最注目ガールズバンド がんばれ!Victoryが掴みつつある「自分たちだけのグルーヴ」
今年5月にシングル『全力!スタート/夢のつづき』でメジャーデビューした5人組ガールズバンド、がんばれ!Victoryが独自の存在感を放ち始めている。彼女たちはメンバー全員がまだ小学生だった頃に結成され、キャリアだけでみれば10年近くというちょっとしたベテランの域。しかし、現在19〜20歳の彼女たちはメジャーシーンにおいてはこれからといった存在だ。 2000年代後半に入ってからガールズバンドの活躍が少しずつ目立ち始め、特に女性アイドルがシーンを席巻するようになってからはロックバンド界隈のみならず、アイドル界隈にも幅を効かせるようになった昨今。ガールズバンドには「女だから」と舐められないだけの技術や表現力と同時に、アイドルにも匹敵するビジュアルが求められるようになってきた。メンバー全員が可愛いから、演奏テクニックはちょっと劣っても……と最初は許されるかもしれないが、それも場数を重ねていくうちに厳しい目で見られるようになる。これはどの世界でも一緒だろう。 そんな中、がんばれ!Victoryはこの1年ほどでかなりの実力を身に付けてきた。ちょうど昨年春にメンバー全員が高校を卒業したことで地元佐賀から上京し、首都圏で精力的な活動ができるようになったのも大きい。実際、昨年夏にはさまざまなロックフェスやアイドルイベントに出演する武者修行を実施。こういった経験が功を奏したのか、私が昨年春に観たライブと今年春に観たライブとでは「バンドのグルーヴ感」に大きな違いを感じた。昨年春の時点では「年齢のわりにはそこそこ上手」だったのが、1年後には「ただ上手なだけではなく、このバンドならではのタイム感やノリが感じられる」ようになったのだ。「演奏がきっちり合っているから上手」それも間違いではない。しかし、どんなに演奏技術が劣っていても、全員で合わせたときに凄みを感じさせるバンドのほうに惹かれることもあるだろう。それがそのバンドにとっての「グルーヴ」なのではないだろうか。 メジャーデビューから半年。自分たちだけのグルーヴを掴みつつある彼女たちは、まだまだ成長の途中だ。来年1月27日には待望のメジャー3rdシングルのリリースも控えているが、80〜90年代の洋楽ハードロックに触れた世代なら思わずニヤッとしてしまうアレンジが飛び出す『全力!スタート』や『ラリラリラ』などの楽曲は、きっとアラフォー世代にも響くものがあるはず。幅広い層にアピールする要素が満載な彼女たちが国民的ガールズバンドの座にたどり着くことも、もしかしたらそう遠くない将来に実現するかもしれない。 (文=西廣智一)