藤巻亮太がソロで見つけたもの 超会議出演裏側も話す
レミオロメンとしてデビューし大ブレイク。その後はレミオロメンの活動休止を経てソロ活動を続ける藤巻亮太。発売したニューシングル『大切な人』がNIVEAブランド2015年TVCMソングとして抜擢されるなどその歌声に注目が集まっている。 -今回、NIVEAのCMソングということで、今までシェネルさん(2012年)、クリス・ハートさん、(2013年)三浦大知&サラ・オレインさん(2014年)と、歌声をすごく大切にしているアーティストが歌ってきました。   藤巻亮太 レミオロメンの頃から自分達が作って歌うっていうことが、自分にとっての音楽だと思ってたので、歌声だけをここまで評価してくださるってことに、ビックリしました。すごく光栄で嬉しかったです。   -しかも、CMで使われた部分は先に楽曲が用意され、そこから藤巻さんが付け加えた形でシングル発売となる変わった制作方法でした。   藤巻亮太 自分自身の殻を破るチャンスかなと思いました。自分が作った曲を自分で歌う、それが「自分の音楽だ」って考えていたのも自分が作ったルールでしかなかったんです。こうやって、僕の中でも新しい音楽感とか、音楽活動の新しい扉みたいなものをちょうど模索している最中で、これは挑戦するすごくいいご縁を頂いたのかな?と思ったんです。この楽曲は、すごく大きな三連符の曲なんですけど、あんまりこういう曲って作ったことなくて、楽曲としての魅力もあったので、こういうエッセンスも自分の中に科学反応が起きるのを、楽しみたいなと思いました。そういう理由で、お受けさせて頂いて。で、1分くらいのCMバージョンを歌だけレコーディングした時に、やっぱりこれはこのままCMだけだともったいないので、もう少し広げたいな、と思ったんです。提案してみたら、「それいいね」ってみんな賛成してくれて。そこからは、自分のクリエーターな部分も含めて任せてくれませんか?ってお願いをして。歌詞を書いて、大まかに全部出来たところで聴いてもらって、プロデューサーさん、作家さんとも話をして、最終的に詰めていって完成させました。   -自分で作詞作曲するよりも、難しかったですか?   藤巻亮太 まずは曲で言ったら、この曲ってAメロがあってすぐサビなんですね。ちょっと洋楽っぽくて。CMだからっていうのもあるんでしょうけど。メロディーがスゴく素晴らしかったんだけど、1曲にした時にそれをずっと繰り返していくだけの展開はちょっとな、と…そこに一工夫ないといけないと思って、少ない展開でより旅が豊かになるような…音楽的な旅が豊かになるように意識はしました。それは、割と僕の中ではすごくアイディアが出たのですぐできたんですけど、むしろ歌詞の方が時間がかかりましたね。   -すでにCM用に歌詞があったんですもんね。   藤巻亮太 まず、すでにあった歌詞と自分が仲良くなっていく。で、自分の中に共通するテーマを見つけていくっていうことがすごく大切で、やっぱり「まもりたい」っていう印象的なフレーズもそうなんだけど、「願望」がすごく綴られてる歌詞だったんですね。こうしたい、ああしたいっていう。で、その勢いがすごく良かったんですけど、それが2番3番とずっと願望だけだと、背景が見えてこなくて。こういう願望って、僕もあるなって思ったときにじゃあ自分だったらどういう願望があるんだろうな、って言葉をすりあわせていって、自分の中に言葉を見つけていくのは時間がかかりました。そういうことが、馴染んできながら、徐々に書いていけたっていう感じでしたね。   -自分に取り込んでからって感じなんですね。   藤巻亮太 そうですね。「まもりたい」っていうことと同列に、いろんな願望が僕自身の中であって、書き足していきました。初めは『大切な人』ってタイトルはまだなかったんですけど、分かち合いたいとか、なにかを交わしたいっていう強い願望が僕の中にあるなと思って、それが出てきたときに、その背景を書いていくことが出来てこれってつまり何か大切な人とのやりとりの中にあることなんだろうなっていうことが、すごく具体的に、言葉の中に落とし込めて…。そこからですね、ぐっと書けたのは。