年に歩んだ道の盛大なるフィナーレコンサート「祝 高橋みなみ卒業“148・5cmの見た夢”in 横浜スタジアム」。 2日間に渡り開催されるAKB48春の祭典、本編となるのはもちろん2日目に開催される高橋みなみの卒業コンサートとなるのだが、初日26日もAKB48にとっては重要な意味を持つライブとなった。 昨年夏のさいたまスーパーアリーナ以来、実に半年ぶりとなるAKB48の単独コンサート。冬に横山由依体制が本格始動しはじめてから初の大型コンサートとなる。つまり、この大舞台は、高橋去りし後のAKB48の未来を占う意味合いも込められているコンサートなのだ。新たな1ページを刻むべく臨んだ彼女たち、蓋を開けてみれば次の世代を担うべきメンバーたちの活躍が、この日のコンサートを彩った。 この日唯一のチーム編成を披露したチーム8は序盤戦を見事牽引。坂口渚沙は『RIVER』での凛々しい和太鼓演奏など、真剣な姿が非常に印象的であった。後半戦では熱が入るあまり、隊列から放されて慌てて合流する一幕もあったがそれはご愛嬌。個人的には横道侑里をついつい目で追ってしまった。チーム8随一のアグレッシブなダンスがこの大舞台でも光り、チーム8の勢いを自らの身体性で表現。どんなに遠く離れた場所で観ていても、彼女が動く姿は一目瞭然。『恋のお縄』での彼女の体捌きは見事の一言。終盤でもその身体性を駆使し、たとえメインを張らずとも全力で飛び跳ねて楽しさを伝え、その姿は感動的ですらあった。そしてこの日、最大のサプライズ的存在となった山田菜々美。『フライングゲット』でまさかのセンターポジションを任されると、冒頭の有名過ぎる登場シーンで戸惑いにも似たハニカミを見せつつ、切れ味鋭いダンスを見せ歓声を浴びた。ラストMCでも話を振られるフィーチャーぶり。しかし、センター経験について聞かれると「もう、誰やねんと思われたかと思います…」と腰を低く折り曲げて恐縮した姿勢をみせる小心者な一面も飛び出した。そのどれも含めて多くのファンの脳裏に山田菜々美という存在が脳裏に焼き付いたはずだ。 中盤戦の入り口となった80代をテーマにしたアイドルソングコーナーでは、ドラフト2期生・樋渡結衣が存在感を発揮。おニャン子クラブ往年の名曲『セーラー服を脱がさないで』で堂々たるセンターを張った樋渡は、ピンク色のトレーナー姿も麗しくきわどい歌詞を健気に歌う。この時の彼女はどんな褒め言葉も陳腐に聞こえるほどの煌めきを放っていた。樋渡は終演後のナレーションも担当。たどたどしくもファンを健気に送る姿も相まって可愛さの極地を見せた。 次世代メンバーが軸となった『涙の湘南』。武藤十夢はここでタイトなドラムを披露し、クールな佇まいがを光らせるとともに多才さも顕した。ギターの相笠萌、ベースの阿部マリアの存在感も十分。そしてボーカルメンバーとなった込山榛香、小嶋真子、大和田南那は期待値通りの立ち振る舞いを見せた。個人的にはこの3人と共に横に並んだ、村山彩希の華やかさは選抜にも引けをとらなかった。真剣な表情を見せ歌いきったかと思えば、時に目を伏せる仕草を披露しては切ない空気も生み出す。彼女の所作一つ一つがマイナー調の楽曲をより切ない世界に押し上げるなど、凄味を感じさせた。 そして、今や時の人となった向井地美音。期待の反面、プレッシャーもあっただろう。この日の向井地はそうした圧をも吹き飛ばすほどの輝きを放っていた。『NEW SHIP』で彼女がこぼした満面の笑みは寒空の横浜に熱を届けた。センターを飾った『LALALAメッセージ』では清楚な姿で清涼な空気をもたらし、『大声ダイヤモンド』ではセンターを担当しこの日最高超の盛り上がりを生み出すなど期待に違わぬ圧巻の振る舞いだった。 各グループの将来を担う兼任メンバーたちも素晴らしい活躍を見せた。 今やHKT48、そしてAKB48グループの顔の一人となった宮脇咲良はこの日も、その立場に違わぬ堂々たる振る舞いで沸かせた。ソロナンバー『夢でKiss me!』ではスウィート極まりない空間を作り出せば、『僕たちは戦わない』ではカチッとしたタイトなダンスで魅せる。そしてセンターを飾った『君はメロディー』の圧倒的なオーラ。今や彼女なくしてAKB48を語ることはできないほどの存在感を終始放っていた。 宮脇と共にHKT48の二枚看板として活躍する兒玉遥は、所属するチームHで見せるエースとしてのハンサムぶりが輝いた『Clap』に、『偉い人になりたくない』ではチームKでの妹的な可愛さという両面を見せた。兼任以降、広がり続ける表現の幅を限られた瞬間の中でフルに活かしていた。そして矢吹奈子はなんとソロ曲『いじわるチュー』をこの大舞台で披露することに。松田聖子ライクな80’sアイドル衣装との抜群の愛称もさることながら、キュート極まりない歌唱をハマに轟かす。この後に控えていた渡辺麻友にもひけをとらない王道アイドルぶりにはひれ伏すのみ。 NMB48白間美瑠は随所で成長しつつある大人の魅力が光った。『ミュージックジャンキー』ではセンターの柏木のクールな表情とは対照的な、非常に色気を感じるしなやかさで魅せ、『マンモス』ではヘヴィなサウンドに呼応するかのように、挑発的な仕草で場を沸かす。妹キャラと呼ばれていたのはとうの昔とも思えるほどの色気はまさに刺激的。 SKE48唯一の兼任メンバーである北川綾巴は、ステージに立てばどんなポジション、場所にいても見映えする存在感を放っていた。中でも『偉い人になりたくない』、『LALALAメッセージ』での愛らしい姿は特筆すべき。 ある意味試練とも言える大舞台でAKB48のあるべき形を提供できたことはこれからの彼女たちの大きな財産になったはずだ。向井地は最後にMCで「11年目のAKB48、最高のスタートダッシュになったんじゃないかと思います」と強く語った。この日を境にさらなる成長を遂げていくだろう若手メンバーたちの飛躍に大いに期待していきたい。 写真=(C)AKS