Chanty全国ツアースタート 初日から熱狂と興奮渦巻く
桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー」と題されたChantyの全国単独公演が、まだ桜咲く前の3月11日(金)池袋EDGE公演よりスタートした。開場中の場内に流れていたのは、「旅立ちの日に」や「仰げば尊し」など、卒業唱歌の数々。気持ちをキュッとしめつける空気に包まれながら、場内を埋めつくしたファンたちが始まりのときを心待ちにしていた。 ハプニングはライヴ前から起きていた。今ツアー初お披露目となる新SEが流れ、程よい緊張感に包まれる中、先頭を切って意気揚々と舞台に登場したギターの千歳だが、予定より早めに出てしまい慌ててステージ袖にもどり場内の笑いを誘った。何を起こしてしまうか読めない。それこそが、Chantyのライヴでこそ味わえる醍醐味だ。 「桜舞い散る木の下でキミが待ってるワンマンツアー、始めます」芥がそう呟くとアットホームな雰囲気から一変してステージは重低音唸る『ALIVE』から幕を開けた。冒頭から高いテンションと疾走性、何より身体にズシッと響く重量感を持った演奏を叩きつけ、Chantyは観客たちの拳を次々と天高く突き上げさせていた。感情高ぶるままに歌いあげてゆくヴォーカルの芥。ツアー初日ということもあって、メンバー全員の緊張感を抱いた気合いが伝わってきた。“生まれ変わっても僕を許してくれるのか!”。ヒリヒリとした感情を、演奏を通して突き付けては触れた人たちに高ぶる衝動を与えてゆく。このスリリングな心地好さが、たまんない! Chantyのライヴ特有のスリル感あふれる演奏が、身体を大きく揺さぶっていく。リズム乱れ撃つ変拍子ナンバー『ソラヨミ』が強く音の雨を降り注いできた。躍動する『ひどいかお』の演奏に合わせ、跳ね続ける大勢の観客たち。ヒステリックな旋律の数々が胸にガシガシと突き刺さってゆく。その演奏に触発された人たちが全力で左右に駆けだした『絶対存在証明証』。Chantyは、騒がずにいれない興奮と衝動を立て続けに放ち続けてきた。 「Chantyの世界へようこそ!」「せーのでイッちゃって!」次々とソリッドな旋律が折り重なってゆく。変拍子用いた、展開激しいハイテンションな組曲ナンバー『君と罰』が飛び出した。聞き手を圧倒する演奏と凄まじい気迫。何より猛々しい音の唸りが感情を痛く刺激してゆく。 「歩き続ければ、答えは出るのかな?」。芥の言葉に続いて流れたのが、『誰』。空間を活かした歪んだ音飛び交う演奏の中、想いを呟くように歌う芥。舞台上から放たれる言葉が、触れた人へ希望の存在を示してゆく。 芥がアカペラで切々と、悲哀な想いをむせぶように歌いだした。“わたしは可も不可もなくここに生きてる、消えたい今日も消えたい無かったことにしたいよ”裸の感情を剥き出しの心模様を絶叫と激奏に乗せ、Chantyは触れた人たちへ「君の答えはどうなの?」と問いかけてきた。野太い演奏に乗せ、心掻きむしるようダイレクトに言葉を突き刺した『ダイアリー』だ。ゆったりと鳴り響く悲々とした演奏が連れ出した『とある星空の下』では、今にも涙零れそうな、振り絞る想い抱いた歌声を芥は唱えてゆく。観客たちの誰もが、Chantyがこの空間に作り上げた込み上げる想いへ切なく浸っていた。 場面は、一変。 力強くストロークするギターの旋律に飛び乗り、絶望と悲嘆にくれながらも闇の中へ光を求めようと、芥が『交差点』を朗々と歌いかけてきた。 その交差点を渡った道の先には、光と闇のどちらの未来が待っているのだろうか? “行き先はわからない”と歌いながらも、進むことが未来へ繋がる勇気だとChantyに教えられた。「『交差点』はですね、Chantyの歌に登場する救われない主人公たちを救ってくれる曲になったなと思えてる。今日、ファンたちの前で歌えて本当に嬉しく思います」 芥のMCに続き、ここからはアグレッシブなダンスロックをChantyは次々と突き付けてきた。大勢の人たちが“僕はシューティングスター”と、サビで笑顔浮かべ大きく手を左右に振ってゆく。激しく跳ねる演奏の上で、会場中の人たちがタオル振り廻し踊り騒いだ『流星群』。 熱く激烈なグルーヴロックナンバー『いっせーの』が、マイナス思考さえぶち壊してゆく。気持ち解き放った観客たちも、右へ左へ駆けながら、激しく唸り躍動するロックに全力で身を任せていた。