木村カエラ 聖なる夜に2000人限定プレミアムライブ
木村カエラが、12月25日(金)に、キャリア初となるクリスマスライブを昭和女子大学人見記念講堂にて開催した。これまでにもクリスマスイベントへのライブ出演はあったが、ワンマンでのクリスマスライブは今回が初めて。『Snowdome』や『A winter fairy is melting a snowman』などのウィンターソングを中心に、今年9月にリリースした最新曲『EGG』など全19曲を1日限りのスペシャルなアレンジや演出で披露し、会場に集まった2000人の観客に、最高のクリスマスプレゼントを届けた。 開演時間を少し回ったところで、ビロードの幕の間からカエラがぴょこんと顔を出すと、会場からは大きな歓声が沸き上がった。サビの歌詞を<♪I wish merry merry happy Christmas>に変えた『A winter fairy is melting a snowman』のクリスマスバージョンからライブはスタート。続く『Snowdome』は、しっとりとしたピアノの音色にストリングスを迎えた上質な大人のバラードへとアレンジされており、会場は一気にロマンチックなクリスマスの雰囲気に包まれた。 この日は、最新シングルのカップリング曲『SHOW TIME』のアレンジを手がけ、渋公フリーライブのバンマスも担当していたヒイズミマサユ機のピアノ&キーボードに、ベース、DJ、ストリングス(7名)という、ドラムレスの楽器隊に10名のダンサーを迎えた、総勢21名の編成による変則的なスペシャルバンドが彼女をサポート。 バラードにアレンジされた『Whatever are you looking for?』ではストリングスがカエラの伸びやかな歌声に寄り添い、『HERO』ではベースとDJが繰り出すビートがハウスのような高揚感を醸し出し、『Phone』では心躍るヒイズミのピアノにカエラが駆け寄り連弾が飛び出すなど、すべての曲で、カエラのこれまでのライブでは聞いたことのないニューアレンジが施されていた。 驚きは楽器の編成だけではなかった。『8EIGHT8』ではレーザー光線が飛び交う中、8人のダンサーが登場。16本の腕がスパイダーのように蠢き、ダンスミュージックへと生まれ変わった『Yellow(remix version)』『マスタッシュ』で観客を躍らせた後、カエラは、「挑戦を忘れちゃいけないと思って、ちょっと前から練習を始めたの。今日は、私が今、挑戦してるものをみんなの前で披露したい」と語り、『リルラ リルハ』をアコギの弾き語りで披露し、大きな喝采を浴びた。 ストリングスによる流麗な調べとファットなベースラインが融合した『TODAY IS A NEW DAY』、パントマイマーが動きで曲の世界観を伝えた『EGG』と、深みと広がりが増した歌声で前向きな希望に満ちた風景を描いていった。 その後、カエラはライブでおなじみのアップナンバーをEDMにアレンジした『TREE CLIMBERS』『sonic manic』で会場を盛り上げ、オールドスクールのR&Rに今日的なエレクトロの音色を加えた「BEAT」で本編は終了。最後の最後に、カエラはこの日初めて、エレキギターをかき鳴らした。 アンコールでは、トナカイのツノをつけたバンドメンバーがひくソリにサンタ帽をかぶって登場。ピアノが弾む『Magic Music』を飛び跳ねながら歌い、「クリスマスという大切な日を私と過ごしてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝え、「今日はクリスマスだから、あの歌を歌いたいと思います。みんなに幸せが訪れますように」と語り、一人一人のお客さんの顔を見つめながら、ジャジーなピアノに合わせて『happiness!!!』を高らかに歌い上げ、何度も「また会いましょう」と手を降って、笑顔でステージを降りた。 新たな誕生や生まれ変わりを想起させる『EGG』のリリースがあり、デビュー以来、数多くのステージを共にしてきたバンドメンバーとはまた異なる編成で、ソロのアーティストとしての表現の拡大を求めた9月9日の初の渋谷公会堂フリーライブ【GO SHOW TIME】を経て、さらなる進化と成長を見せてくれた彼女。アグレッシヴでパンキッシュなパフォーマンスでオーディエンスを煽るライブアーティストという枠を飛び越えた、エンターテイナーへの華麗な転換に新鮮な驚きと刺激を感じた人も多かったはず。そして今日のクリスマスライブでまた更なる進化を見せてくれた。 この大編成によるスペシャルバンドは、カエラ年内最後のライブとなる、12月29日に幕張メッセで開催される「COUNTDOWN JAPAN 15/16」でも登場する予定。新しい木村カエラが見せるショウのようなライブ、ライブのようなショウ。ぜひカウントダウンジャパンに足を運んでその目で確かめて欲しい。 Text by 永堀アツオ