乃木坂46 生田絵梨花が魅せたアイドルを越える「本気」の演技
乃木坂46生田絵梨花が、主人公・サファイアを演じるミュージカル「リボンの騎士」。 「男の心」と「女の心」の2つを持って生まれ、女の子なのに王子として育てられたサファイアという難しい役どころを今回演じることになる。乃木坂46の中では演技力に定評のある生田。今までも乃木坂46舞台「16人のプリンシパル」、その他にも「ココ・スマイル5 〜明日へのロックンロール〜」「アルプスの少女ハイジ」「虹のプレリュード」と舞台経験はあるが定期的に舞台に出演をしていたわけではない。それだけに、急な大役となりプレッシャーは相当なものだっただろう。 しかし、この日魅せた舞台の上での生田は光り輝いていた。 まず驚くのはその声。アクションも多いサファイアをしっかりと安定して演じた。歌声も、脇を固めるベテラン俳優たちに負けず劣らず、時に高らかに、時に悲しくしっかりと聞かせた。 性別に、大人たちに翻弄され葛藤をする場面が多く、非常に難しい役どころだが、全てをセリフをキチンとした強弱、バランスでストレスなく届けてくれる。そして声とともに表情を含めた演技力。正直、バラエティやライブなどで見る生田の印象からすると「ここまで演技ができるのか!」と衝撃を受ける出来栄えとなっている。確かに「プリンシパル」ではアドリブなどを織り交ぜ「プリンシパルの申し子」とまで評価された生田だけに演技力は実証しているが、この日舞台上で輝きを魅せた彼女はしっかりと「舞台女優」だった。 今回のサファイアは思春期の「男の子」と「女の子」の心が交差していくストーリー。しかも、この場面までは男の子、この場面までは女の子、と明確なラインが有るわけではないので、しっかりとしたメリハリを見せないと客席まではその違いが届かない。多感な男子女子を演じ分けるだけでも難しそうなのに、親の死や恋、敵との戦いなど生田の演技は盛りだくさんに色々なことを主役として求められる。超多忙な乃木坂46としての活動だけでも我々には想像もつかないくらいに大変だろうに、生田はしっかりと本番までにサファイアを自分の中に入れ込み、実力以上の演技を魅せてくれた。かわいいアイドルのかわいい演技を見に行く舞台とは、一味も二味も違う「本気」を見せられた気がした。 将来の夢を「舞台女優」と宣言する生田。演技には「完璧」というものはないのだが、「リボンの騎士」で魅せた演技は「完璧」以上の熱さや想いを感じた。これから、女優として様々な場面で挑戦をしていくだろうが、このサファイア役が重要な通過点になることは間違いないだろう。 (武田瑠羽) (C)ミュージカル「リボンの騎士」製作委員会2015