一番最後までタイトルは悩みました。   -ソロになってから、バンドスタイルだけではなく、弾き語り、ピアノとアコギだけなど、歌を届けることが、メインになってきていると思います。自分の歌に対しての自信だったり、再認識など何かありましたか?   藤巻亮太 いや~。バンドの頃と意識がかなり違いますね。   -全然違いますか?   藤巻亮太 バンドの良さって、「せめぎ合う」って言うか、みんなの圧力を削りだしていくっていうか…「圧」を。密度が濃ければ濃いほどいい、みたいなね。歌もやっぱり力で「圧」をかけていく、みたいな意識があったんです。ソロでアコースティックのライブをやったときに、自分の中に力を入れていく、込めていくってことだけじゃなくて、広がりとか響きとか、鋭く尖っていくんじゃなくて、もっと広がって力が抜けて、響いていくってことの方が歌っていて、気持ちいいなと思ったし。ソロだからこそ、僕の中で、歌っていくことの気持ちよさって、こういうところにあるなっていうのは気づけた部分はありましたね。   -そういった部分はソロでないと見つけづらいですもんね。   藤巻亮太 そうですね。どうしてもドラムとベースがいて、ギターもディストーションがかかって、間をみんなで埋めていく、みたいな。   -全てが音の塊になってしまう。   藤巻亮太 そうそう。面とか塊のカッコよさもあるんだけど、隙間の中に自分の声が、水がしみこむように埋まっていく…隙間の中にこそ、響いて気持ちがいいとか、そういう歌の良さっていうかね、響きの豊かさを、自分自身も知るというか、もう1回再確認出来ました。僕の中で歌うことのオモシロさというか、喜びが変わった気がしますね。   -そんな中で、ソロでレミオロメンの『粉雪』を歌うことが多かった2015年でしたね。かつて『粉雪』が使用されたドラマ、「1リットルの涙」へ出演していた、関ジャニ∞錦戸さんとのコラボも実現しました。   藤巻亮太 やっぱりレミオロメンの曲なので、ソロでテレビで歌うってのは最初なかなか結びつかなかったんですけど、今回頂いたお話しが関ジャニの錦戸くんと『粉雪』っていう僕にとっても大事な曲でいい形でのコラボレーションのお話しをいただいたので、ああ、これだったら、僕もソロとしても歌ってみたいなと思ったし、この冬にピッタリな部分もあるから楽しんでもらえるんじゃないかなって思ったんです。で、『粉雪』はなんていうのかな…こう、なにか吐き出すような、叫ぶような歌だったんですけど、10年経ってもう少したっぷり歌えるようになりました。やっぱりソロがあってからかな、たっぷり歌っていく良さっていうか。   -ソロだからこその『粉雪』があったんですね。   藤巻亮太 あの時の切ない鋭い『粉雪』とは違って、もう少し包み込む『粉雪』になっていって。こうやって曲とともに自分も成長していくことで、曲の表情も変わるんだなって思ったし、自分の中で、ソロだから、レミオロメンだからっていう線を引いてたって部分もあったけど、結局自分がソロらしさ、レミオロメンらしさってことに縛られているだけだと思えたし…。ちゃんと歌い継いでいくことの大事さを再確認したので、歌わない理由もないな、と思ったんですよね。そして、今は今の感覚で素直に曲を作っていけばいいんだなと思えたんです。2015年は…、自分の心の中にあった「線」というか、ある意味「固定観念」でしょうけど、それを消していけるような年でした。そう思えたことで心の中に、ちゃんとスペースが出来て。スペースがあると、そこのスペースで遊べるというか、遊んで作った曲って、やっぱり楽しいんですよね。FNSで『粉雪』を歌ったこととか、自分の中で、いろんな「線」が消えていくような体験だったので、すごく風通しが良くなっていきましたね。   -「線が消えた」で言うと、「超会議」の出演も話題となりました。   藤巻亮太 (爆笑)   -あれは、だいぶ大きな「線」が消えたかなと。   藤巻亮太 あの時までは、『粉雪』を殆んど歌ってなかったんですよ。   -そうだったんですね。   藤巻亮太 そうそう。でもやっぱりそういうご縁があって。どういう感じなんだろうな?受け入れてもらえるのかな?