Synk;yet ツアーファイナル「罪と狂気」を熱狂で浄化
9月にスタートした全国7大都市を舞台にしたツアー「『心中ノ園』」。10月23日に、同ツアーのファイナル公演が新宿ReNYで行われた。 先に、この日発表になった情報をお伝えしよう。Synk;yetは、2016年2月3日(水)に通算6枚目となるシングル『悦楽の底へ産み落とされし大罪のワルツ』を3-TYPE同時発売する。その作品を手に、2月4日より「全国11都市単独公演「悦楽の底へ産み落とされし大罪のワルツ」がスタート。ファイナル公演は、5月3日に恵比寿LIQUIDROOMで行うことも発表された。 他にも、2016年2月8日(月)に『Messiah』や『自責ノ園』など計7本のMVを収録した第2弾MV集『dimension of vision 2』の発売。2015年12月16日(水)に、『夢人達の旋律』や『Fake out』などライブではお馴染みの楽曲も収録。ギターの唯依葉-yuiha-加入以前の現在入手不可能楽曲を元に全曲リマスタリングし構成した、完売音源集『recollection of glint』のリリースも発表になった。 厳かなSEの雰囲気とは裏腹に、舞台上へ姿を現したメンバーたちへ飛び交う熱狂の声・声・声…。 この日のライブへは、新衣装で登場。「心中の園へようこそ」。Synk;yetのライブは、最新シングル『自責ノ園』を突き付ける形で幕を開けた。荘厳かつ重厚な音の唸り。「骨の髄まで愛しても」と想いを歌う莉希。身体の芯まで貫く音の衝撃に煽られたメサイア(観客)たちが全力で頭を振り、暴れだした。なんて感情を熱く揺さぶる狂喜な幕開けだ。 『Fake out』に描いた凄まじい折り畳みの風景。「罪と狂気」を主題に活動を行っているSynk;yetらしい、身体と心に激しい唸りを与える序盤の風景だ。途中には、メンバーたちの煽りに刺激を受け、客席前方へ逆ダイしてゆく数多くのメサイアたちの姿も。頭から場内の熱はガンガンに上がってゆく。 「俺たちと一緒に心中する気あんのかよ!!」。『青い忘却』に合わせ、拳を揺さぶるメサイアたち。重厚な音の中から響き渡る、刹那な歌声。痛い衝動が、身体中を駆け巡ってゆくようだ。野獣の咆哮のように荒ぶる演奏。『インナーチャイルド』が場内に作り上げた、理性を破壊し暴れ狂う無法地帯な風景。そして…。 「罪と狂気」をテーマに描いた『愛憎のファムファタール』が鳴り出した。気持ちを痛心地好く刺してゆく煽情的な旋律の数々が、荒れ狂う轟音の上で踊りだす。「愛おしいほど君を傷つけ、愛して…」。莉希の高ぶる歌声に触れていると、嬉しいくらいに感情が込み上がってゆく。その痛い衝撃が今は恍惚なんだ。 ゴシックシンフォニアな『An die Freude』へ描いた、高く掲げた両手の花の舞い踊る風景。高揚した想い連れたまま華麗に疾走する『夢人達の旋律』に、誰もが嬉しく溺れてゆく。棘を持った美しさが、たまらなく刺激的で心地好い。 ドラマとは、狂った恍惚を身に覚えるほどにのめり込むもの。『Sacred Symphony』が連れ出した、激な感情と凪な心の揺れが美しく交錯した物語。Synk;yetが新宿ReNYに綴った「罪と狂気」というドラマから誰も逃れられない…いや、夢中にならずにいれなかった。 「光射す小さなこの気持ちで一緒に乗り越えていこう」。中盤を彩ったのは、今にも壊れそうな感情をそのまま音に、演奏に投影した、悲哀な気持ちを帯びたバラードの『小さなこの木の下で』。白い光に優しく包まれながら歌う莉希。彼は、どんな想いを胸に抱きながら、この哀切な歌を響かせていたのだろうか…。 すべての罪を浄化するよう優しく歌いあげた、バラードの『finale』。穏やかな光に身を包まれる感覚が、心に嬉しいまどろみを与えてゆく。何故だろう?!、むちゃくちゃ身体が喜びに震えてるよ。 「この中で朽ち果てるなら…さぁ今こそ生まれ変わり、光輝くときだ」。激しく挑発的な唯依葉のギターが炸裂。『[Re]:birth』がふたたび連れ出した、熱を持って暴れることが定めと言うべき戦いの場。「ここにある見えない壁をぶち壊せ!!」。刹那くも気高き『Transitional Insanity』が導いた、高揚止まらない魂の震え。 『Psychotic Mechanism』では、会場中のメサイアたちがタオルを振りまわし、右へ左へと激しく踊っていた。絶叫と熱狂を武器に、荒ぶる感情と感情とをぶつけあった『タルペイアの崖』。ヒステリック&ハードな『Unlimited Crucio』が作りあげた、止むことのない折り畳みと逆ダイ続く狂ったパーティ。黒い絶叫に支配された熱は、アンコールへと狂喜のバトンを手渡していった。 「今、心中の空へと飛び立とう」。『Rainy』に合わせ、空をつかむように大きく跳ね続けてゆくメサイアたち。最後の最後に、メサイアたちとの熱い絆を確かめるよう『Messiah』を演奏。「ここに集いしみんな、これからどんな困難にあっても俺たちについてくると誓ってください」「共に手を取って歩んでいきましょう。莉希の言葉を噛みしめながら、楽曲に込めた互いに強く結ばれあう関係性を身や心に感じつつも、首を振り、モッシュや手の花を咲かせながら、メサイアたちは、この日の狂騒劇を身体へ刻み込むように騒ぎ続けていた。 Synk;yetが新宿ReNYに作りあげた狂気と狂喜が交錯し続けた物語。彼らが罪から救われる術は、この熱狂を繰り返しながら心を浄化してゆくことなのかも知れない。その穢れなき姿になるまでには、もっともっと先に広がったドラマへ戦いを挑み、共に「罪と狂気」の意味を探らねばならないようだ。 TEXT:長澤智典