見ないと損する!フェアリーズの魅力とは?
3月21日赤坂BLITZで開催されたダンスボーカルユニット・フェアリーズ、春のツアー「LIVE TOUR 2015 – Kiss Me Babe -」東京公演は、素晴らしいライヴだった。 大々的なデビュー、レコード大賞最優秀新人賞を最年少で獲得、などの華々しい栄光とは裏腹に、フリーイベントを軸に置いた活動を展開とフェアリーズがこれまで歩んできた道はじつに堅実だったし、限られたスペースでは彼女たちの魅力の全てを出し切れたとは言いがたい。 それが、昨年3月に開催された初のワンマンライヴ「Fairies First」で、広い舞台に解き放たれたフェアリーズは、今まで培ってきた技術の全てを余すことなく披露。圧巻のステージングを見せつけた。その流れの中開催された、昨年夏のツアー「LIVE TOUR 2014 – Summer Party -」で、ついに解き放たれたフェアリーズの魅力がいかんなく発揮された印象だった。 そして今年春、2度目となるツアーで妖精たちは完全に開花した。 まず、彼女たちを語る上で、外せないパフォーマンスはさらなる凄味をみせていた。緻密なフォーメーションがスリリングな『トキメクTOKYO』で幕開けたこの日。一つでも動きを間違えれば激突の恐れがあるこの曲を、針の穴を通すごとく正確なダンスで完璧にこなしていく。これだけでも圧巻なのに、要所で細かくアドリブも入れるため、観る度に変化していく。もはや一瞬でも見逃すことができないステージを作り上げている。たった1曲、しかもスタートで「見せる」と「魅せる」の二つを両立させるというスゴ技ぶり。『Tweet Dream』のようにアイドル性の高い楽曲では、緻密さとは真逆の10代の少女的可愛らしさを詰め込んだ、大らかな動きで楽しさを伝え、一方で中盤に設けられたダンスパフォーマンスコーナーでは、およそ10代半ばの少女とは思えないほどのセクシーさで魅了。そしてバラード『No More Distance』では粛々とした静かな空気を一瞬で作り上げる。カッコよさ、可愛さ、クール、熱さとガールズグループに必要不可欠な要素の全てを織り交ぜていくステージに、つい身を乗り出してしまう。 個々の魅力も素晴らしい。 多くの楽曲でメインボーカルを務める伊藤萌々香は艶のある声でフェアリーズのクールさを表現。中盤、アコースティックなアレンジになった『Wild Baby』では普段聞かせない繊細な歌声を響かせ、ボーカリストとしての成長を見せていた。伊藤を柔とするなら、野元空はさしずめ剛だ。圧を感じさせる歌声と、タメ、キレ共に美しいダンスはフェアリーズの推進力となっている。しかし『光の果てに』での見せる笑顔はただ力強いだけでない、彼女の愛らしさが滲む。 年少組3人もそれぞれに磨きがかかってきた。藤田みりあは、MCで引っ張っていくなど過去の甘えん坊気質は成りを潜めた。ソロダンスステージでの扇情的な動きと共に、身体的、精神的に堅実な一歩を踏み続けている。林田真尋は『HERO』のカチリとしたダンスの合間にも、隙あらばフロアへ近づきコミュニケート、ファンとの距離をグイグイ詰めていく。小悪魔キャラゆえに、人の心を掴むのはお手の物といったところか。下村実生は佇まいだけで、ステージに映える。長い手足から繰り出される繊細な動き、対照的に力が強い高音ボイスが楽曲に華を添えていく。Mスリーでの経験を通じて、芯の強さを得た部分が大きいだろう。 そして、最年長・井上理香子はなめらかなダンスと歌でステージを支えれば、おっとりとした空気を漂わせフェアリーズの柔和な部分を1人担う。 六者六様の輝きがフェアリーズの面白さを十二分に引き出していると言える。整然とした舞台ながら個々に目を向けると、それぞれが違う光を放ちながら一つのモノを作り上げているのが実に面白い。 ハイレベルゆえ超優等生集団の印象を持たれてしまいがちだが、合間に飛び出る無邪気な姿もフェアリーズの魅力を語る上では外せない。 まるで放課後の教室で繰り広げられるガールズトークのように賑やかなMCでホッコリさせれば、本編ラストナンバーになった『Love Me, Love You More』では、今までカッチリと作られてきた世界観を一気に崩すかのように、後半はアドリブ合戦へとなだれ込む。自由気ままに踊ってはお互いの姿をみて笑いあうメンバーたち。緩急自在のステージワークで魅了する彼女たちとは程遠い、素の表情が炸裂する。こうした実に10代の少女らしい、にこやかな光景が計算外の所で行われるからこそ、ただの超然たる存在たらしめないで共感を呼ぶのだろう。 そして何より、彼女たちの最大の武器は「巻き込む力」にある。 アンコール1曲目に披露した『Run With U』。キャッチーな振付が魅力的な今曲で、メンバーたちはしきりに最前列に来ては全力で煽り、共にダンスを踊り盛り上げる。彼女たちに煽られるようにフロアにいる10、20代のファンはもちろん、ファミリー席に座った子供もパパもママも一緒になり、盛り上がる。フロアとステージが最高の笑顔に包まれるというまさに究極の多幸感を生み出した。こんな光景、そうそう他で見られるものではない。 過去、伊藤萌々香はインタビューで「いろんな世代の方から愛される存在でいたい」と語ったことがある。まさに、その言葉を今のフェアリーズは体現している。国民的グループと言われる人たちは、老若男女に愛されてきた。フェアリーズもその次元に到達しようとしているのかもしれない。 ライヴで面白いものを見たいという方は、今のフェアリーズをぜひ見るべき。ここには華麗で、楽しい6人の妖精たちによる最高のステージが待っている。是非とも一度足を運び、この凄さ、楽しさを体感してみてはいかがだろう。(田口俊輔) ・フェアリーズ楽曲聞くならドワンゴジェイピーで!