ってスゴイ自分の中で不安もありながら。   -『粉雪』のサビの部分で、ニコニコ動画でお馴染みの「弾幕コメント」が一斉に書き込まれるということで人気を集めていました。そうは言っても、雰囲気的にはアウェイでしたか?   藤巻亮太 それはそうですよ!ちょっと覚悟して行った部分もあったから。どういう風におもしろがってくれてるのかな?ていうのが僕自身わからなかったので。だから、みんなが歌ってくれたり、合唱になったときに、すっごい嬉しかったです。   -「おまえら最高」って出ましたもんね、言葉が。   藤巻亮太 自分のライブかのように(笑)。ワンマンライブみたいな発言になっちゃいましたけどね。   -『粉雪』の世界感からすると、サビのところで色々な文字が出るっていうのは、結びつかない部分もありますからね。   藤巻亮太 でもあのサビで言葉を書きたい!「――――キタ――――」みたいなことを書きたい気持ちは解ります。『粉雪』は、サビになかなかいかない展開なんですよ。ためにためて。僕と君はどうなんだ、みたいなことをウヨウヨしながらたまっていって、「~粉~ぁ♪」っていくんで「やっとキタ!」って感じがあるんです。   -そういう気持ちよさなんですね。   藤巻亮太 割と紆余曲折するので。サビもいきなり高いんです、キーが。だからそこの部分でおもしろがってもらえたのかな?と思って。おもしろがってくれることは、嬉しいですよね。   -そんな藤巻さんですが写真集が、2016年2月17日に発売されます。ヒマラヤ・アフリカ・アラスカ・アイスランドと…壮大ですね?   藤巻亮太 野口健さんと出会ったことが、とても大きかったんですけど一緒に旅に出て、僕自身もレミオロメンからソロになるっていう、結構大きく悩んだ時期だったんで旅に連れ出してもらったことで、20代にレミオロメンで駆け抜けてきた中で、見えなくなってきていた部分とか、さっき言った固定観念とか…旅ってちょっと客観的に見られるので、もしかしたら当たり前と思っていたことは当たり前じゃないかもしれないって思えて。写真も視点が大事じゃないですか?だから世の中、一本の木をどっから見るかで全然違って見えるワケで、写真集は『Sightlines』っていうタイトルで、色んな角度からモノゴトを見る「視線」っていう意味なんですけど、いろんな角度からモノゴトを見て、何か発見していく、そういうことを写真を通してでも感じて頂けたら嬉しいなと思っています。   -ヒマラヤは、伝説となっている、ヒマラヤにギターを持っていって歌ったという。   藤巻亮太 そうなんですよ。ヒマラヤで弾いたんです、標高5545m。   -単純に、手、動くんですか?   藤巻亮太 いやいや。全然動かないですよ。-15℃とか-20℃ぐらいなんで。   -それもキッカケになったんですもんね。ソロでがんばろうっていう。   藤巻亮太 なったと思いますね。写真集の最初の文章で書いたんですけど、自分がすごく悩んでいたこととか、一番最初に連れていってもらったのがヒマラヤなんですけど、そのヒマラヤの旅で思ったことを中心に書いてあって、そこの部分を読んでもらって、ヒマラヤの写真を見てもらうと、ああこういう気持ちで旅に出たんだな、ってのが、わかる。次にアフリカ、アイスランド、もう1回アフリカ、もう1回ヒマラヤ、で、最後はアラスカって、続いてるんですけどストーリーが、見て取れるかもしれないですね。   -過酷なところばっかりですね。   藤巻亮太 ホントですね。僻地しか行ってませんね。なんかね、人がいないところのすごさっていうか。もっと言うと命がバクテリアレベルもいなかったりするんで。そういうところにある、むき出しの地球の生命力みたいなものを肌で感じることができて。それは言葉で説明できることじゃないんだけど、なんかすごいパワーをもらったような気がしましたね。   -そのパワーが写真集から伝われば。   藤巻亮太 見てくださる方にも、おお、こういう所に行ってみたいなとか、スゴイなとかっていう驚きとともに、チャージされていったら嬉しいなと思いますね。   2月からは、第一弾として発表されているツアーの“歌旅編”も始まるので、楽しみにしていて欲しいです。