メーガン・トレイナー初全米ツアーで圧巻のライヴ披露
弱冠21歳のメーガン・トレイナーのデビュー曲『オール・アバウト・ザット・ベース』。 2014年に全米シングル・チャートで8週連続1位を獲得する大ヒット曲となっただけでなく、カーヴィーで健康的な彼女が放った「私はこのおっきなおシリが魅力なの!」というメッセージによって、「モデルみたいに痩せているよりもおシリが大きい方がクール」という、従来のアメリカのファッションとカルチャーに対抗する斬新なトレンドを生み出すほどの影響力を持っていた。 続くセカンド・シングル『リップス・アー・ムーヴィン』では、過去数年ソングライターとしてハンター・へイズを始め数々のスターに曲を提供してきた実力を改めて証明し、満を持して今年1月に発表されたアルバム『タイトル』は、全米と全英で1位に輝いた。さらにグラミー賞でも主要2部門でのノミネートをされる等、今やメーガンは世界的な大スターだ。 そのメーガンの初ロサンゼルス公演。21日、22日と2日間の公演が完売になった会場には、小さな子供から年配の男女まで、驚くほど幅広い層のファンが詰めかけていた。「ガール・パワー」を打ち出した曲が多いだけにメーガンと同世代の女の子達が大半かと思いきや、男性ファンもかなりいる。通常のポップ・コンサートでは見かけない年配のファンは、ドゥーワップを取り入れたメーガンの音楽性に惹かれているのだろう。 イントロの音楽に合わせてステージ後方に掲げられたLEDスクリーンがカラフルに点滅し、メーガンとバンド、そして4名の女性バック・ヴォーカリスト/ダンサー達が登場した。 オープニング曲は、『ディア・フューチャー・ハズバンド』。芯の通った力強い歌声が、場内に響き渡る。CDやラジオで聞いていた声の何倍も強力で豊かで、ソウルフルな声だ。そしてメーガンは、そんな圧倒的な声で観客を唸らせるだけではなく、ステージを右に左に動き回りながらダンスをして、客席に手を伸ばし、“カモン!”といって皆を盛り上げる。そのパーティのような楽しい空間に一気に引込まれた。 数曲踊りながら盛り上げる曲を続けた後は、引きもタイミングよく入れて、『タイトル』でシルバーのウクレレを奏でながら、アコースティック・ギターに合わせて素敵な歌声を響かせた。この夜、何度もファンから“愛してる!”と叫ばれて、その度に“私も愛してるわよ!”と返事を返していたメーガンだが、『アイム・ゴナ・ラヴ・ユー・ライク・アイ・ルーズ・ユー』では、“この曲はメガトロンズ(彼女はファンのことを「メガトロン」と呼んでいる)に捧げる曲よ。私はあなた達のことが大好きなの、好きすぎて怖いぐらい”と、胸に響く言葉を投げかける。 歌い上げた後でメーガンはハートマークを手で作ってみせて、「メガトロンズ、愛してる」とも。ファンにとってはたまらない瞬間の連続だ。 『マイ・セルフィッシュ・ハート』では、“次の曲は元カレの曲で、私って別れるのがすっごく下手だから、この曲書いてメールしちゃったの”、と友達に打ち明けるような気さくさで裏話を語ってから、楽曲を披露。その後は、“私の新曲『リップス・アー・ムーヴィン』を知ってる?”と声をかけて大歓声があがったところで、「用意はいい?」と2回繰り返して観客の興奮をピークまで上げ、キュートで軽快なダンスをしながら全米で現在大ヒット中の新曲を熱唱。そして『オール・アバウト・ザット・ベース』でも大合唱を巻き起こした。 何もかもが上手い。歌も上手すぎる上に、このエンターテイナーぶりが、全く新人とは思えない。まるで何十年もステージに立っていたかのような鮮やかさだった。4月の初来日公演でも、この驚異的な歌唱力とキュートなダンス、そして愛さずにはいられないキャラクターを駆使して、ファンの心を鷲掴みにしてくれそうだ。(TEXT:鈴木美穂)<写真提供:Getty Images>