タワレコ×FM802イベントにMWAM、Dragon Ash、テナーらが熱狂
11月3日(月・祝)、タワーレコードの日本上陸35周年、そして今年開局25周年を迎えるFM802との共催によるライヴ・イベント「TOWER RECORDS 35th & FM802 25th Anniversary Special Live FACE THE MUSIC! 2014」が神戸ワールド記念ホールで開催。 各バンドのステージでもその感慨が語られていたが、日本のロック・シーンにおいて確固たる地位を築いている 同世代の面々が一堂に会すというありそうでなかったラインナップ、さらに新進気鋭の若手も参戦し、各々が圧巻のパフォーマンスを披露した。そんな当日の模様をお届けする。 オープニングは神戸出身の4人組、KNOCK OUT MONKEYが登場。MCではメンバーが「初めましての人もたくさんいらっしゃると思いますが……」と言っていたものの、並み居る先輩バンドを前に、さすが地元っ子!という威勢の良さを見せてくれた。 冒頭のベース・ソロからもうカッコイイ(途中のタッピングにも目が離せなかった!)、間もなくリリースされるニュー・シングル『How long?』、ヴォーカルのw-shunがマイク一本でステージ狭しと動いて観客を煽りまくった『Scream & Shout』を序盤のピークに、曲展開もユニークな代表曲『Paint it Out!!!!』では途中のアイランド・ポップ風パートでサビメロを合唱するオーディエンスの声が聴こえてきたり、ラストのダンスホール・テイストな『Wonderful Life』では観客がタオルをブンブン回す光景も。 ロック・バンドのライヴに適さない表現かもしれないけれど、これもホームたる所以か、とてもアットホームな雰囲気に包まれていたのが印象的だ。お初の人も含め、集まった人々の心にしっかりと爪痕を残すパフォーマンスだったはず。 JESSEのソロ・プロジェクトからPay money To my Painのメンバーらも擁するバンドとして再出発を果たし、さらなる進化を遂げたThe BONEZ。 今回は、12月からスタートするツアーにて会場限定でリリースされる新作からの楽曲も披露され、彼らの新たな魅力に触れられるステージとなった。 繊細さと大胆さを併せ持つギター・サウンドが新味の『Place of Fire』、ヘヴィーなボトムがお腹に響くサイケな『GIMCRACK』と対照的な2曲を冒頭から立て続け、さっそくこのバンドの懐深さを見せつける。 さらに、スティーヴィー・ワンダー『I Just Called To Say I Love You』とキンクス『All Day And All Of The Night』をメロコア風味にマッシュアップしたような『All day I just…』では、耳覚えのあるメロディーだからか客席から手拍子が起こったりと、新味なナンバーでの反応も良い感じだ。 また、JESSEが阪神大震災から21年が経過したことに際しての思いを語り、「生きてる人たちに届けます」という言葉と共にグッと胸に迫るミディアム『Sun forever』を歌い上げると、終盤は怒涛のハードコア攻勢。フロアにサークルピットがいくつも生まれ、気付けばみんな汗だくに。The BONEZの今後の展開にも期待が高まる好セットに痺れた。 多彩なリズム・ワーク/サウンド・プロダクションで、曲ごとにさまざまな景色を見せてくれるストレイテナー。『Melodic Storm』で柔らかに幕を開けたこの日のステージはほぼMCなしで、そんな彼らの強みであるカラフルなナンバーでたっぷり楽しませてもらった。 序盤には、オープニングのギター・リフでどっと歓声が上がった『KILLER TUNE』や『The World Record』などのダンス曲が繰り出され、日向秀和の華麗なベース・プレイにすっかり目を奪われてしまったりも(このバンドにおける彼の存在がやはり大きい)。 一方で、ホリエアツシが 鍵盤に向かう姿も凛々しい『SIX DAY WONDER』、リリースされたばかりの新作『Behind The Scene』からの『冬の太陽』といったいまの季節にぴったりな温かいナンバーで会場の空気をほっこりさせつつ、後半に向かってふたたびギアを上げていく。 