hyde「L’Arc-en-Cielは幸せもの」大阪夢洲LIVE大熱狂で幕(Day 2)
雲は出てはいるが、青空も見える。 「L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO」2日目となる22日もライヴ日和だった。4人のキャラクターが登場する初日とは異なるアニメーションが流れた後に、メンバーが客席後方からリムジンに乗って登場。風向きの関係なのか、昨日以上にラル札が鮮やかに空に舞っている。 2日目も『SEVENTH HEAVEN』からのスタート。ソリッドでダイナミックな演奏が気持ちいい。バンドの奏でるグルーヴに乗って、客席が波打っている。歌詞にある“揺らめく楽園”が夢洲に出現していた。外国人の観客も散見できて、国際色が豊かなのも特徴的だ。ワールドツアーを開催しているL’Arc-en-Cielならではだろう。ちなみにこの日は国内だけでなく、香港、台湾は生中継、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、アメリカ、メキシコ、ペルー、チリ、コロンビア等ではディレイ上映されるなど、海外でのライヴビューイングも行われることになっている。 2曲目は前日後半で演奏された『Driver’s High』。hydeがマイクスタンドを客席に向けると、観客が大きな声でシンガロング。観るというよりも参加する。それも“L’Arc-en-Ciel”のライヴの醍醐味のひとつ。『Pretty girl』では曲のエンディングで、tetsuyaもkenもhydeもドラム台のもとに集まってきて、yukihiroの動きを確認しながらのフィニッシュ。今回のステージではこうしたバンド的な動きも目立ったのだが、常時活動しているバンドではないだけに、こうした場面はファンにとってもうれしいのではないだろうか。 「目のギラギラしたヤツが多いな。金か? 目がくらんでいるんだろう。金で何でも買えると思うなよ。金で買えるのは……、金で買えるのは……ほとんどだ! 一攫千金! ジャパニーズドリームをつかもうぜ、夢洲!」金でほとんど買えるということは、つまり買えないものもあるということ。その金で買えないものをL’Arc-en-Cielが見事に提供していると感じた。 『and She Said』はこの日もピエロとジョーカーが参加しての演奏。シアトリカルでマジカルな世界観はカジノ的でもある。hydeが特別仕様の短いマイクスタンドの先を客席に向けると、クラッカーのように紙吹雪が飛びだした。こんな小技も楽しい。だが、この日の最大のマジックはやはりバンドマジックだろう。この4人が結集すると、とてつもないパワーが生まれていく。例えば、この日の『ROUTE 666』。yukihiroのドラムがバンドの超強力エンジンに点火して、tetsuyaのベースがさらにドライヴ感を増幅させていく。hydeがシャウトしている。メンバーのただならないテンションにあおられて、会場内が熱気に包まれ、踊りまくって、“夢に踊れ”という歌詞がまんま実現していた。 「2日目のライヴせなあかんのに昨日の夜、ムラムラしてしまって、溜まったままです。みんなも溜めてきたのか? ガールズは金を貯めてきたのか? ええのんか? 溜めてきたもの、全部出せや~!」というシモネタ混じりのkenのMCに続いて、『HEAVEN’S DRIVE』へ突入。hydeの歌声にtetsuyaとkenのコーラスが加わって、天国へのドライヴが加速。この後、前日同様にリムジンに乗って、花道を走行して、サブステージで3曲演奏。 「ただいま、大阪。よく来たね、こんなところまで。筋金入りのドエルだ。でもメンバーが集まったことがさらにすごいかなと」とhyde。そのhydeの横にはしっかり白いオウムもいる。初日はじっくり聴く曲がラインナップされていたのだが、この日は「ノリのいいヤツを」ということで、久々のナンバー『It’s the end』も演奏された。リズムは気持ちいいのだが、hydeのせつない歌声が胸に響いてくる。地元、大阪ということもあってか、この日もMCはリラックスムードで進行。 「やあ、楽しいなあ。ユッキーは楽しい時しかターバンを巻いてません。