東京女子流 実験的LIVEは驚きの展開に
東京女子流の赤坂BLITZ5か月連続定期公演が、11月9日(日)で最終日を迎えた。 昼公演「TGS Discography」と銘打たれた、過去から現在につながる楽曲披露ライヴの最終日は「通番外楽曲特集」。彼女たちの世界観を構築するメインサウンドプロデューサー・松井寛氏によりアレンジされた各楽曲には「TGS-○○」とナンバーが振られており、この日は氏が女子流のためにアレンジした楽曲以外のセットとなった。普段のライヴでも中々披露されない楽曲ばかりが並んだこともありレアな時間となった。 暗転と同時に華やかなイントロが流れる。新井ひとみが一人ステージに表れソロ曲『ワンダフル スマイル』でこの日の幕が上がった。普段の女子流のクールさとは真逆の、愛らしくキャッチィな歌で場内をホンワカした空気に変えていく。新井のお呼び込みで全員が厳かに登場。 MCでメンバー自身が「何が来るかワクワクする」と語るように普段の女子流とは全く違う展開に、ファンたちも1曲1曲紹介されるたびに大歓声が沸いた。続くは『We Will Win-ココロのバトンでポ・ポンのポーン☆-』。中江友梨が「何年ぶり?2年ぶり?」語るように本人たちですら時系列が曖昧なほど久々の披露。当時の愛らしさとはまた違った成長した中の愛いらしさを余すことなく発揮。しかし庄司芽生は「高校生になってからの披露は恥ずかしい」とボソリ。一方で続く『LIFE SIZE』は、近年の女子流の流れを汲むハンサムでダンサンブルな楽曲。着々と成長していく彼女たちと共に、楽曲と世界観もアップデートし続けているという姿を、たった8分という短い時間で感じさせていく。 今年初頭以来となるMaltine Recorodsとのコラボソロ曲も披露され、更なる成長を感じさせた。新井による『マジ勉NOW!』の新井のファニーな声がディスコティークな音に映える。「だっちゃ!」のコール&レスポンスもしっかり決まり大いに盛り上がる。『Spica』で小西彩乃は声の押し引きだけで空気感を作り上げる。ソロ企画「小西の音楽祭」で培った経験が早くも生かされているようだ。山邊『Umbrella』は複雑なダンスサウンド上を彼女の母音強めのウェットな声が絡む。手足の長さが活かされたダンスと共に蠱惑的な印象を与えた。同じダンサンブルなサウンドでも完全に陽のイメージを振りまいた庄司『Kawaii Rave』は右へ左へとフロアを煽り、狂騒へと導く。中江『Day By Day』はフワリとした印象を与えるアーバンなサウンドと中江の小悪魔的魅力が合わさり、形容不可な少女性を展開。女性ファンからの熱烈な声が飛び交った。 東京女子流関連ニュース写真はクリック☆東京女子流ラインナップ!クリック! この公演で最大のトピックとなったのは山邊初の本格的ソロ曲『Share Hearts』披露の瞬間だった。彼女が4年間女子流で学んだ経験の集大成ともいうべき、硬軟合わせた歌声を真摯に届けていく。自身を過小評価していた時期を経て、堂々たる振る舞いを見せる姿は感慨深い。時折、嬉しさ、恥ずかしさが入り混じったようなはにかみを見せたことが彼女の気持ちの表れだろう。歌い終えた彼女へ、この日一番の拍手と喝采が降り注いだ。 彼女たちの成長の証となった4thツアーで初披露となった『Paint It Black』は披露から半年強ではあるものの、また一歩又歩みを進めた、甘さと辛さを使い分けるボーカリゼーションは圧巻。 この日ラストは新井ひとみによるソロ曲『Come On Honey!』。『マジ勉NOW!」同様、気鋭のトラックメイカー・tofubeatsによるポップチューン。場内は最後まで一斉に飛び跳ね、手を打ち鳴らし続けた。近頃、緊張感あふれるライヴを展開していたからこそ、この日は女子流メンバーにとっても思い出の振り返りと共に、自身の成長を確認できたという大きなアクセントになったはずだ。このまま、また時を置いて披露できないのはもったいない。いずれ、またこれらの楽曲を披露してくれる日がくることを期待したい。(ライブレポ/田口俊輔)