待ってましたとばかりにオーディエンスが沸いたお馴染みの『シンデレラソング』、そして4つ打ち&ファンキーなベースラインで踊らせる 『DISCOGRAPHY』などを畳み掛けた終盤の展開には、やはり何とも言えない昂揚感が……。淡々としているようで実に抑揚に富んだ、彼らのライヴ巧者ぶりが窺えるステージだった。 そして次に登場したのはご存知、MAN WITH A MISSION。スリリングでパッショネイト、血湧き肉躍るとはこれいかに、という一貫して押しの強いパフォーマンスで全7曲を怒涛の如く駆け抜けた。 1曲目の『evils fall』から前方に陣取ったダイヴァーたちが勢い良くフロアを転がり、イントロのギターがカッコ良すぎる“distance”ではいっそうヒートアップ!「普段から神戸牛ばっかり食ってるお前らに負ける気はしないぜ」というJean-Ken Johnnyの気の利いた一言が火に油を注ぎ、『Wake Myself Again』などではDJ Santa MonicaやKamikaze Boyが フロアに降りて花道を勢い良く闊歩、ステージの特効もいっそう派手になって『Emotions』では炎も上がったり……と、オーディエンスを挑発&盛り上げる演出が満載だ。 さらにラストの『FLY AGAIN』では、みんなこれがやりたかったんでしょ!とばかりに会場中のオーディエンスが両手を高く掲げてワッショイ、ワッショイ! 彼らのワンマン公演ではないにもかかわらず、ここまでの一体感をもたらすMWAMの素敵な〈お約束〉――その気持ち良さを強烈に実感するライヴだった。 ACIDMANといえば、静と動を巧みに使い分けて壮大なサウンドスケープを描き、とりわ けスケールの大きな世界を見せてくれるバンドだが、今回は特に〈動〉の部分を前面に出したアグレッシヴなパフォーマンスでオーディエンスを完全に圧倒していた。 これ以外に選択肢なし!と断言できる完全体の3人が一丸となって繰り出すパワフルでドライヴィンな音はゾクゾクするような昂揚感をもたらし、大木伸夫の線の細めなヴォーカルも切っ先鋭く会場内に轟く。続く『Stay in my hand』や『新世界』でもその勢いを止めることなくMAXのテンションで突っ走る――もしかしてこのまま最後までやりきるのか?と思ったが、やはりそこはACIDMAN。 「ロック・バラードをやってもいいですか?」と新曲『世界が終わる夜』をラストに持ってくるという<らしい>展開だ。深くエモーショナルな演奏、この曲に込めた思いをしっかり伝えようという真摯な気持ちが滲む丁寧な歌い口に、彼らの真骨頂を見た。 <FACE THE MUSIC! 2014>のラストを華麗に飾ったのは、もちろんDragon Ash。Kjの甘く優しい歌声が沁みる名曲『陽はまたのぼりくりかえす』で、初っ端からうっとりさせられたのも束の間、BOTSのターンテーブル捌きにアガる『Trigger』や『Blow Your Mind』、日本屈指のエンターテイナー・ベーシストだと思うKenKenの強烈なチョッパーが会場を沸かせた『The Live』など、ヴェテランらしい余裕やスキルフルな遊び心に溢れたナンバーが次々と飛び出す。 また、『Fantasista』ではMAN WITH A MISSIONのTokyo TanakaとACIDMANの浦山一悟が 第3、第4のダンサーとして(?)ステージに乱入! 同世代のバンドが揃ったこのイヴェントならではの嬉しいハプニングに、この日いちばんの歓声が上がった。 それらハイライトだらけなセットのなかでも何より印象的だったのは、オーディエンスを時に激しく煽りながらも、みんなの心を熱くする温かい言葉を投げ かけていたKjの姿だ。「慈愛に満ちた」という表現が相応しい、すべてを包み込むような彼の表情やパフォーマンスには、この日集まったバンドや観客の気持ちをひとつにする強烈な磁場が宿っているように思えた。「カリスマ」なんて言葉は安易に使うものではないが、これこそまさに――そんなことを思いながら迎えたアンコールの『Curtain Call』まで、7人による貫禄のステージングに魅了されたあっという間の1時間。このうえない幸福感に満たされた、最高のクロージングとなった。