石月努「黒ノ夜」で魅せたオーディエンスに対する問いかけ
2012年9月ソロアーティストとして再始動してから約1年半。驚異的なペースで作品をリリースしている石月努。 4月1日に2枚同時リリースした『WHITE DISC【白盤】』『BLACK DISC【黒盤】』もタイトルが示すように、2枚の作品が対になっているという意欲作だ。また本作品から再始動以降、石月をサポートしてきたメンバー3人が“石月努 with (K)NIGHtribe”という名で正式にサポートチーム(バンド)となった。 その石月努 with (K)NIGHtribe名義としての初ライヴが5月5日、6日の2日間、東京キネマ倶楽部にて行われた。1日目の5日が「白ノ夜」。2日目の6日が「黒ノ夜」と音源『白盤』、『黒盤』とリンクするというコンセプトとなっている。早速この“白”と“黒”の2daysライヴをレポートしよう。 【5月6日「黒ノ夜」】昨晩の「白ノ夜」と対になるような演出で『黒盤』に収録されているインストナンバー『BLACK CAT』の速いパッセージのシーケンスフレーズと4つ打ちのキックが高揚感を煽る。黒を基調としたスタイリングでステージに姿を現した4人。ここまでの演出は1日目の「白ノ夜」とテレコになっている。 オープニングナンバーは『黒盤』の1曲目でもあった『FACES』。ドラムスLEVINの真骨頂である、大きなタイム感のビートにギターの桜村とベースのSatoのエッジの効いたリフが絡み合う。さらに石月にねっとりとしたヴォーカルが重なる。また、ステージに用意されたストロボライトがステージの4人をほんの一瞬映し出しては、また暗転する。聴覚と視覚がグルグルに刺激され、オーディエンスはトランス状態となる。続く『GAME』では、幾分BPMが上がり、モニタースピーカーに足をかけた石月が挑発的に歌う。「黒ノ夜、真っ黒に染めよう!」という煽りと同時に『黒盤』に収録されている『FAME69』が始まる。イントロの重々しさから、一気に開けるサビ。ミドルのパートでは、ギターの桜村がエモーショナルなソロを聴かせるなど、コンパクトながらも、様々な表情を見せるこの曲。各パートに見せ所も多く、ライヴ映えのするチューンであることを強く感じた。石月は着ていた黒いジャケットを脱ぎ、額に滲んだ汗を拭った後、桜村が一呼吸おいてから『雨のち、君が咲く。』の妖しいギターリフを刻む。抑制されたメロディーに激しい求愛の言葉が絡むこの『雨のち、君が咲く。』。石月は言葉を噛み締める様に丁寧に歌う。 中盤、メランコリックな『Echo』、2013年8月にリリースされたアルバム『UNPROUD』に収録された希望の歌『ヒカリへ』『DROP』とミディアムテンポの“聴かせる”ナンバーが続く。そして8曲目に用意されたのは4人が織りなすグルーヴをたっぷり堪能できる『MY WAY』。石月が吐き捨てるように『This is My way』と歌うその様は文句なくカッコイイ。“暑い!”この日の石月のMCの第一声はこんな素の言葉だった。「昨日も来て頂いた方もいると思いますが、『黒ノ夜』の方がハードですね」。再び額の汗を拭いながら石月が笑う。 メンバー紹介を挟んでライヴ後半は『RUSTY EMOTION』からスタート。どこか郷愁をさそう、不思議な魅力をもったナンバー。前半の荒々しく、攻めのモードからシフトチェンジして、オーディエンスも石月の歌に聴き入っている。そして10曲目は昨晩のアンコールでもプレイされた『ADDICT』。昨晩は荒々しく且つ、エネルギッシュに感じたが、この日の『ADDICT』は昨晩よりもタイトな印象を受けた。筆者の勝手な思い込みもあるかもしれないが、セットリストによって同じ曲でも聞き手が受ける印象がまったく違うと実感する。あえて中盤に昨晩アンコールでプレイした『ADDICT』をもってきたのは策士石月努がセットリストによって、オーディエンスの反応の違いを試す実験だったのかもしれない(笑)。 そして『黒ノ夜』の宴もたけなわ。セットリストは屈指のハード・ドライブチューン『DANCE DANCE DANCE』に突入する。この曲の核となるLEVINが創造する攻撃的なビートに合わせて、左右に大きくステップを踏みながらプレイをするSatoのパフォーマンスが印象的だ。石月が朋友である桜村の肩に腕を回して「DANCE DANCE DANCE!!!」と共にシャウトする。この演出ではない“バンドが感”が微笑ましい。会場は一気にピークを迎える。 続く『Shang-Hi-Baby』『Re:BIRTH』と昨晩もプレイした石月努 with (K)NIGHtribeのスタンダードソングが続く。そして本編最後は1日目の『白ノ夜』と同様にライヴでの鉄板チューン『LOVELESS』だ。ステージ前方ギリギリまでせり出し「愛はきっと 隣の人にも感染していく」とオーディエンスに語りかけるように歌う石月。ステージに熱を残したまま、約1時間30分のステージを終え4人はステージを後にした。 そしてアンコールは『白盤』に収録されている『メロス』『SWEET PAIN』。『メロス』のイントロがプレイされるやいなや、ステージが白く明転し『黒ノ夜』と『白ノ夜』は融け合って1つの夜となった。鳴り止まない歓声に応えるかたちで、予定にないダブルアンコールは『365の奇跡』を披露し、この2daysのライヴは完成したのだった。 『白ノ夜』、『黒ノ夜』と題された2つの夜。ライヴを観るまでは完全に“黒”と“白”にセパレートしたステージになると予想していたが、2日目の「黒ノ夜」のアンコールで“白”く明転したステージで『白盤』収録の『メロス』がプレイされたように、石月にとっての“白”と“黒”の住み分けは、ライヴを組み立てていく過程でのきっかけであり、オーディエンスに対する問いかけだったようだ。その証拠となる石月の『白盤』『黒盤』リリース時のインタビューを最後に記しておこう。 「白か黒かなんて、見る立場によって変わるものですからね。今回、僕は白盤、黒盤と分けましたけれど、白盤に収録されている曲が本当に“白”で黒盤の曲が本当に“黒”なのかっていうところは聞いてくれる方に委ねたいなと思っているんです」。そう、石月努は黒と白だけの世界の住人ではなく、無限段階グラデーションの価値観の中で生きているアナログ人間なのだ。(TEXT/ぽっくん、写真/青木早霞(PROGRESS-M Co.,Ltd)) ☆石月努の楽曲を買うなら【人気記事ランキング】☆高橋みなみ事件について語る!指原肖像画お披露目も☆アプガ、アイドル初?中野サンプラザでバット折☆松井玲奈「プリンシパル」で役獲得!初日から波乱続出!※AKB総選挙大島優子の13万票はどこへ行く?□DIR EN GREY奇跡の武道館2DAYSを追体験!完全収録Blu-ray/DVD登場