星野源 まさかのハプニングで湧いた横アリ公演独占放送
1日目を弾き語り、2日目をバンドセッションという異なる内容で繰り広げた星野源、初の横浜アリーナ公演「ツービート」。 シンガーソングライターとして、曲作りの原点とも言える“弾き語り”のみで20曲以上もの曲を歌い切った1日目を終えて、翌日のバンドDayは予想をはるかに上回る豪華なサウンドが用意されていた。 ギター、ベース、ドラムに加えて、グランドピアノにキーボード、さらに9人のストリングスと4人のホーン隊という、まるでオーケストラさながらの贅沢なメンバーが星野源の名曲を彩ったのだ。 ミニスカサンタに両脇からエスコートされて、細身のスーツを着た星野源が登場すると、まずはストリングスを迎えた演奏で『ギャグ』からライブはスタートした。 アコースティックギターを弾きながら歌う星野の表情も楽しげ。にぎやかな音が弾んだ『化物』では、クラップで客席を盛り上げていくと、ここからプレイヤーを次々と入れ替わっていく。『ステップ』では、無骨でザラリとしたロックサウンドを聴かせる。次々に変化する華やかなオープニングに、イス席のある会場にも関わらず、お客さんはオールスタンディングで湧いた。 ここでまさかのアクシデント。「出て来た瞬間にめっちゃうんこしたくなって……。ここ横浜アリーナだけど行ってもいい?」と星野が断ると、ライブが一時中断したのだ。 突然の主役不在をサポートメンバーたちが即興のセッションで繋ぐ。そんな一幕も星野っぽくて、この状況をお客さんも楽しんでるよう。戻ってきた星野は、「鬼のように出た(笑)。こっからしっとりとした曲なのに申し訳ないね」。それでも名曲『くせのうた』が始まると、一気にその優しい歌が会場全体に沁み渡っていった。 フルートの音色が懐かしい気持ちにさせる『くだらないの中に』は、《人は笑うように生きる》という印象的なフレーズで終わる歌だが、そんなさりげない言い方が、星野の朴訥とした声にはよく似合っていた。 セグウェイに乗って、会場の中央に設置したセカンドステージに移動すると、星野がギター1本で歌う弾き語りコーナー。おもむろに客席に問いかけて繋いだのは『スカート』だった。しんと静まり返った会場に響く口笛がとてもきれい。曲の間にはお客さんと気軽に声をかけ合って遠慮のないコミュニケーションをとっていく。これもまた星野源のライブの魅力のひとつだ。 星野を含む総勢19人のプレイヤーたちが一堂にそろったのは、終盤『レコードノイズ』からだった。ミラーボールが放つたくさんの光のなか、浮遊感のある音が会場に広がる。これには星野もまたフッと目を閉じて、その音に身を委ねているようだった。弾き語りのときには見られない表情だ。 そして、豊かな演奏で聴かせた『ワークソング』や『地獄でなぜ悪い』のあと、最後のMC。「“ひとつになろうぜ!”とか憧れるけど、そんなかっこいいことは言いません。みんなひとりだから。みんなひとりなのに、こんなふうに集まってるからすごいんだよ。踊ってください」。そう言って歌い出した『夢の外へ』でお客さんは思い思い身体を動かすと、ラストは天井に星空を映し出した『桜の森』で、美しく幕を閉じた。 そして、どこまでもサービス精神旺盛な星野はアンコールにも仕掛けを準備していた。ロン毛のかつらにサングラスを着用した“にせあきら”に扮して歌ったのは、布施明のカバーで『君は薔薇より美しい』だった。 ビブラートを効かせて、軽やかにステップ。メンバー紹介の流れでドラムロールと対決して、ダンスを披露したり、アナと雪の女王の「ありのままで~」を歌ったり。ライブの終盤とは思えない元気なパフォーマンスも見せる。 そして本当のラストとなった最新シングル『Crazy Crazy』では、ギラギラの電飾を背に受けて、ハンドマイクでステージを行き来しながら、「ありがとう!ありがとう!」と繰り返した星野。演奏の終わりと同時に、床にバタンと倒れ込む完全燃焼のライブだった。 2月に病気療養からの完全復活となる日本武道館ライブにはじまった星野源の2014年は、こうして過去最大のライブを成功させるという、最高のかたちで締めくくった。 この12月17日に横浜アリーナで行なわれた「星野源 横浜アリーナ2Days「ツービート」」の「バンドDay」の模様は、1月18日(日)午後 5:30からWOWOW独占放送される。