365日毎日地下アイドルを追った「純血」とは?
常設ライブ会場P.A.R.M.Sでの毎日公演が話題のアリス十番やスチームガールズが所属するアリス・プロジェクト。 所属タレント達は今回「純血」と銘打たれたプロジェクトで地下アイドルの裏側を365日撮影され、ドキュメンタリーが毎日配信されることとなった。無謀とも思えるこの「純血」プロジェクトの真意は?アリス・プロジェクト代表であるせいじ氏に話を聞いた。 -365日地下アイドルを追い続ける「純血」を始動させたキッカケは? せいじ我々は劇場公演を365日毎日行っています。その中で、遠方に住んでいて来られない、時間の都合が合わなくて来られないファンへ向けて、劇場公演と並行して世界中どこにいてもネットで見られる毎日配信のドキュメンタリーをはじめました。直近の公演を見られないファンも、「純血」を見てもらえればその日に起こったことが見られるようにしました。「地下アイドル」としての彼女たちの毎日を見てもらいたいんです。人間臭さとか彼女たちの青春模様を余すことなく配信することが、彼女たちが生み出す作品をメディアや世間に知ってもらう入り口になるのではないかと考えたからです。世の中には数え切れないほどのエンターテイメント作品がある。単にいい曲を作って、可愛い女の子を揃えて披露していても、地下アイドル達がお茶の間、メディアに見つけてもらえることなんて、そうそうありません。その中で、アリス・プロジェクトがどう勝負をするかを常に考えています。そういった理由からアリス・プロジェクトの地下アイドルを知ってもらう一環として「純血」の配信を行っています。過去に週一回、地上波の枠を提供して頂き放送をしたこともあったのですが、彼女たちの成長のスピードを考えると毎日配信していかないと追いつかない。我々も、彼女たちの人生を預かっている以上、何としてでも世間に彼女たちのことを知ってもらわなければいけない。誰も知らないけど良い作品、良いライブ…そんなものは制作サイドの自己満足でしかない。世間の皆さんに作品を知ってもらい、ライブを見てもらってこそのエンターテイメントです。我々は「純血」を中心とするネット媒体を使って毎日彼女たちの周りで起きたことを伝えていき、知名度、より多くのファンを獲得しなければいけないと考えています。 -思春期の女の子たちが、毎日カメラに追いかけられるということで、かなりのストレスを感じているのはないかと思うのですが。 せいじ2013年初頭から始まったドキュメンタリー作品から始まり、今回の「純血」プロジェクトを進めるにあたって、彼女たちには直接何度もドキュメンタリー作品の被写体になる覚悟などの説明をしました。撮られたら嫌なこともあるし、落ち込んでいる時にカメラを向けられたらうざいかもしれないけど、「君たちの悲劇はお茶の間の喜劇」だから、エンターティナーとして理解してキチンと撮影に応じなさいと話しました。僕らは彼女たちをただマネージメントしているのではなく、人生をマネージメントしているつもりでいます。なので、僕らを信頼して委ねてもらう。彼女たちにも当然負担が有りますが、そこは頑張ってもらっています。あえて地下アイドルの過酷さ、彼女達のブザマだけど美しい青春を皆さんにお見せしたことにより、数え切れないほどのテレビ局のカメラが彼女達を取材してくれましたし、現在も継続中です。地下アイドルとしては異例と言ってもいいくらい地上波始め様々な媒体に出させていただいています。年中何らかの番組のカメラが彼女達を追っているので、最早彼女達の生活の一部にすらなりつつあります。地下アイドルは総じて短命です。二年前一緒にライブハウスで夢を追い、汗を流した他事務所の地下アイドルたちも数え切れないほど卒業という名の引退をし、この業界から消えていっています。僕はそれが一番タレントにとってもファンにとって切ないことだと思っています。2、3年アイドルっぽいところだけを見せてうだつが上がらないまま終わってしまい、引退してしまう地下アイドル人生よりも、悲劇をきっかけに世間に見つけて頂き、一日でも輝いていられる方がいいとタレント共々考えております。 -「純血」の中で毎週【オタク満足度集計結果発表】として人気のあるメンバーに加えて、一番人気のなかったメンバーも発表し、配信しています。そこまで赤裸々にする必要があるのでしょうか? せいじ例えばアリス十番の人気投票【下位】常連である藤崎麻美がいます。彼女はパフォーマンス能力も高くすごくアリス・プロジェクトに貢献をしている。ファンからも「十番には麻美がいないと」とか縁の下の力持ちとも言われています。そんな彼女の夢は、バンドを背負ってソロデビューすることです。