東京女子流が魅せつけた表現者としての進化
東京女子流が7月から行なっている赤坂BLITZでの5か月連続公演。 これまでのアルバムの楽曲を全曲パフォーマンスするステージを行う「TGS Discography」と、映像・パフォーマンスを絡めた「HARDBOILED NIGHT」という昼夜2公演に挑戦。これまでの女子流の楽曲が進化した形、そして新たな挑戦に挑むステージだ。 9月13日(土)、3回目のこの日、昼公演で演じるは3rd『約束』。1st『鼓動の秘密』が少女の神秘性、2nd『Limited addiction』が少女と大人の境界線の狭間、という部分を浮き彫りにする作品だとすれば『約束』は大人への変貌と呼べるほど、ヘヴィなタイトルとなっている。発売から約1年半経った今、重厚な世界観をどのように女子流は描き出すのだろう。 『intro』が鳴り響く中、アルバムジャケットの衣装を身にまとった5人が現れ『Bad Flower』が始まる。女子流にとって“黒”というイメージを大胆に取り入れたハードなダンスナンバー。まだあどけなさが残っていたリリース当時とは違い、激しさもモノにできた姿を見せる。小西彩乃の痺れるような低音と中江友梨の高音のハーモニクスのアンサンブルが美しい。緩急自在のダンスも美しい曲線を描いていく。続く『追憶 -Single Version-』は完全なる静。真逆の世界感へ一瞬にして導く手腕はさすがの一言。 山邊未夢は「女子流にも明るい曲が数曲あるんです!」という自嘲気味な言葉と共にスタートした『それでいいじゃん』『大切な言葉』もただ甘いだけでなくビターな余韻を残すのは、歌詞の世界感をしっかりと表現させているからだ。1年半ぶりに着た衣装がちゃんと入り体型が変わっていないことにホッとする姿とは裏腹に、着実かつ確実にその技量は発売当時より明らかに増している。 ・東京女子流BBQと大運動会で交流!メンバー手書きしおりも・東京女子流がまさかのアメリカ初上陸・東京女子流がキツネのオバケに大パニック 技量という面において中盤『月とサヨウナラ』でピークを迎える。大人めいたミステリアスな楽曲は、初披露の武道館公演で見せたあまりの「大人ぶり」に、ファンを戸惑わせた。2年経ち、過去からは想像できないぐらいに「艶」を感じさせる5人。決して背伸びでなく、この歌が違和感なくはまる、ということは女子流にとっての成長がただの年齢的・身体的成長に加えて、技術的な面での表現者としての成長が確かにあったことを感じさせる。 各々のボーカリゼーションは目覚ましい発展を見せた。新井、小西、中江による中軸はさらなるもとより、山邊がみせた『幻』での芯の太さを感じさせる声、『LolitA☆Strawberry in summer』の庄司芽生が披露した堂々たる歌は、グルーヴ感と共に彼女たちのステージに厚みをもたらす。 ラスト『約束』は、レコーディング当時の女子流に宛てて作られたという楽曲。今の彼女たちとシンクロするように意志の強さを感じさせる曲となった。年を重ね、レベルが上がることで、楽曲の持つ意味合いも変わるという、表現者としての美しい姿を映しだし、ステージを後にした。 アンコールに応え登場し、最後は『ヒマワリと星屑 -English Version-』。小西彩乃が凄味を見せる。ここ数年、声の悩みを抱えていた彼女によるブリッジ部分の高らかに伸びる歌声は、ここまでの苦悩を一気に吹き飛ばす力に溢れていた。来年、再来年と、歳月を重ねる度に深まる女子流の姿で再び見たい、そう思わせる一日になった。 ☆東京女子流ラインナップ!クリック!