バロック、2014年最終ライブで見せつけた来年の飛躍
11月3日、東京・恵比寿LIQUIDROOMにてBAROQUE(バロック)が2014年最後のワンマンライブを行なった。 暗転した場内、ステージにBAROQUEが登場。SEにかぶせるように圭(G)とサポートメンバーのTOKIE(B)、かどしゅんたろう(Ds)、辺見“Emiri”直義(Manipulator)が静かにインプロビゼーションを奏で、その流れから1曲目の『湿度』へ突入すると、リズムに合わせてさっきまで真っ白い壁がむき出しになっていた舞台後方には、プロジェクターが次々と深紅の花を映し出す。 ダブパートでは音響の響きと同時に画面が波打ち、怜(Vo)が生命力溢れるエモーショナルな声を放つ。前回の全国ツアー()からバンドが試みているプロジェクターを導入したステージングは、さらにブラッシュアップ。視覚的にもオーディエンスを刺激し、オープニングから観客をあっという間にBAROQUEのライブ空間へと引き込んでいく。 前回のツアーで初披露したエネルギッシュなロックチューン『black bane』は『メロウホロウ』とつないだことで化学反応を起こし、さらにパワーが増幅。『魔女と林檎』はそのエネルギーすべてを圭のギターサウンドで豪快に全開放するようなダイナミズムが宿り、ポップチューンとしてのメロディックな側面もよりヴィヴィッドにきらめいていった。 こうして、映像などをフィーチャーしたアートフルな表現が増えれば増えるほどサウンドもそっちに寄っていくのかと思いきや、意外にもバンドとしてはいままで以上により外側に向かって生命力を放つオーガニックなプレイが色濃くなっていったBAROQUE。これこそが、バンドが怜(Vo)と圭(G) の新体制になって以降、ライブを活動の中心に置き、2014年は<SYMMETRIA>、<de novo>という2本の全国ツアーを開催するなかで試行錯誤を繰り返してきた彼らが見つけた新しいBAROQUEの形。それを確信したのが、この日中盤で初披露した「新曲」の存在。 この後に続けてパフォーマンスしたこれまでのBAROQUEのディープな世界観を象徴してきた『exit』、『ヒトのイロ』といった楽曲のムードを醸し出しながらも、新曲にはこれらのような心象風景の内側に潜っていくような密閉感はない。曲の組み立て、アンサンブルなど、既存のフォーマットを自由気ままに越えていく生命力で、いままで見たことも聴いたこともないような未来の扉をどんどん開いていくスピーディーな展開で、オーディエンスを翻弄。演奏が終わると、フロアからはたちまち”わぁ〜“という感嘆の声が上がるほど観客たちは見事にその音に共鳴。 それほど、新曲の音楽性はヒューマンな感情に直結していたということだろう。そんなオーディエンスに向けて『何千何万何億の君への想い』を愛おしそうに届けたあとは『ザザ降り雨』を投下。本編ラストまで熱量を拡大していった。 アンコールでは『Cherry King』、『あなくろフィルム』という久々のナンバーを1ギターアレンジでファンにプレゼントした彼ら。「今年はBAROQUEで一番ライブをやったんじゃないかな。この体制になって手探りで活動してきたけど、いい感じの曲ができたので期待してて。前は人にこう聴いて欲しいとか、これを伝えたいとか傲慢だったけど(笑)。でも、いまはバンドやり出した頃の意識を取り戻したからさ。お互いの意識を合わせるだけで、さっきみたいに音楽を楽しめると思うんで。僕らにしかできない作品になると思うから、来年覚悟してて下さい」(圭) 「いま、すごくいい状態なんだよ。曲に対しても、みんなに対しても、透き通ってるの。すごく純粋で濁りがない状態でここに立ててるから、歌ってて本当に気持ちいいんだ。この2年、俺らいろいろあったけど、それがすべて糧になってるなっていまは思えるから。みんな、本当に期待しといて」(怜) そう話したあと、最後の『メメント』を演奏する前、怜がこのタイトルは「“思い出の種”という意味」で、それは「この曲を聴いたときに親から子供へとか、次の世代の人に未来を託すイメージがわいたから」と制作エピソードを付け加え「大切な曲を届けて終わりにします」と『メメント』を披露し、ステージは幕を閉じた。 アートフルなセンスが効いたエッジーな感性と、エネルギッシュな生命力に導かれるように外に向かって放たれていくサウンド。今後の彼らの可能性の扉を開けた先にあるニューワールドを肌で感じられた今回のライブ。年内はイベントへの出演はあるが、残念ながらワンマンライブはこれで終了というBAROQUE。来年届くであろう新作のインフォメーションを、2人の言葉どおり期待して待ってて欲しい。 【クリック】・バロックの楽曲聴くなら!