MUCCミヤ プロデュース「発狂」キャッチコピーのCOMMUNE Vol.1がヤバい
9月5日、新木場Studio Coastはある種「異様」とも言える静かな興奮に満ちていた。 <発狂>をキャッチコピーに掲げ、不穏な空気を発表の時点からまき散らしていた「COMMUNE Vol.1」。この日はMUCC、D’ERLANGER、ギルガメッシュ、DEZERT、NOCTURNAL BLOODLUSTという強烈な個性を持つ5バンドが出演、フロアに早くから詰めかけた満員のオーディエンスはその火ぶたが切って落とされるのを今か今かと待ち望んでいた。 トップバッターはギルガメッシュ。昨今はラウドロック系のバンドとの対バンも多く、彼らが元来から持ち合わせた「扇動力」にも磨きがかかり、この日もその魅力が大爆発。 ライブ冒頭からフロアには巨大なサークルピットが出現と、オーディエンスもいきなり暴走開始である。バンド結成時から早くもEDMとラウドロックの融合を試みていた彼らのサウンドは、初めてその音楽に触れたものでも一気に引きずり込むことが可能であり、このようなイベントライブの際にはその特性が有効に作用する。ラストの『evolution』では左迅(Vo)が客席に躍り込み、オーディエンスとの絆を確かめあい、高らかにその幕を閉じた。 2番手はNOCTURNAL BLOODLUST。その華麗なルックスからはある意味想像できないほどの激烈ハードコアサウンドでシーンの中核に躍り出た、その卓越した演奏力は折り紙付きだ。この日も冒頭から激烈なブラストビートでオーディエンスを激しく煽り立てていく。尋(Vo)のスクリーム、グロウル、そしてキャッチーなメロディラインをも変幻自在に使いわける巧みなヴォ―カリゼーションは、このバンドの大きな武器だ。激しい演奏を一体となって攻め立てるバンドの姿にフロアの熱は急上昇。ラストには『VENOM』を叩きつけ、現在のバンドの勢いを十分に見せつけてステージを降りた。 続く3番手はDEZERT。ここまで高まった興奮の渦は、漆黒の中に浮かび上がる4人の佇まいに、独特の世界観の中へと急激に叩き込まれる。『嘔吐』『誤解』と暗く、重苦しくも激しいその音像にフロア全体が静かに引きこまれる様は、このイベントが掲げる<発狂>をある意味極限まで高めた究極の瞬間でもあった。一転、『不透明人間』『秘密』では激しくオーディエンスを煽り立て、狂乱の渦に引きずり込む。沈み込むような世界観と、狂乱の世界観が一気に押し寄せるという彼らの魅力がこの日も炸裂。ラストの『ghost』ではじっくりと千秋(Vo)が歌詞をかみしめるように歌い、台風のような彼らの狂騒の幕は降りた。 続くはオーガナイザーであるミヤがブッキングにこだわったD’ERLANGER。多くのバンドからリスペクトを受ける彼らの佇まいがあってこそ、「COMMUNE」と言うイベントが第一回目から<狂気>と<殺気>を伴って成立したのかもしれない。冒頭から、そのキャリアを十分に感じさせる重厚なステージングを見せつける。この日のD’ERLANGERのセットリストはキャッチーなメロディを持つ楽曲をずらり揃えたイベントスペシャル。『Angelic Poetry』『LULLABY』ではそんなキャッチーな楽曲が切れ味鋭い殺傷力満点の演奏で披露されたゆえ、フロアの興奮は更に高まっていく。ラストは最新アルバムからの『CRAZY4YOU』を披露。エンディングのインプロビゼーション演奏の最中に幕が降り、その中で演奏が締まるという、究極のバンド力をまざまざと見せつけたシーンはこの日のハイライトとも言えただろう。 そして大トリは勿論MUCC。この日は『睡蓮』でスタート。続く『ENDER ENDER』ではぎっしり詰まった会場全体が飛び跳ね、2階席までが揺れるほど一気に会場の興奮は高まる。フロントの3人が全く立ち止まることなく軽やかに動き回り続けるボクサーのフットワークのようなこのパフォーマンススタイルは、数々の修羅場を潜り抜けてきた彼らならではの武器だ。セットリスト中盤に配置された『遺書』でNOCTURNAL BLOODLUSTのCazqui(G)を、『蘭鋳』ではDEZERTの千秋をギタリストでゲストに迎えるなど、この日ならではのスペシャル企画も飛び出し、懐の深いところをも見せつけた。『MAD YACK』ではフロアもこの日一番の狂乱でバンドの熱演を迎え撃つ。「今日集まったバンドは同じ穴のムジナだから、誰のファンとか関係無いから暴れちまえ!」と言う逹瑯(Vo)の強烈なMCに導かれ、暴走の果てを尽くしたオーディエンスに最後に捧げられたのは、最新アルバムからの『TONIGHT』。イベントの大トリにふさわしい、熱気と貫録溢れる絶妙なパフォーマンスであった。 終演後のスクリーンには「SEE YOU IN 2016」の文字が映し出され、オーディエンスからは大きな拍手が巻き起こり、大狂乱の「COMMUNE Vol.1」の幕は静かに閉じた。(ライター加藤龍一/カメラマン西槇太一)