GRAPEVINE2年ぶりの全国ツアー終焉へ
GRAPEVINEがニューアルバムを引っ提げたツアーファイナルが終了。9月には東京・大阪でのホールライブも決定した!! 2回のアンコールを含めて披露されたのは全25曲。2時間半を超えるステージでおよそ2年ぶりの全国ツアーが幕を下ろした。 ファイナル公演の1曲目を飾ったのは、さっそくニュー・アルバム『愚かな者の語ること』からの選曲で“なしくずしの愛”。巧妙な変拍子に合わせて田中和将がアルペジオを弾きながら歌うという、この見るからに演奏の難易度が高そうな曲をオープニングに用意してくるあたりで、すでに今 回の1か月半におよぶツアーで彼らが得た手ごたえを感じさせる。5人のアンサンブルも滑り出しから実にグル―ヴィだ。田中も冒頭から熱のこもった声を響かせている。 そこからの本編は新作に収録された楽曲すべてを万遍なく散りばめながら、過去のディスコグラフィーからチョイスした曲をはさんでいく形で進ん でいった。彼らのリリース・ツアーがやってくるたびに思うことだが、新作の収録曲と呼応させるようにして新旧を織り交ぜたセットリストは、ま さにその時のツアーでしか味わえないスペシャルなものだ。特に“ピカロ”(11年作『真昼のストレンジランド』収録)、“Wants”(08 年作『Sing』収録)から始まった中盤の流れは、新作のメロウなムードに寄り添うような珠玉の展開だった。 終盤に入るとアッパーな楽曲が続き、会場の熱がまた少しずつ上昇していく。「懐かしい曲を」という紹介とともに始まった“白日”(99年作 『Lifetime』収録)、そして“ナポリを見て死ね”(00年作『Here』収録)では、オーディエンスからも一際大きな声が上がってい た。本編ラストは新作の冒頭を飾る曲“無心の歌”。『愚かな者の語ること』という作品を引っ提げての旅は、ここでひとつの節目を迎えた。 当然のようにアンコールを求める声は止まない。彼らもそれに「9月に渋谷公会堂でライブやるよ」という言葉と共に、“Reverb”(00年 作『Here』収録)などの人気曲で応えていく。このまま大団円に突入するかと思ったが、そう単純にはいかないのがやはり GRAPEVINE。2度目のアンコールで披露されたのは“作家の顛末”(04年作『Everyone, everywhere』収録)。この少し不穏でゆったりとしたエンディングも実にこのバンドらしいし、思わずこの夜にまだ続きがありそうな気持ちにさせられる深い余韻を残していた。(text.渡辺裕也) Photo by 久保憲司