今日はかなりイッてるよね」というと、yukihiroが言葉の替わりにバスドラでドカドカっと反応する。「テッちゃん、楽しい?」と聞くと、tetsuyaがオウム声で「楽しい」と返答。そしてtetsuyaが着ているミハラヤスヒロデザインの衣装を見て、「tetsuyaさんは楽しい時しか星の服を着ません。今日は星の王子様みたいです」との言葉に会場から「王子様~!」と声がかかっていた。「こんなところにこんなに人が集まってくれて、L’Arc-en-Cielは幸せものですね」とのhydeの言葉もあった。 ピエロたちのパフォーマンスを経て、2日目も初日同様、『trick』から後半がスタートした。yukihiroの英語でのイントロデュースに続いて、全員がギターを持って、ハードかつヘヴィな演奏を展開。tetsuya、yukihiro、ken、hydeの順に気迫たっぷりのリードヴォーカルを取っていく。さらにtetsuya、ken、yukihiroがパーカッションを演奏する『REVELATION』へとたたみかけていく。 青空から夕焼けへ、そして夜空へ。自然とコラボレーションするかのような演出も見事だった。夜の訪れとともに、LED画面に摩天楼が出現して、『CHASE』へ。ここからは光と闇が混在するミステリアスな世界観を持った曲が並んでいた。前日に続いて、2度目の披露となったのは新曲『Wings Flap』だった。前夜の終演後にリリース発表もあれ、予約した人限定で先行試聴も開始されたので、聴きこんできた観客もいたのではないだろうか。深みのある歌なので、聴けば聴くほど、より味わい深くなっていきそうだ。再生していくパワーのようなものも伝わってきた。 2日目限定のナンバー『Lies and Truth』が始まった瞬間には悲鳴のような歓声が起こっていた。バンドの奏でる軽快なリズムに合わせて、サイリュームの光が揺れている。さらに前日は序盤に演奏された『Link』へ。会場内に親密な空気が漂っていく。hydeのギターで始まった『HONEY』では1コーラス終わったところで、花火が打ち上がった。観客の熱気と連動していくかのようにバンドが疾走&加速していく。混沌としたパワーが渦巻く中、yukihiroの渾身のドラムでのエンディング。 「わっしょいー! おげ~んき~? (ライヴビューイングを観ている)映画館も元気? わっしょいー!」というtetsuyaの言葉とベースソロに続いて、『STAY AWAY』へ。マスク姿のダンサー、バニーガールなど、総勢30名も登場して、お祭り状態で盛りあがっていく。 「さよならはいいたくないよね。こんなとこ、来たら一生忘れられないよね。大変だったでしょう。遠いところまで来てくれて、かわいいヤツらだな。ありがとうございます」というhydeの言葉に、「ありがとう!」と返す声がたくさん起こっていた。「このあと、ここはどうなっていくんですかね。ここでこんなすごいライヴがあったなんて、夢みたいな感じだと思うんですけど、ひょっとしたら、そのころにまったく同じような施設ができているかもしれないよ。こんなL’ArCASINOがあって。そしたらそこでまた会いたいね」とhyde。 2日間行われた「L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO」の最後を飾る曲は『Pieces』だった。バンドのファンへの愛が伝わってくるラヴソング。メンバーそれぞれの思いが詰まった演奏だ。曲の途中で夢洲と舞州にかかる876mの白い夢舞大橋がライトアップされて、虹色に染まった。 さらに終演とともに花火が次から次へと打ち上げられて、夜空も七色に染まっていった。その数は2日合わせて2000発。夢洲という場所のせいか、未来に思いを馳せる瞬間のたくさんあった。海だったところに島ができて、何もない更地の島でこんなにも大規模なライヴが展開されていく。未来って、なんだってありなんじゃないか。「L’Arc-en-Ciel LIVE 2015 L’ArCASINO」は夢の持っているパワーのすごさ、素晴らしさを再確認させてくれる空間でもあった。 カメラ:今元秀明、緒車寿一、加藤千絵、河本悠貴、田中和子、三吉ツカサ