元FANATIC ◇ CRISIS石月努ツアーファイナル赤坂BLITZで22曲
石月努ソロアーティストとして初のライヴツアーとなる「プテラノサウルスがやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!」のファイナル公演が11月10日赤坂BLITZにて行われた。 2005年のFANATIC ◇ CRISIS解散を最後に音楽活動から距離を置いていた石月努が2012年9月17日リリースのDVDシングル『365の奇跡』引っ提げてシーンに電撃復活。それから約1年余り。堰を切ったように彼はハイペースで作品を発表し続けてきた。その創造の泉から生まれた作品たちのリアルなアウトプットの場として「プテラノサウルスがやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ!」と題された待望の1st LIVE TOURが全国7箇所で行われた。そしてツアーファイナルとなる赤坂BLITZでは新曲を含め22曲を披露。この日のライヴはソロアーティストとして再び音楽の旅を歩んでゆくという彼の決意表明の場所となった。 会場が暗転すると同時に、時を刻む秒針の音に導かれ1stアルバムのタイトルチューンである『プテラノサウルス』からライヴは始まった。力強いバンドサウンドをバックに、これまでの自身の軌跡を今一度噛み締めてゆくように丁寧に言葉を紡いでいく石月。すでに会場の空気は完全に彼が掌握している。 続く『MY WAY』はハードなギターリフにねっとりとした石月のヴォーカルが絡むエモーショナルなナンバー。ドラムスのLEVINが生み出すビックビートに会場全体がグルーヴする。この曲は音源未収録の新曲ではあるがオーディエンスはこの最新チューンを十二分に楽しんでいるようだ。真紅のライティングと完全にシンクロする『RUSTY EMOTION』はどこか郷愁を誘う妖艶な作品。ボサノバ風の『最後の恋』、ファンキーで高速ギターカッティングから石月らしいポップなリフレンへと繋がるダンサブルなナンバー『I.S.』と前半から個性的な楽曲が続く。今年6月5日にリリースされた1stアルバム『プテラノサウルス』がそうであったように、今夜のセットリストも石月の音楽的な嗜好の幅広さを証明するような多彩な楽曲で構成されている。 この日のハイライトの一つがライヴ中盤に披露された穏やかなバラード『ありがとう。』だ。「あなたに 会えたこと どれだけ言っても足りない。ありがとう」。このシンプルな何気ない言葉の中に石月が再びステージに立つに至った想いが託されている。この曲のアウトロの部分でマイクを持った手をそっと胸に添えて、宙を見つめた彼の仕草が印象的だった。 後半は石月バンドのメンバー紹介を挟んでバンドのムードメーカーでもあるベースのSatoのコールで始まった『青ノ翼』。そして『SNIPER』『DANCE DANCE DANCE』『Shang-Hi-Baby』とたたみ掛けるように熱いナンバーが続く。石月の伸びやかなヴォーカルラインが心地よい『向日葵』でギアをシフトダウンした後、再出発の作品である2012年9月17日にDVDシングルとしてリリースされたミディアムポップチューン『365の奇跡』でステージは一旦幕を閉じた。アンコールは『オーロラ』『I BELIEVE』と新曲を2曲プレイした後「ラスト一発行くぜ! BLITZに愛を!」という石月の煽りでスーパーポジティブソング『LOVELESS』が始まる。そして石月の溢れるほどの“愛”に思いっきり応えたオーディエンスへの特別なご褒美は予定されていなかったダブルアンコール。今年7月に配信リリースされた『Re:BIRTH』を「恐れないで 迷わないで」と力強く歌う石月に精一杯手を高く挙げて応えるオーディエンス。「また遊ぼうね、みんなどうもありがとう」。面々の笑みを浮かべて、オーディエンスにそう告げ石月はステージを後にした。 2時間のパフォーマンス中、シンプルだが力強い確かなメッセージをオーディエンスに投げかけ続けた石月努。演奏された全22曲中、音源化されていない新曲を5曲も披露するなど、この日のライヴはただ単に再スタートから今日までを総括するライヴではなかった。表現者石月努はこれからも新しい可能性に向かって常に前に歩んでゆくという確かなメッセージを我々に感じさせるライヴとなったのだった。 TEXT:ぽっくん 石月努の楽曲を買うなら