共に声を張り上げ、頭上高く掲げた両手を打ち鳴らし、空間活かした熱を放つ『ミスアンバランス』へ嬉しく溺れてゆく。芥の煽りに刺激を受け、次々飛び交っていた雄叫び。高ぶる感情は解き放ち続けるしかない、身体求めるまま踊り続けることが正解だ! 「ヤレるかいっ!」「かかってこいやー!」。スリリングな、凄まじい熱を持った演奏が炸裂。誰もが『衝動的少女』の演奏に闘いを挑むよう全力で身体を折り畳み続けていた。場内に渦巻いた熱気。「祭りは好きかー!」。会場中の人たちが、Chanty流の祭りナンバー『やんなっちゃう』に身を預け、タオル振りながら、感情振り乱し踊り狂いだした。この騒ぎに飛び乗らなきゃ女が廃るとばかりに、ほとばしる感情をぶつけながら祭り上がっていた。 続いて演奏されたのが、この日よりライヴ会場及び通販限定で販売がスタートした『貴方だけを壊して飾ってみたい』。さっきまでの熱気を受け継ぎながらも、優しく疾走してゆく歌と演奏に、誰もが心地良さそうに身体を揺らしていた。いや、演奏が進むごとにどんどん気持ちに高ぶり与えてゆく昂揚ナンバーだからこそ、身体の揺れも大きく膨らんでいた。 このワンマンツアー、(動員)数で言ってしまえば厳しいです。でも、そんなこと関係なく、会いに行けることをこんなにも楽しみにしていられるバンドは他にいないと思います。こんな自分勝手なことをやっている自分たちとみんなとで共有しあえることが嬉しくて。だからこそ、もっとおまえたちの仲間を増やせるように日本一周してきます。また力をつけて東京に戻ってきます」(芥) ツアータイトルになぞらえたMCは“キミを待っている”わけではなく、“キミが待っている”というスタンスをあらためて提示した。全国各地にファンを迎えに行くという強い意志が伺える。 ライヴも終盤へ。残された気力をすべて放つように、アグレッシブな歌声と演奏を魅力に『犬小屋より愛を込めて』をChantyは叩きつけてきた。一つ一つの音のなんて力強いことか、ひと言ひと言が本気で魂を揺さぶっていく。ライヴこそChantyが生きる場所。その意味を、存在を証明するように、凄まじい熱を携えた演奏が触れた人たちの身体を熱く熱く包みこんでいた。 「この赤い糸が途切れないように」。最後にChantyは『赤い糸』を演奏。互いの心と心をふたたびきつく結び合うように。また一緒に熱狂の中で触れ合おうと約束交わすよう、気持ちを空へ解き放つ開放的な『赤い糸』を歌いながら、彼らは、全国ツアーへ旅立つ挨拶を、会場へ足を運んだ人たちに届けてくれた。最後の最後まで会場中に響き渡った“ラララ”の合唱。その歌声の、なんて温かかったことか……。 止まないアンコールの声を受け、メンバーがふたたび舞台へ。ここでは、オープニングの登場で失敗したことから、再び実践。しかも今回は、メンバーがそれぞれ決めポーズをしながら登場。この姿、各地でも観れるのだろうか? 今回のChantyの全国ツアーは幕開けから楽しみだ。 「めっちゃ楽しい。とにかく見せつけたい。胸ぐらつかんでひっぱり込むくらい楽しいライヴを届けたい。それくらいChantyのライヴって楽しいんですよ」(芥) 続いて流れたのは開放的な『フライト』だ。すべてのマイナス要素を吹き飛ばすように、光解き放つ歌と演奏が身体中をキラキラと包みこんでいった。あらゆるネガティブな意識を忘れさせ、ただただ無邪気な気持ちへ身を、心を浸してゆく。その昂揚した感情を全身に抱きながら、“答えをくれたのはあなたでした”と嬉しい感謝と感動をこの歌に覚えていた。 最後に響かせたのが、『m.o.b.』。突き刺さる激しい音へ、誰もが身体を揺さぶり、拳振り上げ闘いを挑んでゆく。ライヴ特有の気持ちを空っぽに熱狂させてゆく風景。Chanty流に言うなら、心踊らせてゆく一体感を通し、ツアー初日のライヴは、会場に熱気を染み込ませながら、物語の最初の1ページ目へ熱狂と興奮を力強く殴り書きしていった。 Chantyの全国ツアーの物語は、凄まじいまでの高いテンションをぶつけてゆくステージングから幕を開けた。この熱を、ぜひ全国各地へ届け、切れない太い赤い糸をどんどん増やして欲しい。その赤い糸を、今度はあなたが心へ結びにきて欲しい。途切れない無数の赤い糸が日本中で綾取りしていたら、とても素敵だと思いませんか!? TEXT:長澤智典