紅白歌合戦 注目は初出場組とSNS
いよいよ今月末に迫った「第66回NHK紅白歌合戦」年に一度のこの祭典をもっと楽しむために、今年の見どころをまとめてみよう。 まずは、初出場組。例年、その一年の音楽チャートを切り取ったような旬の顔がラインナップされるが、特に今年らしいと言えば、ゲスの極み乙女。、星野源、μ‘s(ミューズ)ではないだろうか。 ゲスの極み乙女。は、2015年に発売した曲が連続でチャートの上位に入り、初の単独アリーナツアーも成功させるなど、あっという間にシーンを引っ張る存在になった男女4人組のバンド。その個性的なアーティスト名やインパクトの強い歌詞、耳に残るメロディーで、昨年初登場のSEKAI NO OWARIに続きお茶の間でも話題に上ることだろう。 そしてバンドからソロの活動に転向した星野源も、今年はドラマの主題歌やCMソングを担当するなど活躍。先日発売されたアルバム『YELLOW DANCER』も、オリコンチャートで1位を記録し絶好調だ。ファンクの要素を取り入れつつ、軽やかでチャーミングな楽曲『SUN』は様々な世代の心を掴むだろう。連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」や、NHKの人気コント番組「LIFE」にも俳優として出演しているだけに、今回の紅白出演は必然と言えるかもしれない。「国民の息子」になり得る、飾らないキャラクターと笑顔。彼の更なる人気に繋がりそうなステージは必見だ。 更に、大人気アニメ「ラブライブ!」の声優陣で結成されたユニットμ’s(ミューズ)の出場に胸を熱くさせるファンも多い。そもそもアニメの中の架空のアイドルグループが、実在のグループとして紅白出演を果たすのだから、まさに夢のような話だ。近年の紅白では、アニメ作品から出たヒット曲を紹介するのがお決まりになっている。日本の文化財産として、老若男女に知ってもらう絶好の機会だという意向もあるのかもしれない。 また今年は、意外にも初出演という中堅・ベテラン勢にも注目が集まる。 これまでテレビ出演を控えてきた人気ロックバンドBUMP OF CHICKENは、満を持しての出場。スケールの大きいバンドサウンドと力強いメッセージは、テレビの前でもしっかりと胸の奥に届くだろう。心待ちにするファンも多い。 80年代に大活躍したレベッカは、今年再結成を果たした。先日20年振りのライブ公演が行われたが、NOKKOの躍動的なボーカルとバンドの高い演奏力は健在と評判だっただけに期待が高まる。きっとヒット曲『フレンズ』で、当時10〜20代だった世代を熱くさせてくれるだろう。 更に、海外ツアーなどを経て更にパワーアップしているX JAPANも非常に楽しみだ。今回の横浜アリーナ公演4daysの一部を取材したが、息をつかせぬ迫力と胸を締め付けるような叙情性が交互に押し寄せ、圧巻の演奏だった。18年前、紅白を最後に解散したXが、いよいよ国民的音楽番組に帰ってくる。この歴史的瞬間をしっかり見届けよう。 ここ数年、紅白歌合戦が一段と面白くなっているように感じる。出演するミュージシャンの多様化や、朝ドラとのコラボなど、番組により自由なムードが漂っていることもあるが、その要因のひとつにSNSが一役買っていることが挙げられるだろう。特にTwitterは、紅白関連のハッシュタグで検索すると、リアルタイムな感想をインターネット上でたくさんの人と共有できる上、着眼点の鋭い呟きが多く、思わず笑ってしまう。音楽のことだけでなく、衣装や出演者のコメント、進行に関してなど、まるで居酒屋で友人達と他愛のないお喋りをしながら見ているような楽しみ方が出来るのは、在宅の単身観覧者には嬉しい。 昨年、そのSNSの視点に近い“イジり”を“NHK公認”で実施して好評だった、お笑い芸人のバナナマンによる「紅白ウラトークチャンネル」は今年も実施されるようだ。出演者にまつわる様々な情報を交えながら、視聴者寄りの自由奔放なトークで盛り上げてくれることだろう。こちらは紅白の副音声で楽しめる。 圧倒的なエンターテイメントショーをお茶の間に届けながら、「面白がる」ことも認めてくれる、懐の深い伝統的音楽番組「NHK紅白歌合戦」。今年も最初から最後まで見どころが満載、記憶に残る大晦日になるだろう。 (奥浜レイラ)