【激深ライブレポ】HKT48初武道館は実際、どうだった?
HKT48初の単独公演となった武道館公演。結論から先になるが、現時点での彼女たちがやりきれる全てを出し切った非常に熱く、素晴らしいライブであった。 2011年10月23日の結成からおよそ1年半、ひいてはCDデビューから1ヶ月という短い時間での武道館単独公演となる。オリジナルの曲数が少ない、場数の経験値が少ないという現状、限られた自分たちの武器でどう勝負をするのかはメンバーも観客も不安であっただろう。実際に、他のAKBグループの『AKB48グループ臨時総会~白黒つけようじゃないか!~武道館公演』とは開場前の武道館周辺で待機するファンの雰囲気が明らかに違う、期待と【不安】に包まれたものだった。 しかし、この日の指原莉乃によるオープニングナレーション 「私たち、緊張しています!けれど、武道館、楽しみにしてます。物語の1ページを楽しんでくださいね」 この一言で【ふわっ】としていた会場は一つになった。 お馴染みの『overture』で会場内から「H.K.T.48!!」と怒号のようなコールが巻き起こる。緊張感から解き放たれたHKTファンの声は円形の武道館を包み込んでいった。 一瞬の静寂が訪れ、小気味良いギターのカッティングが響く。オープニングナンバー『君のことが好きやけん』が始まった。グッと会場と観客の距離が縮まる。まるでホーム福岡HKT劇場のように武道館を広々と踊り歌う彼女たち全員から笑みがこぼれている。意気や良しだ。彼女たちは我々の不安などよそに、この大舞台を楽しんでいる! その後、2曲を歌いMCへ。ここでも指原を中心に展開。兒玉遥のキッチリとした話の回しに感心し、村重杏奈のグイグイ前に出て行く姿に自然と笑いが起こる。めんたいこ!などのギャグは失笑されていたが…これがまた村重杏奈の魅力を輝かす。 AKBグループでも平均年齢が最も低く中学生も多いHKT48だが、指原を中心として深夜番組を多数経験したからか、非常にトークが上手く「聴かせる」状態に仕上がっていた。また、どれだけスベってグダグダになろうとも、指原が要所で締めながら自らを【ネタ】にし話の芯を整えていく。だからこそ、村重や中西智代梨の暴走気味なボケ、田中菜津美という毒舌【狂犬キャラ】を開花させ、安定してギャグをメンバーが連発出来る場が出来上がっている。指原、HKT移籍は着実に成果が出ている印象だ。 話は戻り、ユニット曲。ここでは各メンバーの特色がしっかりと表現された。田島芽瑠、朝長美桜という次世代エース候補と言われる2人による『となりのバナナ』はあり得ないほどキラキラとまぶしいまでのピュアネスを振りまいた。もはや序盤のハイライトとも言える仕上がりは研究生という枠に収まりきらないほどの魅力と力量に溢れていて末恐ろしさすら覚える。宮脇咲良は『狼とプライド』でまさしくこれぞ王道アイドル!と呼ぶべき可憐な部分をストレートにぶつけてくる。兒玉は元来の愛らしさをグッと抑えクールに『残念少女』を歌い幅の広さを見せつけ、HKTのセンター2人がしっかりと見せ場を作る。 その後チームHと研究生にそれぞれ別れ楽曲を披露。チームHは兒玉、宮脇を中心にしたパフォーマンスで王道感を演出。対する研究生組は『RIVER』『メロスの道』と硬派な楽曲を披露。これがまた面白い。特に『RIVER』は先輩たちが長年に渡り披露してきた、言わばファンとしては「目の肥えた」楽曲であるが、この日研究生たちが見せたものは先輩たちとは違った荒々しいながらも抜群のキレ、ただの可愛いだけではない部分もしっかりアピール。輝く原石の片鱗をたったの数分で垣間見させたのには恐れ入る(CMでおなじみの『タンスのゲン』も披露)。 そして、ハイライトとなったのが全メンバーによる入れ替わりでの先輩たちグループ楽曲メドレー。しかも、AKB48の公式ライバルである乃木坂46の楽曲『制服のマネキン』『おいでシャンプー』も披露するという荒業に武道館のボルテージは最高潮に達した。 イノセントさという面を引き継いだ形で、少女特有のキラキラした感覚を出していた。『おいで~』でムカデダンスの先頭を行く兒玉の笑顔は何にも変えがたく美しかった。 最後の曲となる『スキ!スキ!スキップ!』での大団円まで彼女たちは初の武道館という大舞台をただ完走しただけではない。先輩たちに比肩しうるエンターテインメント性、そして何より代えがたいピュアネスぶりを武道館に振りまいた。この日、彼女たちを目撃したファンは確実に彼女たちの真摯な姿勢に心打たれたに違いない。 この日AKBグループの大きなイベントでは恒例となっている【サプライズ】はなかった。しかし、武道館の大観衆はHKT48という【ポテンシャルの塊】を見つけることができたのが最大のサプライズだったのではないだろうか。公演タイトルにつけられた「白黒つける」という意味では完全な白、しかも純で、清らかな、まっさらな白である。 ※写真はすべて(C)AKS