試練の西武ドームで乃木坂46がみせた「個々の覚醒」
2012 年2月22日にシングル『ぐるぐるカーテン』でCDデビューを飾ってから、乃木坂46の旅路もついに3年の月日を迎えた。 この3周年を祝うべく2015 年 2 月 22 日の「3rd YEAR BIRTHDAY LIVE」は過去最大級となる西武ドームでの開催。しかもバースデイライヴ恒例となる、全曲披露。時間にして約7時間半との公式アナウンスだ。 西武ドームと言えば、AKB48が2011年夏に開催した「よっしゃぁ~行くぞぉ~!in 西武ドーム」公演のことを思い出す。あの日の壮絶さは「Documentary of AKB48 Show must go on」に記録されている通り。鬼門とすら言えるこの会場、真冬の寒さがメンバーを襲う。しかも乃木坂46メンバーたちにとって初のドームライヴ。各々目の前に控えたライヴについて、ブログに不安や様々な気持ちを記した。しかし、蓋を開けてみれば、乃木坂46最大級の会場で彼女たちは、3年という時の中ではぐくみ、育ててきた姿勢を見せつけた1日になった。 まず各々の楽曲でセンターを務めたメンバーたちの成長が伺えた。生駒里奈は昨年から始まったAKB48との兼任で培った、舞台根性の強さが表れた印象だ。特に前半を飾る『ぐるぐるカーテン』から『君の名は希望』では、煽りからダンス、歌の全てでこの日の空気を一気に作り上げていった。 今や女性人気も高く、同世代女子の憧れの存在となった白石麻衣は全編に渡り華々しさを振りまいた。パフォーマンス時の真っ直ぐな視線、ふと合間に見せる笑顔、彼女がステージにいるだけで輝きが何倍も増す印象だ。約1年ぶりとなった高山一実とのユニットWHITE HIGH『渋谷ブルース』で聞かせるハーモニーも見事。 生田絵梨花は、まさに音楽の申し子とも言うべき堂々たる所作を見せていく。『ダンケシェーン』でハジけた明るさを振りまけば、『あなたのために弾きたい』でピアノ弾き語りを披露。その堂々たる完成度の高さはもはやアーティストと呼ぶにふさわしいほど。優等生さが光る一方、幕間では松村沙友里とのユニット・からあげ姉妹『食物連鎖』でコミカルな一面もみせ、生田絵梨花という存在の懐の広さを見せつけた。 そして西野七瀬。自己主張が苦手で、引っ込み思案な彼女はもういない。『他の星から』での溢れんばかりの笑顔、『気づいたら片想い』での切なさあふれる声、ソロ曲『ひとりよがり』でのエモーショナルさと、西野は自己表現の発露をこの日、思いの限り爆発させた。彼女もまた、乃木坂46をけん引する存在として確実に1歩前へ進んだのだ、という強い想いを抱いた。 センターメンバーはもちろんのこと、選抜メンバーの所作も素晴らしく、橋本奈々未はしなやかな動きで曲を彩り、高山一実はどの場面でも世界に寄り添う歌とダンスを披露、名バイプレイヤーぶりを発揮した。深川麻衣は粛々とした佇まいで乃木坂46というグループを清らかな存在にする。桜井玲香、若月佑美、衛藤美彩の3人は昨年、本格的な舞台女優としての活動を経験したことで、所作の一つ一つから情感がにじみ出る。特に『誰かは味方』ではその3人の女優性が炸裂していた。齋藤飛鳥、星野みなみ、堀未央奈によるJKトリオ。今グループで最も勢いに乗る齋藤は、その勢いそのままに、出演する曲毎にオーラを放つ。星野みなみは反抗期を経て、ようやく大輪の華を咲かせつつあり、堀も『バレッタ』での堂々たる姿を見るに、まだまだ伸びシロを感じさせる。この3人が完全覚醒した時、乃木坂に新たな息吹を呼び込むときなのかもしれない。 もう一人忘れてならない、兼任メンバー・松井玲奈。秋元真夏をして「プロ意識の持ち主」と言わしめ、乃木坂成長を担ってきた彼女は後半戦『夏のFree&Easy』からの参加と短い時間ながら、キレある踊りで場内の空気を一気に掴む。極寒の会場にて彼女だけが、Tシャツ一枚になり全力で駆け回る姿はきっとメンバーたちにとって新たな刺激になったことだろう。 そして昨年、乃木坂にとって最も大きなターニングポイントになった出来事、アンダーライヴの開催だろう。この経験を積み重ねたことで、アンダー=陰日向に咲く華たちの時代に終わりを告げ、完全な個性の百花繚乱状態を生み出した。 アンダー楽曲の多くでセンターを飾る伊藤万理華は、昨年アンダーライヴで完全覚醒を果たし、ある意味彼女の躍動なくして乃木坂のライヴパフォーマンスの凄味は生まれないと思えるほどの存在感を随所で見せた。『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』での井上小百合、『13日の金曜日』での斉藤優里は華やかさでは決して選抜にもひけをとらず、中田花奈、川村真洋、永島聖羅は安定した振る舞いで引き締める。そして要所で輝く能條愛未、中元日芽香の強力なキャラがグループを底上げしていく。 さらに、この日を持ってアンダーメンバーへと昇格した研究生たちも、これからの活躍に大いに期待できそうだ。何よりこの日の7時間半にも渡る長時間ライヴでも彼女たち1人1人が集中力を切らさずに走り抜けた。そこにこそ、本当の成長が表れていたのかもしれない。 この試練の大舞台を、成長した姿を見せきり終えたことはこれからの彼女たちの大きな財産になっただろう。この日、生田はMCで「止まることなく、昇りつづけていきたい」と強く語った。4年目を迎えた乃木坂はさらなる頂点を目指して、これからも煌めきを放ってくれるはずだ。(ライブレポ/田口俊輔) 【乃木坂46その他の写真記事はクリック】☆【乃木坂ファンクリック!】ここだけオリジナルボイス!楽曲も!