乃木坂46で大注目となった「温泉トリオ」とは?
生駒里奈が初の三列目、星野みなみと齋藤飛鳥の福神入り、衛藤美彩、深川麻衣が初のフロント入りと、乃木坂46の新たな動きを見せた最新シングル『今、話したい誰かがいる』。何か大きなうねりが生まれそうな予感がする選抜メンバーとなった。次こそは一気に2期生が台頭するか?いや、1期の奮闘も期待できる!など様々な憶測が呼ぶ中、個人的に次の乃木坂46の台風の目となるのは、伊藤万理華、井上小百合、中元日芽香の3人、通称「温泉トリオ」だと考えてます。いわゆる中堅と言われる仲良し3人。それぞれ、根強い人気も実力も兼ね備えてはいるものの、何度も壁にブチ当たってきました。しかし、めげず自ら手繰り寄せたチャンスを見事活かした彼女たちは今年、大きな成長を果たしたと思います。 「変われるなら井上小百合ちゃんになりたい」とメンバーの秋元真夏に言わしめるほどの透明感あふれるビジュアルに加え、ダンス七福神にも選ばれるほどのパフォーマンスの持ち主・井上小百合。選抜回数も多く。だが引っ込み思案の部分が強く、強い爪跡を残すことができずにアンダーと選抜の間を行来する時間が続いた時期もありました。強烈な個性、という部分で力を発揮できずにいた彼女でしたが、最近は完全に開花した印象です。 まず演技力。「16人のプリンシパルtrois」で主要十役全てを制覇するなど成長は著しく、昨年開催の「帝一の國」での白鳥美美子役は古風でありながら、時折ぶっ飛んだお嬢様ぶりが井上の魅力に見事マッチ。当たり役と共に井上自身の視野も広げました。続編「決戦のマイムマイム」でも再び白鳥役に抜擢されたのは、まさにその証でしょう。そして「初森ベマーズ」でのヤンキー少女・滝谷サユリ役、先月開催された「すべての犬は天国へ行く」での早撃ちエルザ役といった、本来の彼女とは真逆のどこか冷めた“漢らしい”演技を披露と女優性の高さを見せつけた。 以前までは「乃木坂って、どこ?」においてバナナマン設楽統にちょっとツッコまれただけで涙するほど弱々しいイメージの井上でしたが、この1年で心が強くなったのか弱音を吐かずに堂々とした姿を見せています。中でも、元々体が強くない彼女は膝にバクダンを抱えており、アンダーライブでは2nd、3rd共に欠席する時間が多かったのですが、そのケガをおして堂々と立ち振る舞う姿は感動的でした。「誰かのためになりたい」とこの世界に飛び込んだ井上、彼女の憧れるヒーローへと着実な一歩を踏みしめているのは間違いなさそうです。 伊藤万理華は独自路線をひた走り、今の自らの立ち位置を完全に掴んだ印象です。「アンダーの概念をぶっ壊す」というブログでの宣言通り、昨年のアンダーライブの牽引者として躍動した伊藤。その活躍が見込まれてか今年は選抜でその翼を広げることに。幼少期から培ってきた持ち前のダンススキルは後列でありながらも目を引いた。それ以上に今年は彼女のセンスが大々的にフィーチャーされた年でもありました。元々ブログではカメラマンの友人と共に撮影したアーティスティックな写真や、ハイセンスな私服をアップするなど、独特の感性を発揮していました。しかしそれが前面に押し出される機会はなく、伊藤自身も一時期はアイドル“らしさ”へ寄せて行った時期もあったそう。しかし、溢れ出るセンスに周囲が感づいたのか、2年連続でファッション誌「装苑」のモデルを飾り、今年は音楽専門チャンネルMUSIC ON !TVや雑誌で彼女の個人PVがフィーチャーされるなど、クリエイターが彼女の虜になった。そして今年からデザイン&グラフィック専門誌「MdN」にて「MARIKA MEETS CREATORS」を連載開始。伊藤がクリエイターのもとを訪ね、そのクリエイションの裏側に迫っていく当連載で、センスと知識量を爆発。数々の著名クリエイターと堂々と渡り合い、乃木坂46を一介のアイドルとは違う次元に押し上げる要因を作り出しています。今年の伊藤の生誕祭に際して「乃木坂の未来」と井上は伊藤をこう称した。個性を一つの武器として、自身を次のステップへと押し上げる彼女が、来年20歳を迎えるころにはさらなる発露がお目にかかれるのでは?と楽しみでしょうがない。 「ひめたんびーむ」で心を射抜き、八重歯もキラリと光るアルカイックスマイルでホッコリとさせる、乃木坂の「ザ・アイドル”」中元日芽香。「乃木坂で一番妹にしたい」、メンバーにそう言われる彼女も、今年高校を卒業し、乃木坂46に専念しはじめたことで一つ進歩した姿を見せている。 一つ夏に「自身のアイドルとしての理想像」であったトレードマークのツインテールを封印。アイドルとしてあるべきヴィジョンに美学を持つ中元にとって、この決断は相当大きな覚悟だったことでしょう。甘くにこやかなだけでなく、憂いを帯びた表情や仕草を見せるなど、近頃のグラビアではドキリとさせるオトナの魅力をも発揮しはじめるなど、少しずつ自ら持つアイドル像を更新している印象です。 そして彼女のアイドルらしさに新たな武器が加わります。それはトーク力でした。今年に入り、NHKラジオ第1「らじらー!サンデー」のアシスタントMC、11月6日からは「ソニレコ!暇つぶしTV」の二代目MCに抜擢されるなど、喋りの面での活躍が増えた。中でも「らじらー!」では中元のチャレンジコーナーのムチャブリや、MCのオリエンタルラジオからの鋭いツッコミにあたふたしながらも見事完璧に答える姿はさすがの一言。そして4thアンダーライブ。彼女はトーク回しで大きな役割を担う。今まで「ひめたんびーむ」の力に頼っていた中元は、培った話術でまとめつつ要所で天然な面をのぞかせたりと、もはや無双状態。そしてここぞという時に飛び出す伝家の宝刀「ひめたんびーむ」で会場の空気を完全に掴むという、見事なまでの立ち振る舞い。新たな魅力が炸裂していました。 「華」という意味でも選抜陣に引けをとらない彼女たち。個々の魅力が一塊になることで大きな魅力を生み出す、というのが乃木坂46らしさの一つの形だとするのであれば、王道的要素を持ち合わせながら、強い個性を持った彼女たちの活躍が今後の乃木坂をさらに大きくしていくことでしょう。 (田口俊輔)