松田聖子からAKB48まで!武藤彩未に酔いしれたアコースティックな一夜
ソロアイドル武藤彩未が10月4日に東京・日本橋三井ホールにて、ワンマンライブ「A.Y.M. Ballads」を開催し、アンコール含む全16曲を披露した。 「A.Y.M. Ballads」はアコースティック編成の生演奏によるライブで、昨年6月に行われた前回はチェロ、ピアノ、パーカッションをバックに従え好評を博したが、今回も普段はなかなか見られないアコースティックセッションということもありチケットは即日SOLDOUT。会場はこの日を待ちわびた多くのファンで隅々まで埋め尽くされた。 円錐状に型取るように配置された何百本もの糸に照明が加わることで、AYMという文字が浮かび上がるというコンテンポラリーな演出が施されたステージは、ラグジュアリーな空間を醸し出していた。そして前回同様に豪華ミュージシャンがサポートメンバーに迎えられ、ピアノは武藤のサウンドプロデュースを手掛ける本間昭光、ベースに数々の有名アーティストのプロデュースやライブサポートを行う根岸孝旨、パーカッションには平井堅などのライブサポートを行う坂井”Lambsy”秀彰、そしてアコースティックギターに森山直太朗など数々のアーティストのアレンジやプロデュースを手掛ける中村タイチといった豪華ミュージシャンによる演奏が始まる中、武藤は白にドット柄のシースルーを纏った衣装で登場。国民的ヒット曲となったAKB48の『恋するフォーチュンクッキー』からライブはスタートした。 前半は武藤の敬愛する松田聖子をはじめとする80年代から2014年までの名曲カヴァーを披露。今回の選曲は1980年代から最新の楽曲まで、時代を彩ってきた楽曲の中から武藤自身が厳選したもの。名曲を歌う姿とともに魅せる表情は、可憐な少女としての姿から時には女性としての大人らしい凛とした表情と、これまで数々のキャリアを経た彼女の変化と進化が感じられ、また6月に行われた「A.Y.M. ROCKS」のようなロックテイスト溢れるステージングとは違うアコースティックライブは、豪華ミュージシャンによる軽妙なアンサンブルと共に絶妙なグルーヴを醸し出していた。 後半は自身のオリジナル楽曲を披露。アコースティックアレンジされた楽曲群は、武藤の本来の持ち味である彼女の歌唱力が全面に活かされたものになっており、『交信曲第1番変ロ長調』『宙』『Daydreamin’』といったダンサブルなビートな楽曲がアコースティックアレンジにより普段とはまた違う装いを見せた。そして本編ラストに「明日の風」を披露し、カヴァー、そしてオリジナルで構成された一夜限りのスペシャルセッションは幕を閉じた。 会場からのアンコールが続く中、武藤はバンドメンバーと共に再び登場。改めてメンバー紹介する中、彼女のプロデューサー本間昭光(pf.)からステージ上で来月11月27日にNHKホールで行われる本間自身の誕生祭「本間祭2015」への出演が急遽打診されるというサプライズが行われ、突然のサプライズに武藤は驚きながらも快諾、会場からは惜しみない拍手が送られた。 アンコール1曲目はさくら学院のカヴァー『See you…』を披露。この曲は4年前に同会場で行われた、自身のさくら学院卒業公演以来の披露となったが、本人も当時を知るファンもきっと感慨深かったに違いない。そして最後に「今日は本当にありがとうございました。これからも大きな夢に向かってみなさんと一緒に歩んでいきたいです」と感謝を述べ「彩りの夏」へ。グループを卒業してからソロデビューし約1年半、着実に成長を遂げた武藤の軌跡を感じる締めくくりとなった。 これで終わったかのように見えたライブだったが、なお鳴り止まない拍手と声援が続く中再び登場した武藤は最後に自身のイニシャルから取ったダンスロックナンバー『A.Y.M.』を披露、最後は会場の熱気に押されて本人も立ち上がり熱唱、今回のライブの幕を熱い熱気の中で閉じた。 今月28日には即完した渋谷公会堂でのバースデーライブを収録したライブアルバムをリリース。これまで多くのアーティストがライブを行ってきた渋谷公会堂は偶然にもライブと同日の10月4日をもって建て替えのため一時閉館となってしまったが、このライブを見て「渋公」の愛称で親しまれた同会場でのライブの臨場感がたっぷり詰まっているライブアルバムにも一層期待が高まった。また12月23日には赤坂BLITZにてX’mas Special Live「A.Y.M.X」が開催されるが、2015年の締めくくりとなるライブにはnishi-kenを中心とした気鋭の若手ミュージシャンを迎え、アグレッシヴなステージが見られるのは間違いない。 生演奏と生歌によるライブ、そしてライブアルバムのリリースといった、アイドルとしては異色ともいえる独自のスタンスで唯一無二の存在感を示してきた武藤彩未の今後に一層の期待が高まる一夜であった。