でもね、彼女個人の人気、日々の動員は数人程度なんです。ということは、彼女がいまソロになったら数人のファンしかいないわけです。時折ファンの方にはあまり厳しいことを言うのはどうか?と苦言を頂きますが、エンターティナーに人気は何より大事なもの。ダンスが上手い数人のファンがいるタレントよりも、ダンスが下手な数百人のファンを持つタレントが圧倒的に仕事があります。このまま人気のないメンバーを見過ごして、ユニットの一部として活動させ続け、卒業するときやソロになる時に「ユニットのパフォーマンスの柱、縁の下の力持ちとしてよく頑張ってくれたね」では僕の責任としてダメなわけです。それは、僕自身もバンド活動でエンターテイメントの世界にいたから分かるんです。頑張ったけど報われなかった演者はいっぱいいます。むしろそっちのほうが多数です。でも、僕が育てるタレントには出来る限りそんな切ない思いをさせたくないんです。アリス十番を、スチームガールズを離れた時にキチンと一人で活動出来るだけのファンを獲得しないといけないんです。地下アイドル、メジャーアイドルも含め世の中には何万人というエンターテイメントで食っていこうとしている人間がいるんです。そんな世界で、僕らも大手事務所ではない、彼女たちも万人の中から選ばれたタレントでもない中でそんな悠長なことは言っていられないんです。縁の下の力持ちとか、貢献度が高いなんて事務所は分かっていますし、感謝もしてます。メンバーにも素直に伝えています。ですがそんなことを言っている暇はない。そんな生易しい言葉は不必要です。その言葉が一時的に彼女たちの慰めの言葉になっても最終的には彼女たちのためにはなりません。ミジメで悲しい思いをするのは誰でもない彼女たち本人です。ユニットの冠が無くなり何かアクションを起こしたとき、そこにオーディエンスは数えるほどだとすると、その先にあるのは限界を感じ引退、またはスポンサー、クライアントから落第点を出され契約を切られて活動不能となるんです。芸能界は何かを披露する場所や環境が無料で提供されるわけではありません。タレント価値を感じてその場所を用意してくれる支える方々が必要なんです。需要の無いタレントはその場に立つことすら許されないんです。なので、酷では有りますがこの純血でも結果発表は必ず入れ、人気のないメンバーの名前も公表することにしました。※楽屋裏にも常にカメラが!-「純血」シリーズで何を表現したいのでしょうか? せいじメンバーには、この「純血」を通して常に考えるようになって欲しいですね。エンタメ業界ではアイドルだろうがプロデューサーだろうが考えることをやめたら終わりです。純血では、LIVE終わりにいきなりカメラを向けられることもあるし、常に自分の立ち位置、今後を考えてセルフプロデュースしていなければいけない。ジャンルにもある個人カメラ(メンバーがカメラを持ち帰り自分自身を撮影する)などまさにその作品の一つです。そういった意味で、「純血」は彼女たち、そして我々が毎日考えるキッカケになるプロジェクトです。ですので皆さんには地下アイドルのリアルと共に思考する彼女達というものをお伝えできればと考えております。 -この「純血」は、最終的にはどこに向かっていくのでしょうか? せいじ今後はファンや裏方のスタッフも積極的に撮影していきたいです。終了時期も全く考えていず、出来る限り「純血」を続けます。最終的に向かうところも想定はしていません。地下アイドルの日々を淡々と赤裸々にお送りするつもりです。ただ、このプロジェクトがキッカケでファンが増えたとか、印象が変わったとか、仕事が増えたとか、テレビに出られるとかそういった次への道がないといけないとは考えます。あと、まだ非公開だったんですが実は来年は大きな会場でワンマンを予定しています。このワンマンは、アリス十番、スチームガールズのメンバーが自ら会場を決めることが大きなテーマとなっています。大人が決めるのでなく、自分たちで考えて決める。現在毎週、グループの垣根を超えてミーティングをしているところです。彼女たちが仮に武道館でワンマンやりたい、東京ドームでやりたいといえば我々は全力で抑えます、たとえ赤字でも。先程も話しましたが、彼女たちには思考することを止めないで欲しい。常設劇場を飛び出て初の大箱ワンマンライブへの道も「純血」で追っていきたいと考えています。新しい試みもどんどんトライしていくこれからの「純血」に期待していてください。「純血」プロジェクト詳細はhttp://www.alice-project.biz/dailyaliceアリス十番盛り上がり必至の『アリスのロッキン・ホラー・ショー』